『脳科学から見た「祈り」』 中野信子
子どものころ、親がいつか死んでしまうことが、とてつもなく怖かったです。
まずは祖父が死んで、祖母が死んで、母が死んで、父が死にました。でも、私の脳は、その命日をまったく記憶してないんです。もとから、いい加減な奴といえば、それまでなんですが、いくらなんでもねえ。一人の命日も覚えてないってのは、ちょっとまずいんじゃないかと思うんですけどねえ。
その時の状況とか、まわりに誰がいたかとか、みんな分かるんですけど、何月何日に亡くなったのか、ちっとも覚えてないんですよ。その他の状況から、「このあたりのはず」ということは分かるんですけど。だから、なんかの必要がある時は、連れ合いに聞きます。
「あのさ、いつだったっけ」
それがおかしな話で、何度聞いても忘れちゃうんです。まあ、そういう奴だっていえば、それまでなんですが、しょうがないですね。・・・脳が、記憶を拒否してるなんてことはないでしょうか。
脳科学って、すごい進んでるんですね。ビックリしました。MRIが登場したことが大きいらしいですよ。MRI、足の手術をしたときに、MRIの検査を受けたんです。もともと狭いところは苦手なんですが、しかも、カンカンカン、ぎーぎー、ドンドンドンドンとかって、変な音を聞かされるじゃないですか。危うく、「出してくれー」って叫ぶ寸前で終わりましたけど、二度とMRIは嫌です。
でも、MRIの登場で脳内の動きをリアルタイムで観察できるようになって、脳科学の世界ではここに来て大発見が相次いでいるんだそうです。
「ミラーニューロン」っていうのは共感細胞とも呼ばれる神経細胞で、他者への共感を左右する働きがあるんだそうです。発見されたのは、1998年のことだそうですから、今、まさに脳の働きってのが解き明かされようとしているということのようです。


人間は、長い進化の過程で、生き延びるすべを脳に刻んできたわけですよね。その結果が、今の人間の脳ということなんでしょうか。
たとえば、人間は人に共感することで、他者とともに生きることを選択してきまいた。だから、人を愛し、人のために尽くすことに喜びと幸福を感じるようになっているんだそうです。
「ベータ-エンドルフィン」、「ドーパミン」、「オキシトシン」などは脳内快感物質と呼ばれて、ある一定の条件下で脳内で分泌され、さらに脳を活性化させ、体の免疫力を高めて病気を予防する効果があるんだそうです。
それが分泌されるのは、前向きな心でいるとき、笑顔のとき、感謝の気持ちを持つときなんだそうです。
自分を肯定的にとらえているとき、脳は大きな快感を感じ、活性化するんだそうです。そして、脳が自分を肯定的にとらえるのは、自分がだれか、他者のために尽くしたとき、他者のために祈ったときなんだそうです。他者に愛情を、慈しみの思いを抱いたときなんだそうです。
そういう時に、「ベータ-エンドルフィン」、「オキシトシン」が分泌されて、脳は幸福に満たされるわけですね。
ただ、「アドレナリン」、「ノルアドレナリン」なんてのもあるじゃないですか。闘争心や危機感を感じたときに分泌されるそうですが、こちらは怒りのホルモンと呼ばれて、一気に血圧を上げて人を戦闘態勢に入らせるんだそうです。
かなり微妙ですね。でも、もう私の歳になると、誰かと競争しなきゃいけないってこともなくなりますから、怒りのホルモンには遠慮してもらいましょう。そのためにも、誰かのために祈りましょう。
皆さんが、毎日笑顔で過ごせますように。交通事故が無くなりますように。来年は競馬で儲かりますように。・・・うっ、アドレナリンが‼

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
まずは祖父が死んで、祖母が死んで、母が死んで、父が死にました。でも、私の脳は、その命日をまったく記憶してないんです。もとから、いい加減な奴といえば、それまでなんですが、いくらなんでもねえ。一人の命日も覚えてないってのは、ちょっとまずいんじゃないかと思うんですけどねえ。
その時の状況とか、まわりに誰がいたかとか、みんな分かるんですけど、何月何日に亡くなったのか、ちっとも覚えてないんですよ。その他の状況から、「このあたりのはず」ということは分かるんですけど。だから、なんかの必要がある時は、連れ合いに聞きます。
「あのさ、いつだったっけ」
それがおかしな話で、何度聞いても忘れちゃうんです。まあ、そういう奴だっていえば、それまでなんですが、しょうがないですね。・・・脳が、記憶を拒否してるなんてことはないでしょうか。
脳科学って、すごい進んでるんですね。ビックリしました。MRIが登場したことが大きいらしいですよ。MRI、足の手術をしたときに、MRIの検査を受けたんです。もともと狭いところは苦手なんですが、しかも、カンカンカン、ぎーぎー、ドンドンドンドンとかって、変な音を聞かされるじゃないですか。危うく、「出してくれー」って叫ぶ寸前で終わりましたけど、二度とMRIは嫌です。
でも、MRIの登場で脳内の動きをリアルタイムで観察できるようになって、脳科学の世界ではここに来て大発見が相次いでいるんだそうです。
「ミラーニューロン」っていうのは共感細胞とも呼ばれる神経細胞で、他者への共感を左右する働きがあるんだそうです。発見されたのは、1998年のことだそうですから、今、まさに脳の働きってのが解き明かされようとしているということのようです。
『脳科学から見た「祈り」』 中野信子 潮出版社 ¥ 617 「前向きな心、感謝、人を思う祈り」が脳を活性化し免疫力を高める |
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人間は、長い進化の過程で、生き延びるすべを脳に刻んできたわけですよね。その結果が、今の人間の脳ということなんでしょうか。
たとえば、人間は人に共感することで、他者とともに生きることを選択してきまいた。だから、人を愛し、人のために尽くすことに喜びと幸福を感じるようになっているんだそうです。
「ベータ-エンドルフィン」、「ドーパミン」、「オキシトシン」などは脳内快感物質と呼ばれて、ある一定の条件下で脳内で分泌され、さらに脳を活性化させ、体の免疫力を高めて病気を予防する効果があるんだそうです。
それが分泌されるのは、前向きな心でいるとき、笑顔のとき、感謝の気持ちを持つときなんだそうです。
自分を肯定的にとらえているとき、脳は大きな快感を感じ、活性化するんだそうです。そして、脳が自分を肯定的にとらえるのは、自分がだれか、他者のために尽くしたとき、他者のために祈ったときなんだそうです。他者に愛情を、慈しみの思いを抱いたときなんだそうです。
そういう時に、「ベータ-エンドルフィン」、「オキシトシン」が分泌されて、脳は幸福に満たされるわけですね。
ただ、「アドレナリン」、「ノルアドレナリン」なんてのもあるじゃないですか。闘争心や危機感を感じたときに分泌されるそうですが、こちらは怒りのホルモンと呼ばれて、一気に血圧を上げて人を戦闘態勢に入らせるんだそうです。
かなり微妙ですね。でも、もう私の歳になると、誰かと競争しなきゃいけないってこともなくなりますから、怒りのホルモンには遠慮してもらいましょう。そのためにも、誰かのために祈りましょう。
皆さんが、毎日笑顔で過ごせますように。交通事故が無くなりますように。来年は競馬で儲かりますように。・・・うっ、アドレナリンが‼


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