めんどくせぇことばかり 南北戦争『悲しきアメリカ』 ミシェル・フロケ
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南北戦争『悲しきアメリカ』 ミシェル・フロケ

大分この本のことを引っ張っちゃってますけど、そんだけ興味深い本だということです。

著者のミシェル・フロケさん、視点としては、髙山正之さんなんかに近いような気がしますが、フランス人ですからね。アメリカにおける人種差別なんかも取り扱ってますが、同じ白人という立場であっても、アメリカのことなら言えるってことでしょうか。

そう、その舌鋒は、同じ白人だからといって、決して鈍くならないんです。そのあたりはなんか、不思議な気すらします。

先日、ちょうど1年前に紹介した『変見自在 トランプウソつかない』を、以前取り上げなかった南北戦争に関して書かれていたところを紹介しましたが、この『悲しきアメリカ』でも南北戦争に触れているんです。

《アメリカの国民的ロマン》と著者が言っている、アメリカの単純すぎる善悪二元論。これは本当にタチが悪いですね。かつては「リメンバー・アラモ」をスローガンに、メキシコを悪人にして正義の戦いを戦いました。次いで、「リメンバー・メーン」をスローガンに、スペイン人を悪人にして正義の戦いを戦いました。さらには、「リメンバー・パールハーバー」をスローガンに、日本を悪人にして正義の戦いを戦いました。

本来、そんな単純な図式なんてありえないのに、複雑な国際関係の中でアメリアという国家が“戦争”を選択しているなんてこと、アメリカ人は理解できないんです。

なかなか戦局が好転しない中、国際世論を味方につけるために“奴隷解放”を巧妙に利用したエイブラハム・リンカーンでさえ、本来、奴隷制は「南部の罪ではなくアメリカ全体の罪だ」と言っていたことなど、今のアメリカ人の理解できることではないし、受け入れられることでもない。


『悲しきアメリカ』 ミシェル・フロケ

蒼天社出版  ¥ 2,592

歪んだ体質は、富裕層が得をする今日の格差社会となっていまも続いている
第一章 富裕者たちの幸福
第二章 アパラチア山脈の掘削
第三章 売りに出されるインディアン虐殺の記念地区ウーンデド・ニー
第四章 共に生きるとは―排他的な居住集団
第五章 貧困者には情け無用
第六章 ザ・ジャングル―食品製造業界の裏面
第七章 分壌住宅地での死
第八章 ファーガソン症候群―黒人の受難
第九章 世界最大の刑務所
第十章 ビッグブラザー
第十一章 神の御心のままに
第十二章 恒常的な戦争
第十三章 民主主義の終焉か
第十四章 オバマの八年間は無策だったのか
第十五章 ドナルドのアメリカ


もう一つ、どれだけ悲惨な事件が重なっても、銃所有の規制に動き出さないアメリカ社会を取り扱った項目の中でも、南北戦争に関わる興味深い話が書かれていました。

2015年に南部のチャールストンで発生した銃乱射事件に関してです。ディラン・ルーフという白人の若い男性が、教会で9人の黒人を射殺した事件ですね。その教会は、奴隷制や人種分離への反対運動に関して、結構な役割を果たしてきた教会なんだそうです。

当時の毎日新聞の記事にも、以下のようにありました。
チャールストンはかつて、奴隷貿易で栄えた。この教会は奴隷制度の存否を巡る南北戦争前の1816年創設で、米南部で最も古いアフリカン・メソジスト監督教会だ。奴隷廃止の活動で焼き打ちにあったり、黒人人権活動家のマーティン・ルーサー・キング牧師が訪問したりした歴史を持つ。

事件当日、教会では、牧師で州上院議員のクレメンタ・ピンクニー氏(41)による聖書の勉強会が開かれていた。容疑者は議論を1時間ほど見守った後、突然立ち上がって銃を取り出した。なだめようとした参加者の男性に対し、「お前たちは私たちの女性をレイプし、この国を乗っ取ろうとしている」と語ったという。この男性や牧師を含め、26~87歳の男女計9人が銃撃の犠牲になった。


ったく、「奴隷制度の存否を巡る南北戦争」とかって、教えられたままに素直に受け入れるしかない人が新聞に記事を書いていいのかって思っちゃいますが、まあ、そんな事件があったわけです。
犯人のディラン・ルーフの人となりが解き明かされていく中で、論争は銃規制から離れていったんです。私もその時のことは覚えています。ディラン・ルーフが、南北戦争時の南部連合、これってアメリカ連合国ですよね。連合国旗
その旗、つまり連合国旗と一緒に写真に収まるのを好んでいたというところから、論争が銃規制から離れて、南部の多数の州で、多数の公的機関の建物にアメリカ連合国旗が翻っていることの是非を問うものに変わっていったんです。

そう、南北戦争というのは、本来、経済的な成り立ちの違う南部諸州が、アメリカ連合国を名乗って合衆国から脱退しようとしたのを、北部諸州が叩き伏せて、その南部に蓄積された富を奪い取り、それを元手に経済発展を遂げたいった戦いです。

著者の言葉を借りれば、《善意で正直な北部の諸州が、あの英雄的な戦争、南北戦争で、悪と奴隷制と南部の諸州を打倒した戦い》ってことなんです。
その後のデモには、こんな情景が合ったそうです。《アメリカ連合国旗=奴隷制=黒人差別=銃の乱射》って言うことなんですね。良かったですね。この論争に韓国人が関わってこなくて、本当に良かったですね。旗




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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