めんどくせぇことばかり 難民『本音化するヨーロッパ』 三好範英
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難民『本音化するヨーロッパ』 三好範英

難民を受け入れるっていうのは、難しいものですね。

ヨーロッパの難民危機が人々の意識に上がり始めたのは、北アフリカから地中海を船で渡る難民船が増えてからだそうです。年でいうと2013年頃から。たしかにあの頃、ものすごい数の難民を乗せた船の沈没事故が、よく報道されてましたね。2015年からはバルカン半島からEU諸国を目指す難民が急増しました。

この本に、国連難民高等弁務官事務所の調べが載ってます。

地中海ルート
15年/15万人 16年/18万人 17年/12万人 

バルカンルート
15年/86万人 16年17万人

15年はすごい数になりますね。合わせて101万人です。11月の1カ月だけで20万人以上の難民が流入したそうです。中でもドイツは、一連の動きが始まってから2018年の初めまでに、140万人以上の難民が流れ込んだそうです。

日本では、昨年末に入国管理法の改正案が俎上に上がって審議され、まさに今年の4月以降、単純労働の分野においても、外国人のが労働者として入ってくることになりました。2025年までに50万人越えの受け入れを目指すということです。あくまでも、労働市場を外国人にも一部開放するということで、難民の受け入れとは違いますが、一部では、外国人労働者も難民も、さらには外国人旅行者のマナーのことまで一緒くたになって議論されていて面白かったです。

話を戻します。ドイツへの難民申請者数は、15年/47万7000人 16年/74万6000人 17年/22万3000人で、1カ月当たり1万5000~2万人ってところだそうです。ものすごいですね。この中から、まず、《安全な国》の人々の申請を迅速に却下するんだそうです。反体制派だったり、宗教的迫害を受けた証拠を提出できなければ2週間だそうです。

そうでない人たちは、まず最初に行う難民申請手続きの登録に何日かかかるそうです。法を犯していないか、欧州刑事警察機構への犯罪歴の照会を行い、登録を済ませると《仮宿泊所》で、申請手続きを行いながら認定を待つんだそうです。この間、3~6カ月、生活が保障され、小遣いを受け取りながら過ごすんだそうです。

めでたく難民認定を受ければ、《仮宿泊所》を出ることになりますが、当初は家賃を払える状況にないので、当局の準備する《共同宿泊所》に入るんだそうです。

《仮宿泊所》は3,4家族が一つの部屋に住むんだそうです。一人で来た人は12~13人が一部屋で、食事も一緒にするんだそうです。そんな日が3~6カ月ってのは、かなりきついですね。認定されて、《共同宿泊所》に移れたら、家族は自分の部屋が持てるし、食事も部屋で料理できるということですから、これは嬉しいでしょうね。

でも、そのままドイツで仕事を見つけて、ドイツに自分の生活の礎を築いていくっていうのは、かなり難しいことのようです。



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ヨーロッパの「本音化」というべき現象が、EUの協調を崩し、世界の衝突の震源地となる
序章 過ぎ去らない危機
第1部 難民とロシア 二つの最前線
第1章 レスボス島のEU旗
第2章 泥濘のリトアニア軍演習場へ
第2部 右傾化と分断 内在化する脅威
第1章 難民受け入れの現場から
第2章 ポピュリズムの実相
第3章 ユーロが生む貧困と格差)
終章 漂流するヨーロッパ

もちろん、登録しても難民認定されない人も結構いるようです。その場合、母国に送還することになるわけですが、これがなかなか進まないみたいなんです。送還を待つ間に、居るべき場所にいなくなっちゃう人が結構多いらしい。そうなると、不法在留ってことになるんでしょうか。身分のはっきりしない外国人が増えるってのは怖いですね。

あとは送還先の母国が、受け取りを拒否するようなケースも多いらしいです。・・・ドイツではつかめなかったけど、なんかやらかした奴らなんでしょうか。いろいろな問題あるもんですね。

《仮宿泊所》は3,4家族が一つの部屋に住んで、または12~13人が同室で、個室はなし。手洗いは共同。出身国が同じ場合もあれば、違う場合もある。いずれも戦争や排外主義のあるところから逃れてきた。だから排外主義は許さない。たとえ、戦っていた対象の国民同士であっても、ドイツに難民として逃れてきたのなら忘れるべきだ。

それがドイツの、難民受入れの姿勢の様です。

人間にとって民族、宗教、国籍、性別、年齢などの要素は非本質的であって、それらをそぎ落とした人間として考えるべきで、抽象的な個人よって社会が形成されるという考え方のようです。これって、ちょっとドイツっぽくない感じがします。フランス人、そう、ルソーあたりが喜びそう。

そのように、自分のアイデンティティを一度そぎ落として、その上で、ドイツに同化させるって考え方なんですね。

家族とともにシリアから脱出した難民の女性の方の話が出てくるんです。その人は、ドイツで生活を確立することを目指しているようなんですが、自分に染みついた民族性であるとか、出身国のなんたらかんたらとか、宗教上の禁忌であるとか、・・・そういうものをみんなそぎ落とすって、おそらく、自我崩壊に追い詰められることになるんじゃないでしょうか。

状況は違っても、日本にも外国人が入ってきます。当然ですが、私たちが望むような外国人労働力になってくださいってのは、あまりにも虫の良すぎる話ですね。外国人労働力を必要としているのはこちらで、必要で入れるんですから、私たちも変わる必要があるってのが、真っ当な考え方だと思うんですが、どんなもんでしょう。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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