『大人の山登り入門』
まったく、恥ずかしいったらありゃしない。
33歳までだったかな。ガツガツ山に登ってたのが、身体のことがあってまるっきりやめてしまって、56歳になって再開したときには、すっかり別人のような体になってました。悪かった足を手術して治ったのはいいんです。でも、歩き始めてみれば、筋力は最低だし、体のバランスは悪いは、心肺機能は落ちてるは、いいところを探すとすれば、タバコをやめたことくらい。
その割に、再開して2年になろうってのに、いまだにかつての自分から離れることができません。「もう、ぜんぜん違うんだから、体に合わせてゆっくりゆっくり」って思って入るんだけど、歩いているといつの間にか、身体が以前の私を追って歩いているような感じです。特に、周辺に人がいると特に駄目です。人がいなくても結局ダメです。
だいたい、いつも、最初のうちにスピードを上げすぎて、あとで反省するんだけど、もう“時遅し”って感じです。先を焦って行動食や水分摂取を怠って、後でヘロヘロって感じのこともあります。情けないったらありゃしない。
子どもの頃、日曜日にも仕事に行く父について、父の働く工場に行って遊んでたことがあります。そこでは石綿を作ってたんで、ふわふわを追いかけて遊んでました。すぐ息が上がるんですが、あんだけ石綿の中で遊んでいれば・・・。それともただ心肺機能が落ちただけなのか。石綿の影響はもっと先のことか。
いずれにしても、それが今の私なんですから、いつまでも昔の自分を追っかけるのは、あまりにもみっともない。
だいたい自分がこれまでやったきたことなんて、みっともないことばかりに感じられるんです。その時その時、いつも私は精神年齢低いようで、思い出すたびに髪の毛をかき乱していたら、なくなってしまいました。
ここまで来たら、過去の自分と決別して、・・・えっ?出家は勘弁してください。


もう、・・・この本を開いて1ページめに書かれています。
「慌てない。慌てない。ひと休み、ふた休み」
今の私の身体は、高度を怖がります。昔は、高度感に胸が高鳴ったんですが、違うんです。きっと、今の私の身体が、「そういう場所は、まだやめた方がいいよ」って言っているかのようです。そういう身体の声を無視していると、それこそ山登りを嫌いになるかもしれませんね。
「自分の体と向き合う」ってことは、この本の中でもとても重視されてます。私が気になるのは、体のバランスです。手術で股関節を治したんですが、手術前は足の長さが2.5cmほど違ってたんです。長い間、その体に慣れてきましたので、山を再開してから、よく転びました。大転倒です。膝をパックリやって、今も悩まされてるのもそのせいです。しかも、バランスは加齢とともに一番に衰える機能なんだそうです。
自分でも感じてるんです。急な下りで、特に。
それでも、この2年で、ずいぶん良くなったんですよ。やっぱり、山の能力を高めるのは、山に登るのが一番なんですね。もう、大転倒はなくなりました。ちょっとしたつまづきも、まずありません。高度にも、闇雲に進まずに、ルートをしっかり見定めるようになりつつあります。
ただ、ここまで私は、少し無理をしてきたのかもしれません。いや、たぶん、してきました。
・・・もう一度、2年前に戻るのが一番かな。ちょうど、4月から、大きく環境が変わるので、もう一度、今の自分に合った山歩きを見つけたいです。せっかく、山登りを再開できたんですから。
私、この本が5月に出たとき、知ってたんです。でも、この本には手を伸ばしませんでした。入門書なんて、私の読む本じゃないと思ったからです。でも、この本から、もう一度始めたほうがいいと思って、読むことにしました。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
33歳までだったかな。ガツガツ山に登ってたのが、身体のことがあってまるっきりやめてしまって、56歳になって再開したときには、すっかり別人のような体になってました。悪かった足を手術して治ったのはいいんです。でも、歩き始めてみれば、筋力は最低だし、体のバランスは悪いは、心肺機能は落ちてるは、いいところを探すとすれば、タバコをやめたことくらい。
その割に、再開して2年になろうってのに、いまだにかつての自分から離れることができません。「もう、ぜんぜん違うんだから、体に合わせてゆっくりゆっくり」って思って入るんだけど、歩いているといつの間にか、身体が以前の私を追って歩いているような感じです。特に、周辺に人がいると特に駄目です。人がいなくても結局ダメです。
だいたい、いつも、最初のうちにスピードを上げすぎて、あとで反省するんだけど、もう“時遅し”って感じです。先を焦って行動食や水分摂取を怠って、後でヘロヘロって感じのこともあります。情けないったらありゃしない。
子どもの頃、日曜日にも仕事に行く父について、父の働く工場に行って遊んでたことがあります。そこでは石綿を作ってたんで、ふわふわを追いかけて遊んでました。すぐ息が上がるんですが、あんだけ石綿の中で遊んでいれば・・・。それともただ心肺機能が落ちただけなのか。石綿の影響はもっと先のことか。
いずれにしても、それが今の私なんですから、いつまでも昔の自分を追っかけるのは、あまりにもみっともない。
だいたい自分がこれまでやったきたことなんて、みっともないことばかりに感じられるんです。その時その時、いつも私は精神年齢低いようで、思い出すたびに髪の毛をかき乱していたら、なくなってしまいました。
ここまで来たら、過去の自分と決別して、・・・えっ?出家は勘弁してください。
エイ出版社 ¥ 1,296 自由に時間やお金を使えるようになった世代の方々に向けて、生涯の趣味として、山登りを |
|
もう、・・・この本を開いて1ページめに書かれています。
「慌てない。慌てない。ひと休み、ふた休み」
今の私の身体は、高度を怖がります。昔は、高度感に胸が高鳴ったんですが、違うんです。きっと、今の私の身体が、「そういう場所は、まだやめた方がいいよ」って言っているかのようです。そういう身体の声を無視していると、それこそ山登りを嫌いになるかもしれませんね。
「自分の体と向き合う」ってことは、この本の中でもとても重視されてます。私が気になるのは、体のバランスです。手術で股関節を治したんですが、手術前は足の長さが2.5cmほど違ってたんです。長い間、その体に慣れてきましたので、山を再開してから、よく転びました。大転倒です。膝をパックリやって、今も悩まされてるのもそのせいです。しかも、バランスは加齢とともに一番に衰える機能なんだそうです。
自分でも感じてるんです。急な下りで、特に。
それでも、この2年で、ずいぶん良くなったんですよ。やっぱり、山の能力を高めるのは、山に登るのが一番なんですね。もう、大転倒はなくなりました。ちょっとしたつまづきも、まずありません。高度にも、闇雲に進まずに、ルートをしっかり見定めるようになりつつあります。
ただ、ここまで私は、少し無理をしてきたのかもしれません。いや、たぶん、してきました。
・・・もう一度、2年前に戻るのが一番かな。ちょうど、4月から、大きく環境が変わるので、もう一度、今の自分に合った山歩きを見つけたいです。せっかく、山登りを再開できたんですから。
私、この本が5月に出たとき、知ってたんです。でも、この本には手を伸ばしませんでした。入門書なんて、私の読む本じゃないと思ったからです。でも、この本から、もう一度始めたほうがいいと思って、読むことにしました。


- 関連記事