めんどくせぇことばかり 縄文の系譜『逆説の日本史23 明治揺籃編』 井沢元彦
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縄文の系譜『逆説の日本史23 明治揺籃編』 井沢元彦

日本には縄文人という先住民族がいて、「動物を殺す文化」を持っていました。だからこそ、武を尊ぶサムライというのは、その系譜に連なるものでしょう。日本の文化というのは、じつは縄文と弥生の対立抗争で成り立っていると考えるのが良さそうです。「征服者である弥生人の、被征服者である縄文人に対する差別が、いわゆる部落差別の本質であろう」と、井澤さんはおっしゃいます。

征服者と非征服者というと、合衆国とアメリカインディアンを連想してしまうけど、弥生人と縄文人はそういう関係ではなかったようです。進んだ稲作技術を受け入れていく中で、弥生人の文化に塗り替えられていくわけですね。だけど、縄文的気質を地域によっては深い部分に、地域によってはより濃厚に残しながらも、新しい時代に移り変わっていったんでしょう。

「動物を殺す文化」である縄文の気質を色濃く残した武士たちが、表舞台に立つ時代がやってきました。鎌倉時代ですね。しかし、狭い日本という島国でぬくぬくと平和に酔いしれている間は、軍事力の効用を認めなくても生きていけます。江戸時代というのはまさにそういう時代で、そのトップが朝廷ではなく幕府であったにも関わらず、「ケガレ忌避」の傾向が進んでいったわけです。サムライだって、縄文の気質を色濃く残すとはいえ、弥生文化に移行しているわけですから。

一例を挙げれば、歴とした武士は罪人の首を切らなくなります。ちょうど天皇家が中大兄皇子の時代は人を斬り殺しても平気だったのに、平安時代には自ら刃を振るった天皇など一人もいなくなったのと同じような現象が起こったのでわけです。

そうした「太平の眠り」つまり平和ボケ状態の日本へ黒船はやってきました。日本人は慌てました。このままでは欧米列強の植民地にされてしまうという恐怖感を抱き、それまで弾圧していたサムライ精神を復活させました。そして日清、日露戦争に勝ったまではよかったんですが、この二つの戦役で犠牲となった死者の霊のためにも、それで得た満州国という権益は絶対に手放してはならないというのが、日本人共通の信念となってしまいました。

満州国を絶対に手放すまいと思ったのは、日本人の深層心理には怨霊信仰があり、そんなことをすれば戦役の犠牲者すべてが怨霊になってしまうという恐怖があったからだ、ということでしょう。だからこそ軍部の最高責任者東条英機は、天皇にやめろと言われ、自らも危険な作戦だと熟知しながら「英霊に申し訳ない」という感情を克服できず対米開戦に踏み切らざるを得ないわけです。その結果が大破綻。今度は数百万人が犠牲になりました。

そこで戦後の人々は、彼らの死を無駄にしてはならない、という怨霊信仰に基づき「平和憲法を絶対に守れ」が国民の目標になりました。「平和憲法」を守るためには命を惜しむべきではないという方針に転換です。変わったようで、まったく同じことが繰り返されてますね。


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木戸孝允が病死し、西郷隆盛が戦死し、大久保利通が凶刃に倒れた。そして、日本の近代が始まる
第1章 近現代史を考察するための序論 近現代史を歪める人々
第2章 大日本帝国の構築1 琉球処分と初期日本外交
第3章 大日本帝国の構築2 廃仏毀釈と宗教の整備


強大なはずの大日本帝国陸海軍が日本を守れなかったという教訓がよほど身にしみたのかもしれませんね。戦後日本は平安貴族と同じです。軍隊の効用、つまり防衛力や抑止力を一切認めない考え方に戻ってしまいました。日本のまわりは敵だらけ、・・・結構、絶望的なまでに敵だらけです。にもかかわらず、それを考えたくないんです。

「ロシア君だっていいところがあるよ」とか考えてます。自分の家の畑を、以前力づくで取られているにもかかわらずです。「支那なんて呼んじゃだめだよ。嫌がってるじゃないか。わがままを言うこともあるけど、昔はこっちが悪いことをしたんだからさ」とかっていう人もいます。毛沢東という史上最悪の人殺しも、世界の偉人扱いです。「朝鮮君が怒るのは当たり前だよ。国をまるごと乗っ取っちゃったんだから」とか、なんだかこっちが悪いようなことを言う人がいます。朝鮮が隣りにあることが、日本の最大の不幸の一つだというのに、です。

アメリカ君のことは、またにします。血圧が上がりそうですから。

とりあえず、こんな敵に包囲されているような状況で、・・・核兵器も必要です。ロシア君と、中国君と、朝鮮君は、核兵器を持ってるんですから。・・・アメリカ君もね

でも、今の日本じゃ、とってもこんな話を、公の場所ではできないでしょ。

最もたちの悪いケガレである死穢にまみれているのが軍隊、つまり在日米軍であり自衛隊です。その徹底的に軽蔑すべきケガレた存在が、軍事力や抑止力で日本国の平和を守っているんです。実際。だけど、軍隊の効用、つまり防衛力や抑止力を一切認めない人たちにしてみれば、そんなことはありえないし、あってはならないことなんです。

そこで、鎌倉時代の貴族が神風を持ち出したように、戦後日本人は平和憲法を持ち出しました。モンゴル軍の猛攻を退けたのは、鎌倉武士団の戦いであったにもかかわらず、亀山天皇が筥崎宮に奉納した《敵国降伏》の御真筆に上が応え、神風を吹かせたことでモンゴル軍を退けたと、訳のわからないことを言い出しました。

「戦後の平和は軍事力ではなく平和憲法によって守られた」と一緒です。訳がわかりません。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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