めんどくせぇことばかり 『戦争の経済学』 ポール・ポースト
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『戦争の経済学』 ポール・ポースト

アメリカ合衆国では1932年の選挙で、民主党のフランクリン・ローズヴェルトが大統領に当選し、ニューディール(新規まき直し)と呼ばれる経済復興政策を実施した。まず銀行の救済をはかるとともに、金の流出を防ぐため金本位制から離脱した。また、農業調整法(AAA)で農業宣さんを調整し、農産物の価格を引き上げて農民の生活を安定させ、全国産業復興法(NIRA)では工業製品の価格協定の公認して、産業の復興を促すとともに、テネシー川流域開発公社(TVA)に代表される公共事業によって失意業者を減らそうとした。他方、35年、ワグナー法によって労働者の団結権と団体交渉権を認め、労働句にあいの結成を助長した結果、38年に産業別組織会議(CIO)が成立した。これら一連の政策による経済復興の効果は限られていたが、国民の不安を軽減し、ファシズム諸国に対抗して民主主義を守った意義は大きかった。
これ、なんの記述だと思います。・・・泣く子も黙る、山川出版社、『詳説 世界史B』の《第14章二つの世界大戦》、〈4 世界恐慌とファシズム諸国の侵略〉、「ニューディールとブロック経済」の冒頭です。

「日本における“世界史”は山川出版の『詳説 世界史B』に書かれている」と言われているわけですから、日本における“世界史”は、まさに上記のようになってるわけです。・・・ど、どうしよう。

“ニューディール”なんて言いながら、国家予算をジャブジャブつぎ込んで「経済の立て直しを優先していくのかな」なんて思えば、労働運動を助長して企業の首を絞め揚げる。かと思えばジャブジャブ国家予算をつぎ込んで、・・・

こんなことでは経済復興なんてありえません。ジリジリと社会にジレンマが蓄積されていきます。コミンテルンのエージェントたちの思惑通りですね。

『戦争をすると儲かる』ってことになるためには、いくつかの条件があるそうです。
①戦争前のその国の経済状態
戦争で経済効果が期待できるときは、その国が不況であることが前提となる。戦争により政府支出が増え、それがGDPを押し上げる。
②戦争の場所
戦場はなるべく本国から遠い所が良い。
③戦争資源、兵士の動員の量
戦争に動員できる労働力がどれだけ残っているか。端的に言えば、失業率が高い時ほど戦争の経済効果が高い。インフラと民間生産力に、どれだけ戦争に向ける余力が残っているか。
④戦争の期間と費用及び資金調達法
不況で、デフレ下にあれば、通貨発行がもっとも適している。インフレ状態であれば、通貨発行はインフレに歯止めがかからなくなる。

    お、まさに当時のアメリカは、戦争を始めるにうってつけじゃないですか。

    『戦争の経済学』    ポール・ポースト

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    経済理論を使って、巨大な公共投資である戦争のバランスシートを丸裸にする
    第1部 戦争の経済効果
    (戦争経済の理論;実際の戦争経済:アメリカの戦争 ケーススタディ)
    第2部 軍隊の経済学
    (防衛支出と経済;軍の労働;兵器の調達)
    第3部 安全保障の経済面
    (発展途上国の内戦;テロリズム;大量破壊兵器の拡散)
    付録 事業・プロジェクトとしての戦争

    アメリカは、山川出版がほめたたえるフランクリン・ディラノ・ルーズベルトのニューディールによってではなく、第二次世界大戦によって世界恐慌から脱出し、経済を大発展させるきっかけとしたわけです。

    この本に、第二次世界大戦およびその後のアメリカが関わった戦争と、アメリカ経済とのかかわりを教えてくれています。


    《アメリカの戦争にみるGDP当たりの戦争の割合》
    第二次世界大戦 132%
    朝鮮戦争       31%
    ベトナム戦争     8%
    湾岸戦争        1%
    イラク戦争       1%未満

    《アメリカの戦争にみる経済成長率》
    第二次世界大戦 69%
    朝鮮戦争      11%
    ベトナム戦争   10%
    湾岸戦争     -1%
    イラク戦争      2%


    労働集約型戦争からハイテク兵器による資本集約型戦争に変化したため、戦争に失業者を吸収することが難しくなり、平時の生産能力を戦争に奪われるというマイナス面が出てきたようです。

    この傾向はさらに進むでしょうから、戦争に経済的メリットを望めなくなっていくでしょう。ディメリットが大きければ、戦争をする意味がなくなります。ルーズベルトは、まさにそのために戦争をしたんですから。オバマが大統領だったとき、アメリカがシリア問題、ウクライナ問題に及び腰なのは、そのような理由です。それは、基本的には、トランプになっても同じです。

    ただ、世界のあちこちで、主導権をロシアや“中国”に渡すわけにはいきませんからね。

    それでも、戦争をしても得にならないと判断せざるを得ない状況に相手を追い込めば、戦争は起きないということです。ただね、そういう判断に至っても、相手国が国内問題から戦争に打って出ざるを得ないっていう場合もありますからね。

    なんか、北朝鮮だ、“中国”だって国は、そういう傾向が強そうです。




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    ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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