めんどくせぇことばかり 神功皇后『磐井の乱の謎』 関裕二
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神功皇后『磐井の乱の謎』 関裕二

『魏志倭人伝』の倭人の習俗を描いた場面に「鯨面文身」の記事があります。刺青ですね。「男たちはみな、大人も子供も、顔や体に模様のついた刺青をしている」とあり、さらに解説として、次の一節が付されています。「夏王朝の少康の子は、会稽の王にされると、髪を切り、イレズミをして、大きな蛇から身を守った。倭の水人が水に潜って魚貝を捕る際しイレズミをしているのも、大きな魚や水鳥を威嚇するためだったが、次第に飾りになった」と、倭人と中国南部の習俗がよく似ていると指摘しています。
土偶縄文時代中頃から土偶の顔の目の下に八の字が惹かれるようになったそうです。岡山県田益田中遺跡で弥生時代の面を描いた土器が見つかり、目の下に上向きの弧線が描かれていたそうです。doki.jpg
縄文時代中ごろから始まったイレズミの風習は5~6世紀の埴輪まで継続していたこともわかってきたそうです。『日本書紀』の記述では、イレズミの風習は海人、隼人、久米氏、蝦夷ら、辺境の人たちだけに残っていたようです。魏志倭人伝に書かれた記事は、そこが九州の海人の末裔の領域であることを示しているわけですね。haniwa.jpg

『磐井の乱の謎』    関裕二

河出書房新社  ¥ 1,890

北部九州の豪族・筑紫君磐井は、なぜヤマト政権に反旗を翻したのか?
第1章 磐井の乱勃発
第2章 九州と天皇とヤマト
第3章 東アジアと日本
第4章 継体天皇の立場
第5章 磐井の乱の真実


神武天皇は山幸彦が海神の娘である豊玉比売を妻として生まれたのがウガヤフキアエズノミコトです。でも、山幸彦は「見ちゃだめよ」って言われてった豊玉比売の出産シーンをのぞき見してしまったので、子どもの養育を妹の玉依姫に頼んで離婚しちゃうんです。

ウガヤフキアエズノミコトは成長してから自分を育ててくれた玉依姫と結婚します。そして生まれた4番目の子どもがカムヤマトイワレヒコ、神武天皇です。だから神武天皇は、母と祖母が海神の娘ということです。そして、その海神を祀っていたのが、イレズミを入れていた一族である「奴国の安曇氏」なんですね。

かつて奴国は後漢に使いを送り、光武帝から金印をもらいました。でもその金印って、江戸時代に甚兵衛さんが田んぼの溝から偶然発見したんですよね。王様のお墓から見つかったとかじゃないんです。あきらかに、なんか大きな騒動、それは敵に攻められて逃げ落ちなければならないような状況になって、敵の手に渡らないように埋めるか、あるいは放棄するかしたんでしょう。

ヤマトを騙った邪馬台国をせめて卑弥呼を滅ぼした神功皇后こは、親魏倭王を殺したことを魏に報告できないままに卑弥呼の宗女台与として“邪馬台国”の王となるしかありませんでした。台与は、結果として九州に君臨することになってしまいました。ヤマト政権は、そんな台与のヤマト政権が邪魔になり、魏が滅びて晋となった機会にこれを攻めるのです。
神功皇后に従った安曇氏の奴国も、この時同時に攻められ、その際、金印は土中に埋められた考えれば、筋は通ります。

だから、邪馬台国は、卑弥呼の時と台与の時の二回、ヤマト政権軍に包囲され、攻撃されていることになります。北九州は朝鮮半島や大陸への通路にあたりたいへん富栄えていました。これは、北九州の地政学的特徴から言えることです。同時に、東側からの攻撃に弱いというのも、北九州の地政学的特徴です。

攻められた台与は、安曇氏ら海人に守られて南九州に落ち延びていきます。

崇神天皇の時、疫病が蔓延し、人口が半減するほどだったと日本書紀が記事を残します。三輪山の大物主神は「これは自分の祟りであるから、自分の子孫を探して私を祀らせればおさまる」と言います。

奈良時代、藤原四氏を死に追いやった天然痘を考えれば、「人口が半減するほどの」というのもさほどオーバーに過ぎるとは言えないことが分かります。そしてこの時の天然痘が、朝鮮半島からの帰国者によって持ち込まれたように、おそらく崇神の時代の疫病もそうだったのではないでしょうか。

九州に上陸した疫病が、次第に都を恐怖に陥れていく様に、ヤマト政権が九州から追い落とした神功皇后の祟りを考えたとしても、不思議とは言えないです。その血を引くものを急ぎ招き入れて、大王の座につけることで、祟りを払おうとしたのでしょうか。

う~ん。本の内容にずいぶん触れちゃったけど、でもまあ、ここまでは著者の言ってる通り、『応神天皇の正体』という本の中で述べていることですからね。いいですよね。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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