越生 梅まつり

三十数年前、ここ、越生梅林の梅まつりに、平日に訪れました。
三月の始めでした。肌寒い日だったのを覚えています。じつは私、当時、高等学校に勤務しておりました。卒業式を終えたその足で、越生の梅林に打ち上げに行ったのです。同僚たちと一緒に。もちろん、休みを取ってですよ。梅林近くの酒屋で酒を買い込んで、なんとか卒業式を終えたお祝いをしようということです。

平日の、しかも肌寒い日とあって、客足もまばら、というより、人はあまりいません。梅干しを始め、越生の名産、銘菓、近くの畑で取れたいろいろとかが販売されてました。お祭りらしく出店もセットされてましたが、平日の人の少ない日はやってなかったような気がします。そういうところには地元の婦人会の方々のお店が出るじゃないですか。それはやっていたんです。
甘酒や、おでんなんかがあったんですが、お客はそんなにいませんでしたからね。私たち、そんな婦人会のお店の食い物をあてにしていたんです。そしたら、客足まばらで、すでに書き入れ時の昼も過ぎていましたので、婦人会の人がおでんを大鍋ごと、格安で提供してくれたんです。
地元、佐藤酒造の酒、さらにはにごり酒を持ち込んだのを覚えてますね。心地よく酔いました。
家族ができてからは、毎年、越生梅林の梅まつりに行くようになりました。最初は、連れ合いと二人で、そのうち子どもが生まれて三人で、さらには四人で、連れ合いの父親が一緒だったときもありました。数年前から、また二人でやって来るようになりました。


ミニSLは、下の男の子が喜びましたね。乗り物が好きでしたからね。こういうの、子どもと一緒に載るのが、気恥ずかしくて、苦手です。写真係を装って、いつも連れ合いに任せてしまいました。上の女の子は乗り物には興味がありませんでした。そのかわり、動物が好きで、小さいころから馬とか平気で乗ってました。馬に乗る時も、結局、写真係を装って、連れ合いに任せてしまいました。
ミニSLを喜んでいた下の男の子が、今年、結婚するみたいです。動物好きの上の女の子は大学を出るや否や結婚し、今は二児の母。子育てに苦労しているみたいです。

そうそう、一度、出店のお兄さんに「先生」って声をかけられたことがありました。誰かと思ったら、まあ見覚えのあるやつで、山に連れてったこともある男でした。高校一年生の女の子を連れまわして、いろいろ面倒なことになってね。しかも、その女の子ってのが、私も関係者の一人だったもんですから、何かとすったもんだしていたやつでした。
やはり、寅さんの世界でお世話になっているようでした。最初は警戒しましたが、どうも、過去のすったもんだにこだわっていそうもなく、ニコニコしてるんだから、逆に顔をつぶしちゃいけないですからね。幼児の分も含めて、お好み焼きを四つもおごられてしまいました。あいつにあったのはそれが最後。ずいぶん経って、今は、そいつも五〇を超えているはず。どうしているでしょう。まさか旅暮らしってこともないと思いますが・・・。



舞台では、越生囃子の実演をしていました。越生祭りの際の屋台で行われるお囃子と、ひょっとこや狐の面、神さま?の面をつけた人の踊りです。手ぶり、身振りがとても面白くて、見ていて飽きないんです。太鼓、笛、鉦も、とても複雑なリズムを、上手に奏でておりました。歳もバラバラ。きっと上の人が下の者に教えて、この先も続けられていくんでしょう。ゆっくり見させていただきました。とても、良かったです。
来年も来ます。・・・たぶんね。

そうそう、花の具合ですが、二四日で五分ってところでした。私、二六日にも仕事をさぼって、都幾川から越生の山をほっつき歩っていたんですが、けっこう進みましたよ。天気に寄りますが、三月二日、三日の土日が、今年一番かも。


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