めんどくせぇことばかり テロ『一神教と戦争』 橋爪大三郎 中田考
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テロ『一神教と戦争』 橋爪大三郎 中田考

イスラーム教徒は、アダムが最初の預言者だと考えていて、その神の宗教はすべてイスラームと考えているんだそうです。つまり、ユダヤ教もキリスト教も、すべてイスラームなんだそうです。・・・?

つまり、モーセを最も偉大な予言者とするのがユダヤ教で、イエスを最も偉大な予言者とするのがキリスト教ですが、彼らも神の教えを伝えていたのです。それはイスラームなんです。でもだんだん教えが歪曲されて、その後、ムハンマドが現れて最終的にそれを正し、本来のイスラームに帰したということなんです。

本当の意味で普遍的な宗教という概念が生まれるのはイスラームからで、イスラームは多神崇拝、偶像崇拝などさまざまな信仰と行為の体系を“宗教”として一般化し、イスラームもその中の一つとして相対化したうえで、中でもイスラームこそ、唯一の正しい宗教であるという立場をとるんだそうです。中田考さんのおっしゃるところです。

ただ、正義を主張する以上、他者を非正義と糾弾しなければなりません。そのことも、中田さんはおっしゃってます。「場合によっては、その教えを守り広げる手段として戦争も起きてくる」と。

もちろん、イスラーム教徒がのべつ幕なし“教えを守り広げる”使命感を持って歴史を刻んできたわけでもありません。ときにそういうこともあったという意味でしょう。だけど、原理的に考えれば、そう言うことになるということですね。これは一神教ですから、イスラームだけでなく、キリスト教だってそのはずですね。


『一神教と戦争』    橋爪大三郎 中田考

集英社新書  ¥ 929

これほど緊張感に満ちた、火花の出るような対談を読んだのは、実に久方ぶりであった

第1章  戦争観の違い イスラームvsキリスト教
第2章  ナショナリズムと戦争
第3章  キリスト教徒はなぜ戦争がうまいのか
第4章  ヨーロッパのシステムは普遍的なのか
第5章  核の脅威と国際社会
第6章  イスラームは国際社会と、どのように調和するのか
第7章  破滅的な核戦争を防ぐ智慧を持てるか


この中で、“テロ”という言葉の使い方が話題にされているんですが、私は中田考さんの考えに賛同できました。「恐怖を背景として政治的な目的を実現しようとする行為」という定義です。

フランス革命の時のロベスピエール独裁を“la Terreur”、恐怖政治って言いましたよね。まさにあれです。最近の、“テロ”っていう言葉の使い方は、たしかに、特定の国家の法律に反する非合法な暴力をも、安易にテロと呼んでいるように思えます。

恐怖を背景に政治的な目的を達成しようとする行為を“テロ”とするなら、憎しみや復讐心から相手に暴力を加えることはテロではありません。自分の欲望を満たすためにレイプをすることはテロではありません。暴力そのものを目的とする行為は、犯罪ではあってもテロではありません。金もうけのための強盗や誘拐も、テロではありません。

ロベスピエールは、権力を握って、政敵をギロチン台に送って排除しました。人々はそのやり方に恐怖を感じ、ロベスピエールの独走を許しました。これは“テロ”です。

国家もテロ”犯します。軍と警察という実力組織は、その力を使われる側の恐怖を与えます。当然のテロです。「恐怖を背景に政治的な目的を達成しようとする行為」が、テロなんですから。

橋爪さんは《主権国家がかりに恐怖を背景にしていたとしても、少なくとも正統性を体現しています。そのために、人民の安全や福利をはかろうとさまざまに努力しているわけなので、そんな努力をなにもしていないテロリストと、ごっちゃにするのは暴論》とおっしゃいます。そしてテロリストを、言論で政治的主張を述べるべきなのですが、そういうプロセスをすっ飛ばして、暴力を手段とし、無差別行動によって恐怖を掻き立てようとする》ルール違反を犯すものと定義しています。

しかし、テロを言葉として定義する場合、“正統性を体現”しているかどうか、“言論で政治的主張を述べる”機会を与えられていたかどうかは主観的に過ぎる判断基準とならないでしょうか。

もちろん、通常、民主主義国家においては、国家は、たとえ対立する勢力が国内にあったとしても、簡単に相手に暴力を使えないような形になっています。それを決して良しとしない、国民の常識にも支えられています。それでも、国家というのは、暴力を独占したうえで政治的目的を達成しようとする組織である以上、根本的にテロだという自覚が必要だと思います。

その暴力を、“国民”に対して使うことで、大勢を維持している国家もあります。そういう国は、その特定の“国民”をテロリストと呼んだりします。大笑いです。自分がテロだという自覚もなしに、バカげています。

チベットの人たちが可哀そう。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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