めんどくせぇことばかり 『ひとり小鍋』 福森道歩
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『ひとり小鍋』 福森道歩

『ひとり小鍋』の“鍋”は土鍋です。

どうも、土鍋って考えただけで、なんだか、ちょっと手強そうな気がします。「土鍋はどうもな・・・」って思わせたら、著者である福森道歩さんの負けということですね。どうでしょう。“手強そうな”という先入観を吹き飛ばして、なんか一つ、作ろうという気持ちにさせてもらえるでしょうか。

“手強そうな”という先入観も、これは決して根拠のないことではなく、実はかつて、調理中に土鍋を割ったことがあります。若い頃の話で、土鍋に適した火加減も心得ていなかったが故の失敗です。

新任の教員として仕事をし始めたばかりの頃、若いが故に、勤務地に文句なんかつけられるはずもない新任教員は、その学校への赴任が決まると、すぐにアパートを探さなければいけませんでした。しかも、すでに三月も中旬を過ぎていて、物色に時間を掛けるわけにもいきません。

でも、大丈夫。採用の挨拶に高校に行くと、校長がすぐに後援会長に連絡を取りました。その高校の後援会長というのが議員先生で、しかも、地元で不動産会社を経営しているという、なにか出来過ぎのような話なんです。あれよあれよという間に、私の新しい住処は、その高校まで歩いて一五分、最寄りの駅まで歩いて二分、築・・・おそらく十数年のアパートの二回の一室に決まりました。

間取りはドアを開けると四畳半のキッチンがあって、そこにトイレとお風呂もありました。キッチンの奥に六畳間があるだけの、まあ、「独身の若造にはこの程度で大丈夫だろう」という議員先生の声が聞こえてきそうな部屋でした。

勤務先の学校は、開校二年目の新設校で、教員も寄せ集めのように、あっちこっちから引き抜かれてきた人たちと、十人近くの新任たちでした。そのうち、三人がアパートぐらし。あとの二人も私と同じ、議員先生の紹介です。一人は同じアパートの一階、もう一人は空き地を挟んで、向かいのアパートの一階を住処としていました。

間取りもほぼ同じ、「独身の若造にはこの程度で大丈夫だろう」という議員先生の声が聞こえてきそうな部屋でした。

正採用ではじめての職場ってだけでも十分ストレスはたまるんですが、あとから勤務した学校と比べてみても、そこはことさら人間関係の難しい、ハードな職場でした。

そのせいもあって、私達はよく飲みました。他の先輩たちと飲む機会も多かったのですが。アパートぐらし三人で、誰かしらの部屋で一杯やることもよくありました。

その時は、私の部屋で、水炊きをやりながら飲もうということになって、土鍋は新調したものでした。前日にその土鍋でお粥を炊いて、使用に耐えるように準備しておきました。水炊きの具材も前日に買い込みました。

仕事が終わって、それぞれ受け持ちの部活も終えてアパートに帰り、二人は風呂に入ってから、酒を持ってうちに来ました。その頃、卓上コンロを持ってなかったもんですから、台所のレンジ台でグツグツ言わせて、出来上がりをコタツに運ぼうと思ったんです。土鍋を二人の待つコタツに運ぼうと、両の取っ手を台ふきんで持ち上げて、一歩、二歩、三歩、四歩目で、土鍋がまっぷたつに割れ、グツグツの具材が床に落ちて飛び散りました。多少は熱い思いをしましたが、大したことなくて済みました。それよりも、あと二歩進んでいたら、まさにコタツに到着ってところだったので、二人の頭にぶちまけかねませんでした。

教訓! 《土鍋は割れることもある》


『ひとり小鍋』    福森道歩

東京書籍  ¥ 1,620

今日は適当なもので済ませよう。その役目、土鍋に任せてみませんか
ごはんとみそ汁
野菜が食べたい
2素材で作る小鍋
食べきりご馳走おかず
ちょいつまみも土鍋で作る
土鍋で食べる満腹ごはん
温め直しておいしく食べる


そうですよ。土鍋は割れるんですよ。

や、やばいでしょ。《ごはんとみそ汁》は問題なし。《2素材で作る小鍋》も、通常の鍋料理なので問題なし。だけど、その他の項目には、残念ながら、“蒸す”、“焼く”、“炒める”が入ってきます。

私は、通常の鍋料理で土鍋を使い、怖い思いをいたしました。今思えば、おそらく、土鍋の底が濡れている段階で思いっきり強火にかけて、ヒビが入っているところに、持ち上げるという振動を与えたために、見事に真っ二つに破れたんじゃないかと思います。

土鍋の空焚きは、やっぱりご法度でしょう。“蒸す”、“焼く”、“炒める”は、ほぼそれに近い状態ですから、やはり危険なんじゃないでしょうか。

・・・

最終111ページにありました。
*本書で使用した土鍋は、炒める、約などができる土鍋です。メーカーによっては使用できないものもあるので、お持ちの土鍋が対象かどうか確認の上、使用上の注意を正しく守って使ってください。

これは、冒頭にもっと大きな字で書くべきじゃないでしょうか。

ああ、そうなんですか。今は“空焚き”に強い土鍋ってのがあるんですね。安心しました。それができるんなら、土鍋を使った“蒸す”、“焼く”、“炒める”とってもうまそうな料理が、たくさん紹介されておりました。

うちには四つの土鍋があります。四人くらいで囲める土鍋。連れ合いと私、二人で食べるのにちょうど良さそうな土鍋。一人用の、鍋焼きうどんの時に使う土鍋が二つです。

でも、いずれもずいぶん前から使っているものなので、きっと、ごく当たり前に、空焚きご法度の土鍋だと思います。この本に出ている“蒸す”、“焼く”、“炒める”、とってもうまそうな料理は、深めのフライパンでも使ってやってみましょう。さっきも、93ページの「土鍋焼き飯」をフライパンで作って、お昼ご飯にしました。フライパンでも十分うまかったです。

グツグツの鍋料理の入った土鍋の底が、突然、抜けるのは、とても恐ろしいことですよ。





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テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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