めんどくせぇことばかり 『神は詳細に宿る』 養老孟司
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『神は詳細に宿る』 養老孟司

生きそびれないようにすること

情報化社会と言われるけど、「情報とは、すなわち過去である」と、養老さんの言われる通りです。その朝配達された新聞を読んで、朝食の時間帯のNHKのニュースを聞いて、新しいなにかを自分のものにしたように感じるけど、それは全部終わったことばかりです。その上、情報を流す側が、その情報を流そうとした段階で、その情報は情報を流す側によって選択されています。

すでに終わってしまっている事柄の中から、他人によって選び出された情報を与えられている私たちです。それは、自分の生きる指針とできるようなものとは違います。

じゃあ、なんなんでしょうね。自分らしく生きるっていうのは。

養老さんは、“真に生きる”という言い方をしています。「それは案外難しい」とも。そりゃそうかな。過去に起こったことの中から人に選んでもらった情報を与えられて、「だいたいこんな生き方でどうでしょう」ってところに合わせて生きていけば、まあ、大きな間違いではないでしょうというところなんでしょうか。

大きかろうが小さかろうが、間違いは間違いですからね。大きく間違ってれば開き直ることもできるけど、小さな間違いではそれもできません。あとは「これでいいのだ!」って、バカボンのパパ風に誤魔化すしかありません。「真に生きていない」としても、・・・です。

それが、私にしたところで「真に生きてはいない」ということなら、私は仕事人生三六年の後ろ半分は、真に生きてはいませんでしたね。

自分に向いているという確信があってこの仕事についたわけですが、往々にしてそうですが、仕事のほうが変わっちゃうってことがあるじゃないですか。

変わりました。とっても、変わってしまいました。なにしろ、本気になっちゃいけないって言うんですから。


『神は詳細に宿る』    養老孟司

青土社  ¥ 1,512

私たちはこれからどこへ向かうのか? ニヒリズムに陥らないための現代社会の手引き
1 煮詰まった時代をひらく
2 世間の変化と意識の変化
3 神は詳細に宿る
4 脳から考えるヒトの起源と進化
5 「科学は正しい」という幻想
6 面白さは多様性に宿る
7 虫のディテールから見える世界
8 ファーブル賛歌

私の職場は“高校”でした。学校という組織の中で三六年間仕事をしてきました。

学校で行われることはシステム化されていて、生徒が変わっても、教師が変わっても、毎年、同じようなことが行われていきます。人が変わっても、学校自体は同じ形で存続していくんですね。

大概のことはマニュアル化されていて、それを見て、読んで、理解できる人間なら、誰がやっても昨年、一昨年と同じような事が行われていくんです。最近の教師で、それを見て、読んで、理解できないのは、まずいません。子供の頃からそういうふうに訓練されてますからね。

だけど、子どもの方は、まだまだいびつな奴もいて、そういう子どもは教師から嫌がられます。嫌がられた子どもは、できる限り当たり障りないように対応されて、できる限りベルトコンベアーにのせたまま、出っ張りを少しずつ削って矯正します。

養老さんの言う“具体的な事物”、ここではその他大勢と違う“具体的な一人”ですね。本来、“具体的な一人”は時を超えて同じであることはできない、諸行無常です。諸行無常はシステムを崩壊させてしまうんですね。・・・あぶない、あぶない。

《金にもならなきゃ、GDPも増えない。傍で見ている私は、あいつらは馬鹿じゃないかと思うのだが、本人たちは嬉しくてしょうがないのである》

そう、養老さんが言っているような生き方は、少々、いびつなくらいじゃないと、ちょっと難しいんでしょう。

せめて、此処から先の人生は、生きそびれることがないように、やっていきたいもんです。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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