『知りたくないではすまされない』 江崎道朗
戦争に負ける前の日本は、日本を取り囲む複雑怪奇な国際関係に翻弄されながらも、その複雑怪奇な化物に、自分の力で立ち向かっていた。
帝政ロシアを打ち負かしたんだよ、かつての日本は。友人の小室さんのおじいさんは二〇三高地の生き残りだったそうだ。赤化したソ連の東方への拡大を一手に引き受けて食い止めていたのは日本。
“中国”や韓国については、もう言われ尽くした感さえある。それでも分かってもらえないのは悲しいけれど。朱子学の毒にやられきった“中国”に近代化の示唆を与え続けたのは日本だよ。韓国も含めて、日本人が侵略しただの、差別されただの言うけど、あの状況で、あの程度で済んだのは、過ぎるほどの日本人の人の良さを証明するものでしかない。
その朝鮮半島は相手にもされなかったけど、“中国”はまさにアジアの火薬庫。イギリス、フランス、ロシア、アメリカが入り乱れる中で、日本も自力で立ち回ってた。
それが今じゃあ、どうよ。
北朝鮮のミサイルが日本に向けて発射されたら、アメリカ軍にやっつけてもらうの?
“中国”が尖閣諸島を狙ってきたら、アメリカ軍に追っ払ってもらうの?
そんなわけ、あらへんやろ!(大木こだま調)


著者の江崎道朗さんは、二〇年以上前に、七〇歳過ぎの米軍の元情報将校と知り合いになったんだそうです。その元将校から、こう聞かれたそうです。
「原爆のことをどう思っているか」
私はこれまでに、五回ほど広島の原爆資料館に、一回長崎の原爆資料館に生きました。館内で白人の入館者を見た時、怒りがこみ上げて、下を向いてしまった記憶がある。・・・上記のように聞かれた江崎さんは、次のように答えたそうだ。
「あんなひどい戦争犯罪は許せない。同胞をむごたらしく殺されたのだから、いつか復習したいと思っているが、今は同盟国なので我慢している」
元将校によれば、「過去のことだから忘れよう」とか、「そもそも日本が悪かったのだし、戦争中のことなんだから仕方がない」というような答えばかりなんだそうだ。元将校にすれば、自分はいざとなれば、日本のために命をかけることを義務付けられている立場なのに、日本人は自分たちを仲間だと思っていないから、本音を語らないのだと、そうおもったそうだ。
もうすぐ還暦を迎える私よりも上の世代がそう答えたのなら、可能性として、アメリカ人には本音を語らないということもあったと思う。でも、私よりも下の世代がそい答えたとすれば、それはおそらく本心だろう。
広島、長崎が原爆で焼かれ、東京が大空襲で焼き尽くされた。いずれも民間人を対象にした残虐な殺戮行為だ。かつてインディアンに対してやったことを、日本人にもやったのだ。「過去のことだから忘れよう」としているのは、自分をやった側に立てているんじゃないか。やられた側でそんなきれい事が出てくるもんか。結局は、本音を語っていないとしても信用できないし、本音を語っているとしても信用できないということだ。
たとえ同盟関係があったとしても、日本人を守るためにアメリカ人が死ぬのは、おかしな話だ。死にものぐるいで戦う日本を助けることが、アメリカにとって将来とても大事なことである場合のみ、それはありうる。
死んだ人の悪口は言いたくないが、この人は例外にすべきだという人が何人かいる。フランクリン・ディラノ・ルーズベルトもその一人だけど、彼にしたって、ヨーロッパの戦争に首を突っ込んだのには理由がある。
結局、ニューディールでもアメリカの景気を支えることができなかった彼は、戦争にかけた。事実、戦争が始まると、アメリカは未曾有の好景気を迎える。戦後の世界秩序の構築に当たり、国際連盟によるヨーロッパ中心の世界体制を葬り去り、United Nationsに多くの国を吸収して、自分が世界を牛耳っていく。彼はそのためなら、スターリンにさえ媚を売った。あれは、ヒトラーの戦争じゃない。フランクリン・ディラノ・ルーズベルトの戦争だ。・・・なんて私は思うんだけど。
興奮して、話がシッチャカメッチャカになってしまった。つまるところ、自分の国は自分で守るんだ。それ以外はない。よく、カルタゴが例に挙げられる。国防を傭兵に頼ったカルタゴは、新興国家のローマに滅ぼされた。それでも、ハンニバルはローマをギリギリまで追い詰めたいたんだ。自分の国を守るために、自分の意志で戦うものは強いということだ。
帝政ロシアを打ち負かしたんだよ、かつての日本は。友人の小室さんのおじいさんは二〇三高地の生き残りだったそうだ。赤化したソ連の東方への拡大を一手に引き受けて食い止めていたのは日本。
“中国”や韓国については、もう言われ尽くした感さえある。それでも分かってもらえないのは悲しいけれど。朱子学の毒にやられきった“中国”に近代化の示唆を与え続けたのは日本だよ。韓国も含めて、日本人が侵略しただの、差別されただの言うけど、あの状況で、あの程度で済んだのは、過ぎるほどの日本人の人の良さを証明するものでしかない。
その朝鮮半島は相手にもされなかったけど、“中国”はまさにアジアの火薬庫。イギリス、フランス、ロシア、アメリカが入り乱れる中で、日本も自力で立ち回ってた。
それが今じゃあ、どうよ。
北朝鮮のミサイルが日本に向けて発射されたら、アメリカ軍にやっつけてもらうの?
“中国”が尖閣諸島を狙ってきたら、アメリカ軍に追っ払ってもらうの?
そんなわけ、あらへんやろ!(大木こだま調)
『知りたくないではすまされない』 江崎道朗 KADOKAWA ¥ 1,512 知りたくないけれども、これを学ばなければ日本と世界の未来は見抜けない! |
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著者の江崎道朗さんは、二〇年以上前に、七〇歳過ぎの米軍の元情報将校と知り合いになったんだそうです。その元将校から、こう聞かれたそうです。
「原爆のことをどう思っているか」
私はこれまでに、五回ほど広島の原爆資料館に、一回長崎の原爆資料館に生きました。館内で白人の入館者を見た時、怒りがこみ上げて、下を向いてしまった記憶がある。・・・上記のように聞かれた江崎さんは、次のように答えたそうだ。
「あんなひどい戦争犯罪は許せない。同胞をむごたらしく殺されたのだから、いつか復習したいと思っているが、今は同盟国なので我慢している」
元将校によれば、「過去のことだから忘れよう」とか、「そもそも日本が悪かったのだし、戦争中のことなんだから仕方がない」というような答えばかりなんだそうだ。元将校にすれば、自分はいざとなれば、日本のために命をかけることを義務付けられている立場なのに、日本人は自分たちを仲間だと思っていないから、本音を語らないのだと、そうおもったそうだ。
もうすぐ還暦を迎える私よりも上の世代がそう答えたのなら、可能性として、アメリカ人には本音を語らないということもあったと思う。でも、私よりも下の世代がそい答えたとすれば、それはおそらく本心だろう。
広島、長崎が原爆で焼かれ、東京が大空襲で焼き尽くされた。いずれも民間人を対象にした残虐な殺戮行為だ。かつてインディアンに対してやったことを、日本人にもやったのだ。「過去のことだから忘れよう」としているのは、自分をやった側に立てているんじゃないか。やられた側でそんなきれい事が出てくるもんか。結局は、本音を語っていないとしても信用できないし、本音を語っているとしても信用できないということだ。
たとえ同盟関係があったとしても、日本人を守るためにアメリカ人が死ぬのは、おかしな話だ。死にものぐるいで戦う日本を助けることが、アメリカにとって将来とても大事なことである場合のみ、それはありうる。
死んだ人の悪口は言いたくないが、この人は例外にすべきだという人が何人かいる。フランクリン・ディラノ・ルーズベルトもその一人だけど、彼にしたって、ヨーロッパの戦争に首を突っ込んだのには理由がある。
結局、ニューディールでもアメリカの景気を支えることができなかった彼は、戦争にかけた。事実、戦争が始まると、アメリカは未曾有の好景気を迎える。戦後の世界秩序の構築に当たり、国際連盟によるヨーロッパ中心の世界体制を葬り去り、United Nationsに多くの国を吸収して、自分が世界を牛耳っていく。彼はそのためなら、スターリンにさえ媚を売った。あれは、ヒトラーの戦争じゃない。フランクリン・ディラノ・ルーズベルトの戦争だ。・・・なんて私は思うんだけど。
興奮して、話がシッチャカメッチャカになってしまった。つまるところ、自分の国は自分で守るんだ。それ以外はない。よく、カルタゴが例に挙げられる。国防を傭兵に頼ったカルタゴは、新興国家のローマに滅ぼされた。それでも、ハンニバルはローマをギリギリまで追い詰めたいたんだ。自分の国を守るために、自分の意志で戦うものは強いということだ。

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