めんどくせぇことばかり 『逆襲される文明 日本人へⅣ』 塩野七生
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『逆襲される文明 日本人へⅣ』 塩野七生

ブレグジッドを巡ってヨーロッパがギクシャクしてる。イギリスもドッタンバッタンしているように見えるけど、本当に正念場を迎えてるのはヨーロッパ連合の方かも。

ブレグジッドが表面化する前、難民問題があまりにも深刻化して、時を同じくしてイスラム国が関与したテロがヨーロッパで頻発するようになるよりも前、ヨーロッパの問題はギリシャだったよね。

そう、《ギリシャは救済する必要があるのか》って問題。

ギリシャが入っていないとヨーロッパ連合とはいえなくなる。なにしろ「ヨーロッパ」という言葉からして、二五〇〇年前のギリシャ人が発明したもの。言葉を創造したということは、理念を創造したということ。どうやらそういうふうに考えちゃってるみたい。

古代ギリシャ語を受け継いだ古代ローマ人がラテン語に直し、そのラテン語を語源にして生まれたのが、英語、仏語、独語のなどの言語。理工科系の言語はギリシャ語を直接語源にしたものが多いので、これまで加えれば、現代の欧米人の言語とそれによって立つ理念の八割までが、古代のギリシャ人に負っているとしても間違いではない。

とは言え、二五〇〇年前のギリシャ人と現代のギリシャ人が似て非なる民族であるのはもちろんのこと。深い敬愛の想いなしには語ることもできないギリシャは、その文明の象徴であったオリンピックがテオドシウス帝によって四世紀末に廃止されたときに死んだのである。

そう、今のギリシャと名のる国は、かつてのギリシャとはまったく別のもの。そういうパターンってけっこう多いんじゃないかな。例えば“中国”なんて典型的。漢民族なんてもはや死に絶えている。





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まるでローマ帝国の滅亡を思わせる激動の時代に、私たちは生きている
1 国産で来た半世紀 イタリアの悲劇 帰国してみて ほか
2 一神教と多神教 ローマに向けて進軍中 テロという戦争への対策 ほか
3 「保育園落ちた日本死ね」を知って EU政治指導者たちの能力を問う ほか

近代ギリシャは、ローマ帝国東西分裂以降は東ローマ、つまりビザンチン帝国に属し、後にはオスマン・トルコの版図になる。でも、そのギリシャというのは、もうずっと前から、古代のギリシャとはまったく違う人達の国。ところが、そうとは捉えられない人がたくさんいるんだな。

1821年のギリシャ独立戦争は、英・露・仏がオスマン・トルコ領だったギリシャを独立させようとした戦い。ヨーロッパではわけもなくギリシャに肩入れする人が多く、イギリス詩人バイロンは、「ヨーロッパ文明の源であるギリシャを異教徒から取り戻す」とこの戦争に身を投じ、現地で熱病にかかって死んだ。

ああ、そんな状態だから、その後もヨーロッパは、ギリシャに出来もしない期待をかける。

近代ギリシャは、1829年にアドリアノープル条約で独立。正式独立以前の1827年に、カボディストリアス伯爵を初代とし、初代限りとなる大統領制を施行。31年、大統領暗殺。32年、君主制に移行。バイエルンやデンマークから王を招くが混乱が続く。

今でもギリシャは、ヨーロッパから援助を受けて当然と思ってる。自力再生を求めるヨーロッパに怒ってる。どうも半島の人間っていうのは始末に負えないところがある。

日本の近くにも、なんだか似たような国がある。

産業も、観光以外に存在しないこの国を、自力再生で自らの血を流すことなく助けるということは、結局は永久に援助し続けることを意味する。ギリシャを、産業が全くない京都とでも思って。

しかも、その京都に住んでるのが王朝時代の京都人ではなく、あらかた戦後ドサクサの中であちらこちらから新しく入ってきた人だとしたらどうだろうか。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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