めんどくせぇことばかり 千億の夜『敗者の生命史38億年』 稲垣栄洋
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千億の夜『敗者の生命史38億年』 稲垣栄洋

「ここからここまで」と区切りをつけられても、私の知っている世界には、その向こうがある。たとえ、決して打ち破れないほどの高くて分厚い壁を作られようとも、間違いなくその向こうはある。
何もない世界にそれは生まれた。
そこには前も後ろもない。縦も横もない。そこには空間が存在しないのである。
そして、そこには昔も今もない。長いも短いもない。そこには、時間さえ存在しないのだ。
そんななにもない世界に宇宙が誕生した。百三十七億年も昔のことである。
p003

でも、宇宙というところは、違うんだそうだ。“はじまり”には、その向こうがないんだそうだ。なんにもないところに、一が生まれた。零だったところに、一が生まれた。なんにもないところに何かが生まれるっていうのは、どういうことなんだろう。わけがわからない。

生まれたときのことなんか覚えてないけど、母から生まれた時が私の始まりであることは、もちろん受け入れる。始まりがある異常終りがある。終わってしまうのは嫌だけど、みんなが終わっていくのを見て、受け入れざるを得ないものだと分かってきた。終わってしまったその向こうは、何があるんだろう。

おそらく、なにもないんだろう。何もないってなんなんだろう。宇宙の始まりのその向こうには、何もなかったという。宇宙の始まりのその向こうの何もないって、私の終わりのその向こうのなにもないと同じなんだろうか。

だったら、宇宙って、生きるってことなんだろうか。



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悠久の生命の歴史の中では、最終的に生き残ったのは常に敗者の方であった
プロローグ 敗者が紡いだ物語‒‒‒‒‒38億年前
競争から共生へ‒‒‒‒‒22億年前
単細胞のチーム・ビルディング‒‒‒‒‒10億~6億年前
動く必要がなければ動かない‒‒‒‒‒22億年前
破壊者か創造者か‒‒‒‒‒27億年前
死の発明‒‒‒‒‒10億年前
逆境の後の飛躍‒‒‒‒‒7億年前
捲土重来の大爆発‒‒‒‒‒5億5000年前
敗者たちの楽園‒‒‒‒‒4億年前
フロンティアへの進出‒‒‒‒‒5億年前
乾いた大地への挑戦‒‒‒‒‒5億年前
そして、恐竜は滅んだ‒‒‒‒‒1億4000万年前
恐竜を滅ぼした花‒‒‒‒‒2億年前
花と虫との共生関係の出現‒‒‒‒‒2億年前
古いタイプの生きる道‒‒‒‒‒1億年前
哺乳類のニッチ戦略‒‒‒‒‒1億年前
大空というニッチ‒‒‒‒‒2億年前
サルのはじまり‒‒‒‒‒2600万年前
逆境で進化した草‒‒‒‒‒600万年前
ホモ・サピエンスは弱かった‒‒‒‒‒400万年前
進化が導き出した答え
あとがき 結局、敗者が生き残る

いつ頃のことだったろう。『百億の昼と千億の夜』という本を読んだ。中学生だったかな。高校生だったかな。すごい怖い話で、あまり宇宙のことは考えないようにしようと思った。

考えないようにしようと思ってたら、そのお話が漫画になって現れた。私がいつも、友人から借りて呼んでいた少年チャンピオンに、《がきデカ》のこまわり君に並んで連載されたいた。萩尾望都さんの絵で、阿修羅がかっこよかった。

宇宙の起源であるとかを扱った物語の中で、私に一番大きな影響を与えたのはこの本かな。あるいは、半村良の『妖星伝』かな。いずれにせよ、宇宙に意味を考えるってことで共通しているように思う。でも、どうだろう。意味って、本当にあるのかな。“ある”と思うことにすると、それは宗教になっちゃうな。たしかに、ここまで面白いと、“ある”ことにしてもいいかなって思っちゃうけどね。

実際、私に連なる命の起源は三十八億年前にあるわけで、この三十八億年間、途切れることなく累々と遺伝子を受け渡しつつ、命は私にまで繋がってきた。それじゃあ、三十八億年前の零から生まれた一は、一体何者が、どんな状況で、どんなふうに、・・・。

「それ考えてると、一晩中眠れなくなっちゃうの」(春日三球さん風に)




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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