めんどくせぇことばかり 『箸休め』 真藤舞衣子
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『箸休め』 真藤舞衣子

『箸休め』っていう題名の本なんですが、実際、ページをめくってみれば、大半はそれなりの立派な料理です。立派な料理とそうでない料理の区別があるわけじゃないけど、それだけでも十分ご飯が食べられる料理ですね。

だから、箸休めっていうのは、場合によっては十分主役を張るだけの実力はあるものの、何らかの理由でその大皿の座を他に譲り、目立たないように小皿に乗って、主役を引き立てている料理という場合が多いんじゃないでしょうか。

和え物が多いです。和洋に中華、エスニックにかかわらず、和え物って言うと、主役の大皿に対する脇役の小皿って感じになりやすいんでしょうか。だけど、けっしてそうとばかりは言い切れないと思うんです。

酢味噌和え、ぬたですね。甘酢和え、梅肉和え、柚子胡椒和え、明太子和え、たらこ和え、白和え、おかか和え、アボガド和え、おろし和えなんてところが、《和風箸休め》に出てきます。

たしかに、和え物って言うと和風というイメージが強いですけど、洋風の和え物としてパン粉和え、カッテージチーズ和えなんてのが出てきます。中華では春雨和え、胡麻酢マヨネーズ和え、豆板醤和え。エスニックではツナヨーグルト和えなんてところが出てきます。

洋風和え物に《おからとソーセージのポテサラ風》というのが出てくるんですが、おからに酢とマヨネーズを入れて、塩コショウで味を整え、これを和え衣にするんですね。これに似たものを作ったことがあります。通常のポテサラの、ポテトの役割をおからにやらせたもの。ごく当たり前に美味いです。

和え物は一つの和え衣で、いろいろな食材をつなげていきます。いろいろな食材の良さを引き出していきます。なんか、人間の社会でも、そういう役割を果たす人っているじゃないですか。常識にとらわれず、今までになかった組み合わせで、新しい世界を作り出すのも面白そうですね。

『箸休め』    真藤舞衣子


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食事の途中の気分転換になるように作られた、ちょっとしたおかずやおつまみ
和風の箸休め
洋風の箸休め
中華風の箸休め
エスニック風の箸休め
作り置き箸休めにピッタリ


もちろん、文字通りの“箸休め”という言葉にふさわしく思えるものもあります。だけど、そういうものの中には、実もとてつもない力を秘めているものもあります。

そういうものの中には、いわゆる“ご飯の友”みたいなものもありますね。海苔の佃煮で舌を変えてみたりね。塩辛やわさび漬けもいいですね。あなたは何がいいでしょうか。

私には鉄板の“ご飯の友”があります。ねぎ味噌です。ねぎと味噌とかつお節を混ぜてなじませただけのものですが、本当に美味いです。ご飯がすすむのはもちろん、お茶漬けにもなりますし、おむすびの具にして、絶景を前に頬張れば、知らないうちに涙が頬を伝います。

見知らぬ食材を組み合わせて、新しい味の世界を作るのは魅力のある作業ですね。《ごぼうのビネガー煮》というのがあります。戦争中、栄養失調気味の捕虜に、ごぼうを柔らかく似て食べさせた日本兵が、戦後の戦争裁判で、捕虜に木の根を食わせて虐待したという罪で有罪となり、処刑されています。ビネガーで煮なかったのが悪かったんでしょうか。

箸休め。

出しゃばらない、その姿勢が素敵ですね。だけど彼、彼女は、時と場合に合わせて前に出れば、十二分に人をうならせる力を持っている。持っているにもかかわらず、平素は控えめに主役を引き立てることに徹する。そういう者に、私もなりたいです。




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テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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