めんどくせぇことばかり 『森へ行く日』 光野桃
FC2ブログ

『森へ行く日』 光野桃

二〇一〇年の本だけど、残念ながら時価になってしまっていました。この間、古本屋さんで見つけて、喜び勇んで買った来ただけに、喜び勇んでしまった分、ちょっと残念です。

対象にしているのは山ではないみたいです。森ですね。

森は奇跡に満ちている
そこにはなにひとつ欠けたものはなく、すべては完全で、だからこそ穏やかだ
森が終わる頃、あなたはリュックの中身が軽くなっていることに気づく
そしてあの心の影が
生きる武装を、鎧を、解くことへの不安だったと知るだろう
その下の傷つきやすい、小さか少女がむき出しになってしまうから
けれどもう、そう生きるときが来ていると
大きな古いブナの木が言う
たくさんの傷を、ここで直して、裸になって、さあ行きなさい
喜びをさえ持っていれば、やわらかい皮膚のまま
暮らしていくことができるのだよ、と

こういうふうに仰っているので、著者である光野桃さんの言うところの“森”は、私が考えるところの“山”と同じものと考えていいようです。

ああ、それから、この本は、あくまでも女の人限定に書かれているようです。私、男ですので、いい本なだけに、そういう書き方については不満です。
そのあたりが、時価になっちゃった原因かな。


山と渓谷社  ¥ 時価

ラグジュアリーなライフスタイルを知り尽くした女性たちが、身近な自然に目覚めている
日帰りの森
御岳山ロックガーデン
真鶴岬
高尾山
大多摩ウォーキングトレイル
鎌倉アルプス
三頭山 檜原都民の森
遠出したい森
箱根 函南原生林
武尊自然休養林
草津 クアビオ付近の森
木曽 赤沢休養林
戸隠森林植物園


山ガールという言葉の方が、おそらく先なんだと思うんですが、著者はそれに続いて生まれた森ガールを羨ましく思うんだそうです。スカートで森を歩くというのは、そんなにワクワクするものなんでしょうか。

そう言えば、もとは山ガールと呼ばれる、スカートにタイツとスパッツで山を歩くというスタイルは、このブログでも『山登り12ヵ月』という本を紹介した四角友里さんだと聞いたことがあります。

たしかにそうですねぇ。私が山を始めた高校の山岳部にも女子部員がいて、みんな男子と同じニッカボッカ姿で山に登ってました。女の人のニッカボッカ姿も、・・・いいもんですけどねぇ。

“・・・”の間に、違和感を感じますか? まあ、私はおかしな趣味を持ってるのかもしれません。

話がそれました。どうも、著者はみずから森ガールを名のるのに遠慮がちです。あえて、森マダムと名乗ってらっしゃいますが、そのような呼び名は、私を余計におかしな気分にさせてしまうばかりです。

すみません。私のおかしな趣味はともかく、山、・・・著者の言う“森”は、人に、たしかに何かを感じさせてくれます。男と同じようなファッションしかないことで、女が、もう一つ山に入りそびれていたなら、スカートをはいて山に入ることを提案した四角友里さんの功績は、とても大きかったことになりますね。

目次にもあるように、いい“森”が選ばれています。文章も上手で、渓谷のせせらぎ、森をわたる風、呼びかけてくる気配を、そこにいるかのように感じさせてくれます。写真もそれを助けてくれていて、じっくり鑑賞したい本にしています。

でも、ここに取り上げられているのは、私にとっては、いずれも“山”です。おそらく、森と山の区別は取っ払ったほうが、視界が広がると思います。頂上を目指すなんてこと、全く関係なく、今の著者の世界が、もっと広がっていくんじゃないかと思います。

二〇一〇年に出された本。こんだけの本を出したわけですから、少なくとも、著者が森での行動をやめたとは思えません。もしかしたら、著者はそれまでの“森”での行動を、より、“山”に広げているかもしれませんね。

だとしたら、『森に行く日』の、次の話を本にしてもらいたいな。




関連記事

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事