めんどくせぇことばかり 『学校では教えてくれない 江戸・幕末史の授業』 井沢元彦
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『学校では教えてくれない 江戸・幕末史の授業』 井沢元彦

長者は敬う。先生の言うことは聞く。上司は尊重する。父母、祖父母は大切にする。

私の中にある倫理観です。

もともとは儒教道徳と言っていいとは思います。だけど、私たち現代人にとっての儒教道徳は、江戸時代、儒教道徳の流れである朱子学が官学だったわけですから、どうしたって朱子学の色彩をまとってしまっているはずです。

その朱子学が、江戸幕府を滅ぼした。

この本は、『江戸・幕末史の授業』という本ですから、“江戸幕府を滅ぼした”で済みます。ですが、井沢さんは、他の本で、それが大東亜戦争の敗北の大きな原因であると言っています。

そういうことになると、どうも難しいですね。なにしろ、私の倫理観は、場合によっては、再び、日本を滅ぼしてしまうかもしれないわけですから。

ただ、朱子学にも、使いようがあったわけです。もともと異民族に押し込められた宋王朝に生まれた負け惜しみ哲学ですから、意味のないむやみな排外主義が根底にあります。欧米列強の帝国主義に、国民の力を一つにまとめる上で、朱子学は極めて大きな力を発揮したはずです。

ただそれだけならば、“中国”や朝鮮と同じ道を、日本もたどったことでしょう。日本がそれらとは違う道をたどったのは、朱子学に神道を融合させたからだと、井沢さんはいいます。偉大な天皇という存在の前では、それ以外の民の優劣は問題にするほどのことではないという考えが成立したんですね。

《覇者を退け、王者をこそ尊ぶ》という朱子学的意識が将軍に対して天皇の高め、そのような天皇の存在が、朱子学における士農工商の階級制度を乗り越えさせてしまったんですね。“中国”や朝鮮にはあり得なかった四民平等が、日本には出現したわけです。


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常識がひっくり返る目からウロコの講義。教科書ではわからない「徳川300年の闇」を暴く
序章 本能寺の変が家康を変えた
 ―なぜ徳川家康は朱子学を導入したのか?
第1章 江戸時代の始まりはまだ「戦国時代」だった!
 ―徳川家康の天下泰平の秘策とは?
第2章 貿易国家への失敗、キリスト教の脅威
 ―なぜ幕府は「鎖国」政策をとったのか?
第3章 戦国の後始末、平穏な江戸へ
 ―それぞも戦国の世の中はなかなかおさまらなかった
第4章 綱吉・赤穂事件・三大改革のウソと真実
 ―江戸中期には朱子学の毒が蔓延していた!
第5章 なぜ薩長は幕末の雄藩になれたのか
 ―運命の分かれ道は「関ヶ原」にあり
第6章 朱子学が幕府を滅ぼした
 ―幕府崩壊の原因は家康の「誤算」にあった!


しかし、それでも、朱子学は亡国の哲学。日本もそれによって国を失うことになります。失った国を、私たちはまだ、取り戻すことができません。この朱子学、どこまで恐ろしい哲学でしょう。

*大義名分を言い募り、朱子学は現実を見ようとしない。

*朱子学にすれば先祖は絶対的なものであって、先祖の定めたルールは変えてはならない。

*異民族は劣った存在であり、彼らから学ぶべきものはない。

・・・本当の危ない哲学ですね。

さて、今の日本はどうでしょう。今の日本は現実をみているでしょうか。昨年の米朝会談で、兄の金正男を暗殺した金正恩は、国際的に認知されてしまいました。かつ、北朝鮮の核武装は、ほぼくつがえしようがなくなりました。

ようやく、憲法改正の論議が表面に出てきましたが、「戦争の大きな犠牲の上に成立した憲法」は変えちゃいけないって意見を今でも聞きます。

多くの反対意見がありながら、ようやく外国人を移民として受け入れる方向性が出てきました。

今でも私たち、朱子学に操られてるってことはないでしょうか。それらの問題に、朱子学的感性で判断してるってところはないでしょうか。

埼玉県日高市の五常の滝の“五常”とは、儒教で解くところの仁・義・礼・智・信の徳目をいいます。五常の滝には、孔子を始め、顔回、董仲舒と言った人物と一緒に朱氏の聖廟も並んでいます。今の日本においても、朱子学の恐ろしさは認識されていないような思えるんです。それが何より怖いですね。





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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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