めんどくせぇことばかり 『まいにち冷奴』 小林まさみ
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『まいにち冷奴』 小林まさみ

「今日、夕ご飯、なんにしようか」

そう、連れ合いに聞かれると、だいたい、「冷奴」って答えてる気がします。

夕ご飯に関しては、連れ合いは、一緒になった頃から、何かと手をかけたものを作ってくれてました。それを若い時分の私と来たら、連絡もせずに飲み歩いて、ヘロヘロになって帰ったり、帰らなかったり、行き倒れていたり・・・。思い起こせば、恥ずかしきことの数々・・・。こうなったらもう、旅に出るしかないか。

・・・その、夕ごはんに手をかけてくれている連れ合いが、「今日、夕ご飯、なんにしようか」って聞いてくるのはよくよくの事。そうなったら、“冷奴”以外になにか答えられますか?・・・答えられないでしょう。

それに、うちはネギ醤油を常備してありますから、あとは生姜でもおろして添えてくれれば、もうそれで出来上がりです。

ちなみに私、豆腐が大好きで、冷蔵庫に豆腐を切らしたことはありません。そうそう、司馬遼太郎の『花神』では、主人公の大村益次郎こと村田蔵六は、とにかく豆腐好きで、飲みに行ってもつまみは必ず冷奴だったと書かれていたような記憶があります。

この間読んだ『天才と発達障害』に、その大村益次郎が登場するんです。天才ですね、大村益次郎は。しかも、幕末という時を選んで登場してくるところがなんとも言えません。インテリ揃いの適塾で塾頭を務めるほどなのに、人とまともに交われない人物だったようですね。合理主義に徹した彼の思考回路が、日本の人付き合いに必要な、なあなあで、いい加減で、曖昧で、もこもこしたところを認めることができなかったんでしょうね。

同じ豆腐好きと言っても、私はなあなあで、いい加減で、曖昧で、もこもこした人間で、天才じゃありません。それに、大村益次郎は、「食事の代わりに、酒の肴に豆腐を食べ、寸暇を惜しんで読書してた」と、お弟子さんが言っているそうです。豆腐が好きというより、豆腐で栄養を取っていれば、わざわざ食事に時間をかける必要はないと、合理主義的な彼は考えたのかもしれません。

合理主義的に考えて冷奴を食べていたわけではない私ですが、大抵は、“ネギ醤油におろした生姜”のワンパターンです。そのワンパターンで大丈夫なのが、豆腐のすごいところでもあるんですが、この本は『まいにち冷奴』ですからね。色々な、豆腐の食い方が紹介されています。


『まいにち冷奴』    小林まさみ

成美堂出版  ¥ 1,080

王道奴、おつまみ奴、サラダ奴、おやつ奴、冷奴の可能性を引き出した珠玉の一冊
1章 王道奴
2章 おつまみ奴
3章 サラダ奴
4章 おかず奴
5章 おやつ奴

「ひややっこ」は、ひゃっこそうですね。感じにして「冷奴」を見ると、なんか違うものを見るような気がしませんか。「ひややっこ」を縮めて「やっこ」ということがありますが、これを「奴」と漢字にしてしまうと、もうムチで叩いてしまいたくなります。そう、イメージが“奴隷”に近づいてしまうんです。

上の目次に違和感を覚えた方も少なくないでしょう。“王道奴”は、王様の身の回りの世話をする奴隷でしょうか。“おつまみ奴”は、やっぱりおつまみされてしまったんでしょうか。これは、女の人ですね。“サラダ奴”は、なんていうか、ちょっと目先を変えて、外人の女の人を侍らせたと言うか。“おかず奴”、“おやつ奴”と、私の妄想の旅は、果てしなくそっちの方面をさまよい続けます。

すみませんでした。戻ってまいりました。

王道奴は、あくまでも豆腐が主役。その主役を引き立てるために、上に何を乗っけるかです。同じ、豆腐の上に乗っけて食べても、おつまみ奴は豆腐が主役とは限りません。醤油漬けの黄身、味をつけたまぐろ、サバの味噌煮缶のサバ、カレー粉をまぶしたたくあんと、上に乗ってるやつの味を楽しむ感じになるんですね。もうこれは、この本の中だけではなくて、いくらでもアイデアが生まれます。何しろ豆腐が淡白ですから、酒に合うものは、当然豆腐にも合います。

サラダ奴は、新鮮です。何も難しくありません。普通のサラダに豆腐を絡ませればいいだけです。豆腐をサラダで覆いつくしてもいい。それこそ豆腐を一丁も使えば、今日のお昼はこれでいいくらいの感じになります。《焼きなすと奴のサラダ》なんて、それこそ大村益次郎になってしまいたい。

おかず奴は、これまでに紹介したものを全部一緒にしたようなイメージ。垣根を取り払っちゃった感じ。何でもありですね。おやつ奴は、これは私はいらないや。

若い頃よく行った飲み屋で、「とりあえず腹減っちゃった」って言うと、いつも出してくれたのが“山芋豆腐”。温めた豆腐に、甘辛く味をつけた山芋をかけたもの。美味かったな~。健康的だしね。健康的でも、飲みすぎちゃうんだから関係ないんだけどね。




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テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






























































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