めんどくせぇことばかり 『続・孤独のすすめ』 五木寛之
FC2ブログ

『続・孤独のすすめ』 五木寛之

ずいぶん軽い世の中になりました。
仲間と腕を組み合って、体温が感じられるような接触の仕方は望まないけれども、といって、みんなにシカトされるというか、孤立するのは困る。付かず離れずのような関係性を常に維持したい。

そういう願望が現代人の中に、子供から大人まで、急激に広がっているのではないかなという気がするのです。
本書p36

生きていくために、人はいろいろな工夫をしてきました。人と関わって生きるっていうのも、その重大な一つですよね。家族で助け合う。親族で助け合う。地域で助け合う。その助け合いの象徴が、家ごとに行われる節句などの年中行事であったり、先祖供養や氏神さまであったり、神社であったりします。

めんどくさい話であるけれども、そういう付き合いを欠かさないでやっていくことが、大人として認められるためには必要でした。怒られることだってあるし、人に頭を下げなきゃならないこともあります。恥ずかしい思いや、悔しい思いをすることだってあります。

でも、そういうのって、今は流行らないみたいですね。

五木さんの言うように、若い人たちだけじゃないです。うちの自治会では七〇代の中頃あたりの人たちの退会が三件ほど続いているんですよ。自治会長としては、あれやられると困るんですよ。地域のしがらみに縛られていたほうが、何かと都合のいいこともあるはずだと思うんですが。いやいや、しがらみじゃありません。絆です。絆は、いったいどんなものなんでしょうね。絆で結ばれていた方が、よろしかったんじゃなかったでしょうか。


中公新書ラクレ  ¥ 799

本来、孤独を恐れるべきものだろうか。あるいは、孤独はただ避けるほうがいいのか
第一章 孤独に怯える人びと
第二章 「和して同ぜず」という思想
第三章 生物としての孤独とは
第四章 老いるヒントについて
第五章 孤独を愉しむ
終 章 孤独は永遠の荒野ではない


すみません。「なんとかならないかな」っていつも考えているもんですから、ついつい言いたくなってしまうんです。ごめんなさい。

この本、『続・孤独のすすめ』、“続”なんですね。『孤独のすすめ』は読んでません。『孤独のすすめ』を出したあと、「要するに社会参加をするな、という意見ですか?」なんて効いてくる報道の方もいたんだそうです。・・・バカじゃないんでしょうか。・・・ごめんなさい。こういう言葉は、余り使うべきではありませんね。若い頃からよく、連れ合いから言われているんです。

「老人は世間から離れて独りで生きよ、という話ですよね」などという質問も少なくなかったんだそうです。・・・バ、ババババ。バキューン、バキューン。


おそらく、五木さんが『孤独のすすめ』を書いたのは、特に一人暮らしの老人が、自分の家やアパート等の部屋で亡くなり、しばらくしてから発見される状況が増えたことがきっかけの一つでしょ。その事自体よりも、それが“孤独死”と呼ばれて、否定的にとらえられる状況に対して、『孤独のすすめ』を書いたんだろうと思うんです。

誰が言い出したのか知りませんが、一人で死のうが二人で死のうが、問題は自分が死ぬということでしかないわけです。・・・ああ、失礼。“孤独死”を哀れなことだという人は、みんなで一緒にしねばいいのにと言っているわけではありませんでした。

“親しいものに見守られた死”に、どれほどの意味があるんでしょう。思うに、現状を否定的に捉えたい人がいるんじゃないでしょうか。

“親しいものに見守られた死”って、そりゃそうなったら仕方がないけど、そんなことのために、私は一秒たりとも生きてないですよ。

五木さんの書かれたことを読みながら、いつも私の頭の中に、ある言葉が響いてました。それが、本編が終わったあと、五木さんと下重暁子さんとの対談の中に出てきたので驚いてしまいました。

そこに五木さんの言う“孤独”は、決して一人でいるということではなく、沢山の人の中にいても自分を失わないことであると言う話が出てきます。それを説明するのに、ブッダの言葉を引用しています。

《犀の角のようにただ独り歩め》

これは孤立しろという意味ではありません。周りとともに行きつつ、自分は見失うな。「凛として立て」ということですね。この本を読んでいて、ずっとこの言葉が頭にありました。やはり、『孤独のすすめ』を書くにあたって、五木さんにもそれがあったんじゃないかと思います。




関連記事

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事