めんどくせぇことばかり うなぎ『忘れない味』 平松洋子
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うなぎ『忘れない味』 平松洋子

貧乏性もあって、滅多に外でうなぎを食いません。

よく食うのは、スーパーで売ってるうなぎですね。連れ合いに、ニラ玉で閉じてもらうの。これが美味いんです。生協で頼んだうなぎを、おかずにご飯を食べることもあります。

そんな時に、うなぎのタレが余るんですね。そのうなぎのタレが余るので取っておいて、ちょっと薄めた煮汁を作って、そのへんの山椒の葉っぱでも、実でも取ってきてその中に入れときます。なんとなく馴染んだら、ボウルに取ったご飯にかけて、小さく切ったうなぎで混ぜご飯のようにします。“ひつまぶし”みたいなもんですね。

連れ合いにゆで卵をいくつも作ってもらっておいて、うなぎのタレを少し薄めて、その中に漬け込んで味を染み込ませるんです。これまた美味い。

スーパーや生協の出来合いでも、うなぎはうなぎ。そこそこ、美味いんなら、私なんか、そんなもんでも十分です。文句言われる筋合いはありません。

さて、この本の中に、南伸坊さんの書いた《うな重はコマル》という題名のコラムが取り上げられています。

「うな重のどこが困るんだよ」とばかりに読んでみれば、イマワノキワにも「うな丼が食いたい」という方がいて、その人が、「でも、うな重はコマル」と言うのだそうです。

うな重の場合、ご飯粒が重箱の隅に滞留する可能性が生じる。イマワノキワに「重箱の隅をつつくような人間にはなりたくない」ということなんだそうです。その点、うな丼の丸いどんぶりなら、そのような心配もないと。そんな事を言うと、うな重の怒りの雷が、その方を襲うことになるんじゃないかと心配です。

その方がイマワノキワに何を食ったか知りたかったが、残念ながら、いや失礼。喜ばしいことに、まだご存命のようです。


『忘れない味』    平松洋子

講談社  ¥ 1,944

「食」の面白さ・奥深さを探り、個々の作品の魅力を届ける食文学アンソロジー
・佐野洋子「天井からぶら下がっていたそば」
・伊藤比呂美「歪ませないように」
・旦敬介「初めてのフェイジョアーダ」
・野呂邦暢「白桃」
・林芙美子「風琴と魚の町」
・町田康「半ラーメンへの憎悪」
・深沢七郎「カタギの舌で味わう」
・鏑木清方「胡瓜」
・江國香織「すいかの匂い」
・野見山暁治「チャカホイと軍人と女 ――“林芙美子”」
・間村俊一 「ぞろり――食にまつはる十一句」
・堀江敏幸「珈琲と馬鈴薯」
・中島京子「妻が椎茸だったころ」
・益田ミリ 『マリコ、うまくいくよ』より「会社では、なんだか宙ぶらりん」
・吉村昭「白い御飯」
・山崎佳代子「ジェネリカの青い実」
・友川カズキ「眼と舌の転戦」
・平松洋子「黒曜石」
・石牟礼道子『椿の海の記』「第八章 雪河原」より
・美濃部美津子「菊正をこよなく愛した」
・南伸坊「うな重はコマル」
・高橋久美子「仲間」
・川上弘美「少し曇った朝」
・山田太一「食べることの羞恥」
・石垣りん「鬼の食事」
・吉本隆明「梅色吐息」
・ハルノ宵子「最後の晩餐」


でも、私のような貧乏性でも、時々、無性に外でうな重を食いたくなることがあります。そんな時は、前の日に予約を入れて、車で一時間ほどのところまで食いに行きます。

《うな和》っていう店です。店に行って注文したのでは、それからさばき始めますから、一時間くらいは待たされるそうです。そんなことで、事前に予約を入れるわけです。到着時間を行っておくと、それに合わせて仕事を始めておいてくれます。お茶が出て、骨せんべいが出て、それを楽しんでいるうちに、まもなくうな重が運ばれてきます。

ここのうな重は、食って美味いのはもちろんながら、食ってる間に身体に変化が現れます。身体が熱くなって、発汗が促進されます。明らかに身体がポカポカして、ついつい汗拭きを取り出します。

ああ、考えてたら食いたくなってしまいますね。

でも、ずいぶん行ってないな。前に行った時、就職を決めて家を出ることになった息子 を連れて、私と連れ合いと三人で《うな和》に行きました。私自身、ちょっと気負いがあったんでしょうか。《うな和》まで一〇分という踏切で、一時停止無視でおまわりさんに止められてしまいました。

自分は確実に左右を確認した意識があったんですが、捕まえるつもりで影に潜んでいたおまわりさんには何を行っても無駄です。息子にいいところを見せようとして、とんでもない無様を晒してしまいました。

それでも、うなぎは美味いので、なんとか面目を施す事ができました。《うな和》様様です。

《うな和》のうな重は、いくらでも値段に合わせて出してくれます。百円単位だそうです。二〇〇〇円なら二〇〇〇円のうな重。二五〇〇円なら二五〇〇円のうな重です。

私の感覚では、二五〇〇円のうな重は、重箱の隅までご飯が顔を出すところはありません。二〇〇〇円だと隅の方にご飯が顔を出しています。そんな感じです。

でも、二五〇〇円はお腹いっぱいになります。だから、二〇〇〇円のうな重で、ご飯少し少なめ。これがベストの注文のように感じています。

梅雨が抜けたら、すぐ《うな和》に行こう。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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