めんどくせぇことばかり 『ロシアを知る。』 池上彰×佐藤優
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『ロシアを知る。』 池上彰×佐藤優

先週、町の図書館に行くと、いつもと違って駐車場が一杯になっています。

いつもガラガラのはずなのに何だこりゃと思ったら、図書館の二階が期日前投票の投票所になっているんです。ずいぶん期日前投票の人が多いんですね。驚きました。

私は二一日に、朝ごはん前に行ってきました。投票のたびに思うんです。日本共産党って、どうして党名を変えないんでしょう。だってもともとは天皇制の解体をうたい、ブルジョワ革命を通してプロレタリア革命につなげようとしたわけです。ロシア革命を由とする人たちですから、皇族は殺され、有産者は奪われ、スターリンの手先がすべての日本人の生殺与奪の権を握ったわけです。

そんな日本共産党が、なぜ未だに、その名を名乗って恥じないのか。その理由の一端は、次のようなことであったかもしれません。

日本共産党は、ソ連崩壊の時、ソ連を見放して生き延びたんだそうです。

赤旗は「(ソ連共産党の)終焉を歓迎する」と大見出しを打ち、宮本顕治は党員に、ロシア革命とかソ連共産党とかから離れた、日本共産党員としての自分の物語を語らせたんだそうです。

佐藤さんが、ソ連の功罪というか、ロシア革命とソ連という巨大な実験の失敗の総括がされていないということに触れています。ロシアの功罪と言って、私なんかじゃ罪ばかりを並べ立ててしまうでしょう。でも、ロシア革命の衝撃っていうのは、その共産主義の非人間的な側面だけじゃなかったわけですよね。佐藤さんは、ソ連という巨大な実験の“功”の部分がとても大きかったことを指摘しています。

“教育の無償化”、“社会福祉”、“女性の労働参加”、いずれも、まずソ連で行われ、それに対抗するために資本主義国で取り入れられたものです。修正資本主義なんて言われますけど、修正が行われたのは、ソ連という存在があったればこそです。

宇宙開発については、ずっと、ソ連がアメリカをリードしてきました。一九五七年に人工衛星スプートニクを打ち上げて、有人宇宙飛行でもソ連のガガーリンに先を越されました。「地球は青かった」にまさる言葉を、アメリカは未だ宇宙開発史に刻めていません。一九七〇年代までは、社会福祉や医療でも先を行っていたようです。


『ロシアを知る』    池上彰×佐藤優

東京堂出版  ¥ 1,728

北方領土問題、プーチン、ソ連について最強の二人が語りつくす異色のロシア本
序章  動き始めた北方領土交渉のゆくえ
1章  蘇る帝国「おそロシア」の正体
2章  「ソビエト連邦」の遺産
3章  ソ連社会の実像ー繁栄から崩壊へ
4章  独裁化する国家権力
5章  ソ連・ロシアの幻影を追う日本
6章  帝国の攻防ー諜報と外交の舞台裏


逆に、“罪”は以外に少ないと言うんです。

そのまず最初にあげたのが、スターリン時代のソ連では三〇〇〇万人の国民が死んだのに対して、東条英機首相の日本では三〇〇万人の国民が死んでいます。佐藤さんは、これは程度のであるととらえています。

ちょっと違うような気がしますね。日本の死者数は、ほぼ全て、戦争で死んだもの。しかも、無様な戦争指導による死者は二三〇万ですね。八〇万は、アメリカの卑劣な銃後への無差別攻撃による死者です。スターリン時代のロシアの死者には、戦争指導による死者だけで二〇〇〇万人でしょう。しかも、三〇〇〇万の中には、スターリンの性格を根拠とする、多数の粛清による死者が含まれているはずです。

これは程度の差ではないと思います。

ロシア人の特質はとても興味深く読みました。一年間を通して、日本人が三五五日分積み上げたものを、ロシア人は最後の一日だけで三六六日分積み上げるだけの能力があるという話。それだけの能力と集中力があるということですね。だけど、民族ジョーク等によく出てくる話ですが、雑な仕事はロシア人の特徴のようにも言われているところです。そのへんのところはどうなんでしょうね。

この本は、池上彰さんと佐藤優さんとの対談物です。このコンビ、最近何冊か読んでます。それらの本と比べても、今回のこの本はちょっと異質。『ロシアを知る。』は、完全に池上さんが聞き役に回っています。同調する役割といえばいいんでしょうか。それにしても、池上さんの《笑い》とあるところに、なんだか本心を隠した“笑い”を感じるんです。

それに、全般を通して、佐藤さんはロシアに甘いように思います。ロシアに対して甘くて、日本に厳しい。沖縄のご出身ということからくる日本への厳しさかと勘ぐりたくなるくらい、日本に厳しい。かなり手厳しい。沖縄県民の被った悲劇は極めて残念なことですが、ロシアへの甘さを考えると、日本への厳しさが際立っているように思えます。なかでも、安倍政権に対してもは、ずいぶん厳しい。それも、これまでの佐藤さんと政権の関わりと関係するんでしょうか。

時には教条主義的かなと思われるほど、基本的な部分をものすごく大事にしながら現状を分析される方なので、よく著作を参考にさせてもらっています。ただ、今回は、上記のバランスが気になりました。







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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


















































































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