めんどくせぇことばかり おに『鬼とはなにか』 戸矢学
FC2ブログ

おに『鬼とはなにか』 戸矢学

埼玉県の滑川町にある高校に勤めていたことがあります。

お隣の嵐山町に、鬼鎮神社って神社がありました。畠山重忠が菅谷館と呼ばれる居館の鬼門除けとして創建されたんだとか。ここの神社、節分でも「鬼は外」とは言わないんです。「鬼は内」なんですね。「鬼は内、福は内」なんです。みんな内に入れちゃうんですね。

二月三日の節分祭は、地元の人で賑わうんですよ。豆まきは三時から。出店も出て、楽しいお祭ですから、来年は是非お立ち寄りください。東上線の武蔵嵐山駅から歩いていけます。そうそう、ついでに畠山重忠の菅谷館は埼玉県立嵐山史跡の博物館になってますので、こちらに先に寄っておくといいですね。

博物館もいいんですが、ここは館跡全体が史跡で、公園として公開されています。公園内には掘割も残っていて、砦としての堅牢さも感じさせてくれます。秩父平氏が秩父から出て、関東平野の入り口に当たるのが、この嵐山町あたり。眼の前の広大は関東平野が広がり、北の勢力との接点にもなれる位置ですから、絶好の地理的条件を備えています。

そういう場所に館を築いて、その鬼門を塞ぐためにつくられたのが鬼鎮神社ですから、歴史の一コマですよね。しかもこの神社、その鬼を排除するんじゃなくて、鬼も「我と共にあれ」とばかりに、迎えているわけです。

歴史の授業の一環と銘打って、生徒連れてお祭りに行ったことがあります。楽しかったですね。でも、学校に戻ったら、何人か消えてました。そのまま帰っちゃったんですね。

“鬼”、・・・魅力的ですね。これを、“おに”と書くと、さらに魅力的です。そのあたりのことが、この本のまえがきにありました。


『鬼とはなにか』    戸矢学


河出書房新社  ¥ 1,998

日本人の精神史の中で気にされてきた鬼 まつろわぬ民か、縄文の神か
第1章 鬼のクーデター あずまえびす、ヤマトに叛逆す
第2章 音量は鬼か 鬼となる怨霊、ならぬ怨霊
第3章 鬼を祀る神社 温羅伝説と国家統一
第4章 女が鬼になる時 舞い踊る夜叉
第5章 ヒミコの鬼道 神の道と鬼の道
第6章 鬼門という信仰 都人の祟り好き
第7章 異世界のまつろわぬ民 山人・海人・平地人
第8章 鬼の栖 縄文神への追憶


“鬼”は、本来は死人です。なんと、“鬼”という感じは、毛髪がわずかに残った状態の白骨を意味する甲骨文字だそうです。

ああ、これですね。ずいぶん頭の大きな人が座り込んでるように見えますけど、大きな頭の部分が、何本か毛が残っている白骨の頭蓋骨なんですね。鬼

甲骨文字が改良された“鬼”という漢字は、死人です。その“鬼”という漢字が日本に入ってきて、今では、私たちはこの漢字を、音読みで「き」、訓読みで「おに」と読みます。

「おに」は、大和言葉。漢字の“鬼”が入ってくる前から、「おに」はいたわけです。

「おに」の原型とされる「おぬ」には、「いない」「目に見えない」という意味があるそうです。「目に見えない」けれどもそこにいるもの。私たちはよくそれを感じます。山であったり、森であったり、川であったり、海であったり、風も太陽も月も星も、それこそいたるところでそれを感じます。

それは「もの」であり、「かみ」と呼ばれるべきものです。

ただ、それが鬼という漢字を当てて現されるようになることによって、「おに」の意味が、漢字の鬼に引っ張られちゃうんですね。本来持っていた、「目に見えない」けれどもそこにいるものの中から、神の意味が失われていくんです。

「おに」は、山であったり、森であったり、川であったり、海であったり、雲の上で太鼓を叩いていたり、大きな袋を抱えている物の怪だけを表す言葉になっちゃったんです。

だから、「鬼は外」なんですね。

だとすれば、この国古来の「おに」を取り戻そうとするならば、鬼鎮神社の「おには内」は、本来のあるべき姿なのかもしれませんね。




関連記事

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

リンク

よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


なぜ、弱くても生き残れたのか?

じつに不思議なことに滅び去っていったのは強者である勝者たちだったのだ。

私たちは、その進化の先にある末裔である。

言わば敗者の中の敗者なのである。
カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






























































検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事