めんどくせぇことばかり 『精日』 古畑康雄
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『精日』 古畑康雄

多くの友人は、歴史問題への反省について、日本の態度はドイツほど誠実でも深刻でもないという。私もこのような見方に反対はしない。だが同時に、このような味方をする人も、次の三つの点について理解してほしい。

第一に、同様な反省の前提は、同様な罪を犯したか、ということだ。ニュルンベルク裁判では、ドイツは人道に対する罪で裁かれた。だが東京裁判では、日本への人道に対する罪は成立しなかった。この点は非常に重要だ。

ドイツの首相は、かつて跪いて謝罪したが、それは戦争への罪ではなく、反人類の罪への謝罪だった。彼はユダヤ人が虐殺された記念館で、ホロコースト政策と行為に対して謝罪したのであり、ドイツ国内では必ずしも良い評価ばかりではなかった。ドイツは戦争を始める前にホロコースト政策を始めており、日本にはこのようなことがなかったことが、東京裁判で確定している。

植民地や戦争に対して謝罪したのは、歴史的には日本だけだ。第二次世界大戦の前後に、英米仏蘭はアジアに植民地を持っていたが、日本を除けば、植民地について謝罪した国はない。

日本は歴史問題について、社会の主流や政府も、東京裁判の結果を覆そうとはしていない。多くの人が、当時の裁判が「罪刑法定主義」「刑事法の不遡及」など法学の基本原則から見て勝者による政治的な裁判であり、中立な法的裁判ではないと見ている。が、日本政府や社会にとっては、東京裁判は、日本が連合国による占領を終わらせて国際社会に回帰する条件だった。政治的な妥協として、日本はこの条件を受け入れた以上、少なくともこれをひっくり返すことはできない。

歴史的な罪が異なれば、歴史的な責任も異なる。それゆえ、何かに付けてドイツと日本を比較する人は、この点について基本的に理解してほしい。さもなければ日本の右翼から誤りを正され、中国人が最も愛するメンツを失ってしまうだろう。
本書p122

これを書いたのは、“中国”人です。いや、かつて“中国”人だった人です。

“中国”江蘇省出身の女性で、二〇年ほど前に日本に留学し、現在は弁護士事務所で働きながら、日本人と結婚して三人の子どもを育てていらっしゃるそうです。

その仕事と子育ての合間に、“中国”の人たちに本当の日本を知ってもらいたいと、微信に、日中関係や日本の歴史や社会について書いた記事を投稿しているんだそうです。

「“中国”人は声がでかくて嫌だ」とか、「“中国”人のマナーが悪くてこわい」だとか、そんな先入観、あるいは固定観念なんか、吹き飛んでしまうような変化が、今、起こっているようですね。

『精日』    古畑康雄

講談社+α新書  ¥ 929

特権階級の中国を「あなたの国」と呼ぶ中国人はアイデンティティを失い、日本に引かれている
第1章 「精日」の時代背景
第2章 「精日」の精神的祖国
第3章 「精日」の百人百様
第4章 共産党から見た「精日」と日本
終章 「精日」に対し日本人は


二〇〇四年のサッカーアジアカップにおける反日行為。それから二〇〇五年、二〇一〇年二〇一二年の反日暴動。

やられた側にしてみれば、理不尽な暴動への恐怖心と敵意だけが残ります。そりゃそうです。そのたびに日本企業、大使館、領事館などが投石され、放火され、略奪にあうんですから。ですが、こういう意見もあるんです。二〇一二年の反日デモを最後に、その後、いかなる反日デモも起きていないと。

なぜ、反日暴動、それ以前に反日デモすら起きなくなったんでしょうか。どうやら、訪日旅行者が、その後、爆発的に増加したことの影響が大きいらしいんです。本、映画、ドラマばかりでなく、多くの“中国”人が直接日本を体験するようになりました。そうそう、爆買が話題になりましたよね。今では買い物ばかりじゃなくて、日本でいろいろな体験を楽しむようになったみたいです。

GDPで日本を上回ったとはいえ、種々の技術やライフスタイル、生活の質は、まだまだ“中国”は先進国とは言えない状況です。しかも、欧米に比べて距離も近く、文化や考え方も比較的馴染みやすいものがあるでしょう。“中国”人にしてみれば、本来、日本は抵抗なく受け入れやすい憧れの国であるはずなんですね。

この本の題名である《精日》とは、精神日本人の略語だそうです。中国共産党が当てはめた解釈では、「日本軍国主義を崇拝し自民族に恨みを抱く、精神的に軍国主義の日本人と同一視する非日本国籍の人々のこと。彼らは第二次世界大戦の日本軍服に陶酔し、日本軍の侵略遺跡で記念写真を取り、抗日戦争の英雄を誹謗する。彼らは主に、中国や韓国に存在し、低知識階層の若者が中心で、“日雑”とも呼ばれる」とされている。

バババ、バッカじゃなかろうか。

《精日》と言われる人々は、日本文化を熱愛し、日本社会のマナーを尊重するごく普通の人々のことだそうです。そして彼らの多くは、本当に日本人になりたいと思っているようです。日本に触れることにより、中国共産党から与えられていた情報が全てウソであることが分かっちゃったんです。だから彼らは、本来の“中国”というものは、実はどこにもないんだけれど、すくなくとも中国共産党が支配する“中国”に同じアイデンティティを持てなくなってしまっているようです。

これは、問題が大きそうですね。そういった状況が、“中国”の政策決定に影響を与え始めているかもしれません。

もちろん、中国共産党の与えるものしか情報がない人たちもたくさんいます。貧しい人々ですね。多数の貧しい人々は、中国共産党から与えられた日本しか知らないから、日本が大嫌いなわけです。中国共産党は、知識階層や、ある程度の経済力があり、日本を体験してしまった人々を騙せなくなっています。その中国共産党が最後に頼りにできるのは、多数の貧しい“中国”人しかいないことになります。

・・・また、文化大革命か?





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人生に必要なもの、一人の女性、一人の親友、一つの思い出、一冊の本。
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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


















































































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