めんどくせぇことばかり 以和爲貴『覇王の国日本』 井沢元彦
FC2ブログ

以和爲貴『覇王の国日本』 井沢元彦

幕末になって西洋の食習慣が入ってきた時、多くの日本人は「牛の乳など飲んだら牛になる」などという迷信を信じていた。

いくらなんでも、それはないでしょう。だったら、卵を食べたら鶏になるんですか。カラスミ食ったらボラになるとか、あん肝食ったら鮟鱇ですか。

“牛の乳”を飲んでいる西洋人は獣の匂いがしたからね。その獣臭は“牛の乳”のせいじゃなくて、肉食と、入浴の習慣がなかったからでしょう。自分たちが決して行くことのできない場所からやって来た西洋人への劣等感が、偏見を助長して、おかしな話をでっち上げていただけで、本心からそんなこと思ってやしなかったでしょう。

でも、もっと古い時代には、牛乳を飲んでいたんですよね。飛鳥、奈良、平安の上層階級が食していた酥であるとか、醍醐であるとかは、牛乳をもとにした乳製品でしょう。

私は山にコンデンスミルクを持っていきます。パンにつけて食べてもおいしいし、疲れてしまったときに効率よくカロリーを補充できます。そのコンデンスミルクが、どうやら古代の酥に当たるらしい。それをさらに生成したのが醍醐だそうです。平安時代、醍醐天皇は、これを愛したことからその名を贈られてとか。

そう、平安時代までは、どこかに牧場があって、乳牛が飼育されていたんです。ところが、貴族の時代から武士の時代に変わると、牛乳が消えるんですね。

井沢さんがあげている理由は、貴族が牧場を維持できなくなったから。それから、おいしい牛乳を、貴族は武士に教えなかったから。


『覇王の国日本』    井沢元彦

秀和システム  ¥ 1,512

学校では教えない日本史の法則によれば、信長は死すべき運命にあった
第1章 誤解された日出づる処の天子
第2章 歴史の神が導いた鎌倉という時代
第3章 連綿と続く戦国の思想
第4章 覇王信長が歴史に投げかけた波紋
第5章 ビジョンを持たなかった秀吉の不幸
第6章 悪玉にされた平和希求者・家康
第7章 江戸の泰平を揺るがす二つの変革


聖徳太子も、牛乳を愛飲してたそうです。

その聖徳太子の制定したという十七条憲法。あまりにも有名な第一条冒頭が、「和を以て貴しとし、忤ふることなきを宗とせよ」ですね。冒頭だけでははっきりしませんが、全体を読めば聖徳太子の言わんとするところがはっきりします。

「物事は一人で決めるな。何事もみんなで話し合え」

それは“和”を貴ぶからこそ、「話し合って決めろ」と言うことなのですが、だからといって“和”は民主主義とは違いますね。民主主義っていうのは一定のルールの上で話し合って、最後は多数決で決めるんですから。日本における“和”を貴ぶ話し合いっていうのは当事者間の合意、つまり談合です。

当事者が納得していれば、外部の物差しは関係ないんですね。狭い業界の中の話し合いがすべての優先し、外部からの干渉が拒否されたり、それを排除するために当事者同士が一致団結して外部と戦うこともあります。

たしかに、“和”は平和主義じゃありませんね。

狭い業界、あるいは、ごく限られた当事者の合意、それが“和”なんですね。その内部の協調を重視するがゆえに、外部に対しては排他的、場合によっては攻撃的になることがあるわけです。

井沢さんの言葉が響きます。《“和”とは身内の協調である。ちなみに身内とは「ムラ」であり、「所属団体」であり、最大でも「日本人同士」というところまでしか広がらない》

《身内の調整がつかなくなった時、つまり“和”が保てなくなった時、その対立を解消するために、一致団結して外国をスケープゴートにすることがある》と、太平洋戦争をその好例にしています。

たしかに、日清戦争、日露戦争の犠牲を払って“中国”に手に入れた利権。その利権をめぐる身内同士の“和”を保つことにこだわり、日本そのものを潰してしまった戦争だと。・・・たしかに。

ただ、戦争っていうのは、相手のあることですからね。




関連記事

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事