めんどくせぇことばかり ゴーン『激変する世界を先読みする』 佐藤優 副島隆彦
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ゴーン『激変する世界を先読みする』 佐藤優 副島隆彦

そうだ。カルロス・ゴーンが金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたのは二〇一八年一一月一八日。私はまだ、高校の教員でした。

そんなに学力の高い学校じゃなかったんです。県内でも中の中ってところでしょうか。中の中くらいのところって言うと、まともに教科書で歴史の授業なんてやろうもんなら、そりゃ大変です。決して、彼ら彼女らが、反抗的な態度を取るなんてことじゃありません。
全員が一斉に居眠りを始めるなんてことでもありません。まあ、ときに寝てるやつもいますけど。

私が作ったプリントの空欄に、私が指摘した歴史用語を書き込んで、プリントを完成させることに一生懸命です。それ以上でも、それ以下でもありません。少なくとも、歴史の授業ではないということです。

当たり前のことではありますが、歴史の授業には、彼らが持っているはずの世の中に対する疑問を引き出すことから始めないことにはどうにもなりません。

今、話題になっているニュース、ワイドショーが取り上げて面白がってる問題が、もしも歴史につなげられることであれば、それをネタにして、「なんで?」、「どうして?」って疑問を引っ張り出すのが極めて効果的です。ワイドショーで賑々しく取り扱っている一見軽薄そうに見える話題であっても、歴史に関連付けられないものなんて、まずありません。

学力が高いとか低いとかに関係なく、高校生だってワイドショーネタはもちろん、ニュースにだって興味があります。汗だらけになった働いた人たちが集まる飲み屋でも、必ずトップニュースが話題に上がります。どんな会話が展開されるかはともかく、誰だって話題のニュースに関しては、自分なりに納得の行く見解を持ちたいもんです。

この、ゴーン逮捕のときの時のニュースの話もしました。もちろん、なぜフランス人のゴーンが日産の会長なのか、状況説明はしなければなりませんが、話題のニュースで興味があることなら聞きます。

バブル崩壊後の日本経済なんかを織り交ぜれば、授業の効果も上がります。極端な高額報酬とか、格差社会とか、タックスヘイブンとか、外国資本の支配下に置かれる日本企業のこととか、いろいろな話ができました。


日本文芸社  ¥ 1,620

衝突する超大国、北方領土交渉の行方。時代の先を読む最強の近未来予測
第1章 世界エネルギー覇権と日本の安全保障
第2章 北朝鮮問題から解読する極東のパワーバランス
第3章 安倍政権と忍び寄るファシズム
第4章 平成から新時代へ天皇と近代日本の実像
第5章 これからの世界潮流を読み解く


そんな話を生徒にしたときに、もしもこの本を読んでいたらどうだったろう。

ゴーン逮捕の前々年に司法取引法が成立し、日産の西川廣人CEOたちは、ゴーントの共同犯罪者にされないで免責されるということで手を売ったなんてことを知っていたらどうだったでしょう。これはもったいなかったですね。授業もかなり広がったでしょう。そして、西川CEOらを引き込んだことで、日本政府は着々と準備していたと言うんです。

ここまでは分かります。

そんな流れの中で、日本政府は日産の西川CEOらの勢力と組んで、日産と三菱自動車を支配下に置こうとするフランスから取り戻しにかかったかのように見えます。事実、フランス政府はこの図式で言えば、ゴーンの取り調べの攻勢を日本司法に求めています。

たしかに、ゴーン逮捕によって、日本政府は日産と三菱自動車をフランスのものにしようという企みを潰しました。ただ、カルロス・ゴーンをトップとするルノー・日産・三菱自動車という企業グループの体質を、エマニュエル・マクロン大統領は嫌っていたんだそうです。

佐藤さんと副島さんは、「日本政府はフランス政府とつながっている」、「表面上は無関係を装っているが、深いところで政府と政府がつながっている」と言っています。

これには驚きです。ゴーンの逮捕が、《ゴーン・ルノー・フランス》対《日産・三菱自動車・日本政府》という構図が当たり前に頭の中にありました。そうではなく、《日本政府・フランス政府》対《・・・》だというんです。

《日本政府・フランス政府》が手を組んで対抗するんですから、それはゴーンによって代表されるかもしれませんが、ゴーン個人じゃないでしょう。ゴーンによって代表される何かって、なんでしょうか。

この二人が指摘するのは、富裕層や企業から、国がもっと税金を取り上げて資本を蓄積し、富の再分配を通して社会の公平を実現するということです。世界各国の税金官僚が自分を正当化し、正義に味方になって富裕層から税金を取り上げ貧しいもののために働くわけです。国民の拍手喝采のもとに、国家統制の強化が成し遂げられていくという図式だと言うんです。

面白い。こんな話してたら、生徒は喜ぶけど、でも授業は、それはそれで違う方向に行ってしまいそう。それから、どっか、”風が吹けば桶屋が儲かる”と同じように、どこかある一点に飛躍があるように思えるんですが。




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ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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