めんどくせぇことばかり 『諡』 野村朋弘
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『諡』 野村朋弘

甲子園児の名前が面白い。

高校生が変わってるんじゃなくて、その親ですね。面白い名前を付けたのは。今の高校生の親だから、五〇歳くらいの人たちでしょうか。

東海大相模の遠藤成くん。花巻東の西舘勇陽くん。そうそう、岩手大会決勝で花巻東に破れた大船渡の一六三キロ右腕、佐々木朗希くん。今大会優勝候補筆頭に挙げられる大阪履正社の野口海音くん。前橋育英の梶塚彪雅くん。春夏五期連続出場となる智弁和歌山の黒川史陽くん。同じ智弁和歌山の一年生四番バッター、徳丸天晴くん。八戸学院光星の武岡龍世くん。日本文理の小林未来雄くん。熊本工業の江川輝琉亜くん。《(続きを読む)に読み方》

貿易センタービルに、ウサマ・ビンラディン率いるアルカイダの構成員が、乗っ取った飛行機で突っ込んだのが二〇〇一年。あの年に生まれた子が、今の高校三年生ですね。そんな世相が影響しているわけでもないでしょうけど、甲子園を見ているだけで、これだけ“特別”な名前に出くわすんだから、なんかありそうですね。

やっぱりあれでしょうか。あの、キラキラネームの流れ。ただ、単純なキラキラネームとは、なんだか違いますね。さらにそこから一ひねり、二ひねり加わった感じ。体操で言えばE難度が、F難度か、G難度になった感じ。

キラキラネームはキラキラネームで、独自の進化を遂げているそうですね。そっちはもう、ひたすらお子さんが哀れでね。よく児童虐待のニュースを聞きますが、それに近いものがあるように思います。

さて、“諡ーおくりな”ですが、人が死んだあとに送られる名前、特に王侯や皇帝が死んだあと、生前の業績や人生そのものに基づいて送られる名前です。



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諡号の果たした役割、天皇が古代から現代まで存続し得た理由について考察する
第1章 天皇家はなぜ存続してきたのか
第2章 諡号とは何か
第3章 日本の諡号の種類
第4章 日本における諡号制度の展開
第5章 諡号の変容―追号・遺諡の成立
第6章 南北朝の危機と諡号
第7章 漢風諡号の復活


これも、もとは“中国”のものですね。

ただ、“中国”は易姓革命によって王朝が変わっていきますから、前の王朝を滅ぼした新しい王朝は、自らの正当性を明らかにするために、先代をこれ以上ないってくらいひどい名前を贈ります。

中でもひどいのが、《煬帝》です。文帝楊堅の跡をついだ煬帝楊広ですね。《煬》っていうのはひどい意味の漢字らしいです。なんでも、「去礼遠民衆」であるとか、「好内怠政」であるとか。「去礼遠民衆」は、礼節を行わずに民衆に親しまないという意味。「好内怠政」は、内に多淫を好んで、外は政治を荒らすという意味。どちらにしろ、これ以上ないような不名誉な諡だそうです。確かに、大運河の建設や高句麗遠征で人々が苦労したというのは、なんだか納得させられるような話ですが。

まあ、大運河の建設にしろ、高句麗遠征にしろ、皇帝である楊広を殺し、新たに唐王朝を立てた李氏がばらまいた悪帝説を前提に考えなきゃいけない話でしょうけどね。

それがですね。“中国”の歴史には、もうひとり、《煬》の字を贈られた皇帝がいるんだそうです。その人物とは、陳王朝の最後の皇帝、陳叔宝。
陳王朝と言えば、南朝最後の王朝です。南部に続いた漢民族の王朝と言えば、呉・東晋・宋・斉・梁・陳の陳です。

その南朝最後の皇帝が陳叔宝で、政治を顧みず、日々歌舞音曲にふけり、張麗華という鬼道を用いる妃を寵愛したんだとか。五八八年に、陳は北朝を統一した隋に攻め込まれ、皇帝は捕虜となっています。暗愚ゆえに殺されなかったとか。陳叔宝は殺されることなく六〇四年に亡くなったそうです。そして贈られた名が、《煬公》だったそうです。

そして、五八八年に隋が陳に攻め込んだ時、隋軍の指揮をする大将が、楊広、つまり煬帝だったそうです。

日本の場合、易姓革命がありません。だから、基本的に、先代を悪い名前でこき下ろす必要がないんですね。

それから、神武天皇から元正天皇までの諡は、八世紀の中頃に淡海三船によってまとめて贈られたものです。その際、生前の事績を把握して名付けたとされています。ということに成ると、淡海三船という人は、すごい人だったんでしょうね。

そう考えてみると、易姓革命がないから、あえてこき下ろす必要もないとは言え、「生前の事績を把握」して贈った名前ということになると、意味深そうな名前もあります。

仲哀、反正、雄略、武烈、継体、なんてところは、一体何があったんでしょうね。そして、淡海三船がその名を贈った、ほとんど同時代であるはずの持統天皇。その時代になにがあったんでしょうね。




遠藤成(じょう)
西舘勇陽(ゆうひ)
佐々木朗希(ろうき)
野口海音(みのん)
梶塚彪雅(ひょうが)
黒川史陽(ふみや)
徳丸天晴(てんせい)
武岡龍世(りゅうせい)
小林未来雄(らいお)
江川輝琉亜(きるあ)


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ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






























































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