遺骨『王家の遺伝子』 石浦章一
遺伝子もまた、歴史を紡いでいるんですね。
言語による歴史というのは、勝者のみに、綴るのとが出来るものです。敗者には、言語で歴史を綴ることはできません。でも、遺伝子は、勝者であっても、それに手を加えることはできません。
シベリアや南洋でなくなった戦没者の遺骨収集も進みません。二四〇万人の戦没者のうち、今でも一一二万人分の遺骨が現地に残されているそうです。これまでの遺骨収集では、細かすぎて身元が判明できない遺骨は、現地で焼却した上で持ち帰り、千鳥ヶ淵に埋葬されるんだそうです。最近のニュースで、焼却した遺骨はDNA鑑定ができなくなってしまうという話を聞きました。
アメリカが共同の作業を日本に呼びかけているそうですね。アメリカは焼かずに調べるそうですよ。そして、遺骨を家族のもとにかえす。今も世界で戦争を続け、戦死者を出し続けるアメリカは、それが絶対に必要なんでしょう。このアメリカの呼びかけには、乗っかるべきではないでしょうか。
戦争が終わって七四年ですよ。これは、やる気が無いとしか言いようがないんじゃないでしょうか。やはり、避けては通れないんじゃないでしょうか。あの戦争でなにがあったのか。戦争になってしまったことは、残念ではあるが、やむを得ない。なにしろ相手のあることですから。どうしても日本と戦争しないと収まらないというアメリカのことだからね。
だけど、日本が国家なら、犠牲になった国民の骨くらいは拾ってくれなきゃおかしい。つらい思いをした女の人はそれを言い出さないから、好都合で知らんぷりじゃ国じゃない。戦災孤児は一二万人もいたそうだ。戦争が終わったあの段階で親がないなんて。
焼いてしまうとDNA鑑定ができないとすると、DNA鑑定によって遺伝子が綴ってくれた歴史を読み解いていくという方法は日本では難しいということになるんでしょうか。それこそ天皇家だって、持統天皇依頼、ずっと火葬してるでしょう。
火葬しちゃいますからね。


ちょっとこの本の趣旨からは外れますが、《日本人はどこから来たのか》ってのは、やっぱり興味があります。この本でも、分量は少ないんですが、そのことに触れてくれています。
まずは、四万~四〇〇〇年前、旧石器時代から縄文時代にかけて、日本列島にさまざまなルートから人が渡ってきています。北から、南から、あるいは朝鮮半島を経由しての流入のようです。この人たちは、現在の東ユーラシアに住んでいる人たちとは異なる民族だそうです。
続いて四〇〇〇~三〇〇〇年前、朝鮮半島を経由して別の民族が渡ってきているそうです。この人たちとそれ以前に渡ってきた人たちとの混血は、琉球を除く西日本だけで起こったそうです。
さらに続いて三〇〇〇年前以降、朝鮮半島から稲作民族が渡ってきたそうです。この人たちは、現在の東アジア人と殆ど同じ遺伝子を持った人々で、しだいに先住民と混血して現在の日本人を形成してきたと考えられるそうです。
・・・ちょっと簡単過ぎて、興味深いところまでいかないな。
私たちが、どこから渡ってきたものであったは、たしかに興味深いし、出来ることなら知りたいもんです。だけど、今をしっかりやっていくってことは、それよりももっと大事です。戦争が終わって七四年。でも、八〇年からろうが、一〇〇年かかろうが、付けるべきけじめは、やっぱり付けないとね。
言語による歴史というのは、勝者のみに、綴るのとが出来るものです。敗者には、言語で歴史を綴ることはできません。でも、遺伝子は、勝者であっても、それに手を加えることはできません。
シベリアや南洋でなくなった戦没者の遺骨収集も進みません。二四〇万人の戦没者のうち、今でも一一二万人分の遺骨が現地に残されているそうです。これまでの遺骨収集では、細かすぎて身元が判明できない遺骨は、現地で焼却した上で持ち帰り、千鳥ヶ淵に埋葬されるんだそうです。最近のニュースで、焼却した遺骨はDNA鑑定ができなくなってしまうという話を聞きました。
アメリカが共同の作業を日本に呼びかけているそうですね。アメリカは焼かずに調べるそうですよ。そして、遺骨を家族のもとにかえす。今も世界で戦争を続け、戦死者を出し続けるアメリカは、それが絶対に必要なんでしょう。このアメリカの呼びかけには、乗っかるべきではないでしょうか。
戦争が終わって七四年ですよ。これは、やる気が無いとしか言いようがないんじゃないでしょうか。やはり、避けては通れないんじゃないでしょうか。あの戦争でなにがあったのか。戦争になってしまったことは、残念ではあるが、やむを得ない。なにしろ相手のあることですから。どうしても日本と戦争しないと収まらないというアメリカのことだからね。
だけど、日本が国家なら、犠牲になった国民の骨くらいは拾ってくれなきゃおかしい。つらい思いをした女の人はそれを言い出さないから、好都合で知らんぷりじゃ国じゃない。戦災孤児は一二万人もいたそうだ。戦争が終わったあの段階で親がないなんて。
焼いてしまうとDNA鑑定ができないとすると、DNA鑑定によって遺伝子が綴ってくれた歴史を読み解いていくという方法は日本では難しいということになるんでしょうか。それこそ天皇家だって、持統天皇依頼、ずっと火葬してるでしょう。
火葬しちゃいますからね。
『王家の遺伝子』 石浦章一 ブルーバックス ¥ 1,080 !?「勝者の歴史」が覆い隠した「王家の真実」を、最新生命科学が解明する! |
ちょっとこの本の趣旨からは外れますが、《日本人はどこから来たのか》ってのは、やっぱり興味があります。この本でも、分量は少ないんですが、そのことに触れてくれています。
まずは、四万~四〇〇〇年前、旧石器時代から縄文時代にかけて、日本列島にさまざまなルートから人が渡ってきています。北から、南から、あるいは朝鮮半島を経由しての流入のようです。この人たちは、現在の東ユーラシアに住んでいる人たちとは異なる民族だそうです。
続いて四〇〇〇~三〇〇〇年前、朝鮮半島を経由して別の民族が渡ってきているそうです。この人たちとそれ以前に渡ってきた人たちとの混血は、琉球を除く西日本だけで起こったそうです。
さらに続いて三〇〇〇年前以降、朝鮮半島から稲作民族が渡ってきたそうです。この人たちは、現在の東アジア人と殆ど同じ遺伝子を持った人々で、しだいに先住民と混血して現在の日本人を形成してきたと考えられるそうです。
・・・ちょっと簡単過ぎて、興味深いところまでいかないな。
私たちが、どこから渡ってきたものであったは、たしかに興味深いし、出来ることなら知りたいもんです。だけど、今をしっかりやっていくってことは、それよりももっと大事です。戦争が終わって七四年。でも、八〇年からろうが、一〇〇年かかろうが、付けるべきけじめは、やっぱり付けないとね。

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