『日本を滅ぼす岩盤規制』 上念司
《「岩盤規制」とは、言ってみれば「おバカ校則」みたいなものだ》と著者の上念司さんは言ってます。“校則”ってことになると、ついこの間まで関わっていたので、・・・ちょっとね。
家でも学校でも、自分がぶちのめされて育てられましたので、色々な決まりごとは理屈じゃなくて、そういうもんなんだと受け入れてました。
私は昭和三五年生まれですから、中学校は坊主頭ですよ。坊主って言ったってツルッツルってわけじゃありません。丸刈りですね。いつも、父親にバリカンで刈ってもらってました。三分刈りです。別になんとも思いませんでした。中学生になれた嬉しさのほうが遥かに先行してました。
でも、そうじゃない奴もいたみたいで、隣の中学校の話なんですが、中学三年になる年の春にナイフを持って校長に訴えた奴がいました。それがきっかけになって、坊主って校則はなくなりました。
今でも、おかしな校則が、ずいぶんあるみたいですね。でも、基本的にはあれでしょ。若い人はすぐいきがった格好をしたがります。そして、そういう格好って、だいたい不良から始まるもんです。そういう不良とは、学生を距離取らせようってのが校則に反映されるんでしょ。
髪の毛の指導とか、スカートの丈の指導とかが嫌いで困りました。性に合わないんです。ああいうの・・・。
定時制に務めた頃は、整容指導みたいなのはありませんでしたので、助かりましたけど。なぜ定時制ではないかと言うと、年齢がバラバラで、タバコすってるのもいれば、化粧して仕事しているのもいましたから。それに、とにかく学校に来ることが優先で、それ以外のことでなんだかんだ言ってる場合じゃなかったんです。
それが本来の姿だと思いますよ。身だしなみなんて、色々みっともない思いをして身につけるもんだと思うしね。馬鹿な格好をしてたって、しっかり勉強をしてればいいんです。でも、残念なことに、馬鹿な格好をしている奴は、それだけの奴って場合が多いです。残念ながら。
だから、普通の全日の高校なら、整容指導をしないでいると、すぐに学校の雰囲気が崩れるのも事実です。そうなると、中学生はそれを敏感に感じ取って、入学希望者が減ります。もしも、一倍を切ってしまって、二次募集をしなければならなくなれば、偏差値は急降下です。私もそういうところにいた経験がありますが、嫌なこともあったけど、なんだか楽しい奴もいっぱいいましたよ。まあ、県立の高校ですからね。県全体でみれば、偏差値の低い学校だって必要なんですから、それでもいいんです。
それでもいいはずなんだけど、先生方は妙に真面目ですから、その理屈が通らないんですよ。まったく、嫌んなっちゃいます。


あんまりおバカな校則は困るけど、校則で儲けてる教員とか、校則で天下ってる教員とかは聞いたことがありません。岩盤規制は、それで儲けていたり、天下っていたりしている奴がいるわけです。これは困りもんですね。
「文科省は、加計学園による今治市での獣医学部新設を妨害し続けていた」
加計学園問題って、国家戦略特区に指定されることで、五二年間も獣医学部の新設の申請ができないという異常な状態が、ようやく解消されたという話だったそうです。
獣医学部新設なんて自由な経済活動に過ぎないですよね。あの時、言われていたのは「獣医師は足りている」ということでした。確かに、都市部における犬猫病院の獣医師は足りているとけど、口蹄疫や鳥インフルエンザの予防に苦しむ地方自治体は多くの獣医師を欲していたそうです。
それに、犬猫病院の獣医師が足りているとしても、だからといって新規参入を拒むっていうのは自由な経済活動を阻害する行為に過ぎませんね。
信長の支配地に入れば容易に市に参入できたし、新しい商売にも参入できました。それ以外の場所では多種多様な“座”が新参者の参入を許しませんでした。“座”は公家や寺社に上納金を納めて保護を受けていました。中でも延暦寺は、武力を抱えていましたからたちが悪いんですね。
既得権益の上にあぐらをかいて、新たな時代の幕開けを拒んでいたのは延暦寺。それこそ鉄壁の《岩盤規制》だったわけです。
やっぱり焼き討ちでしょうか。霞が関三丁目。
家でも学校でも、自分がぶちのめされて育てられましたので、色々な決まりごとは理屈じゃなくて、そういうもんなんだと受け入れてました。
私は昭和三五年生まれですから、中学校は坊主頭ですよ。坊主って言ったってツルッツルってわけじゃありません。丸刈りですね。いつも、父親にバリカンで刈ってもらってました。三分刈りです。別になんとも思いませんでした。中学生になれた嬉しさのほうが遥かに先行してました。
でも、そうじゃない奴もいたみたいで、隣の中学校の話なんですが、中学三年になる年の春にナイフを持って校長に訴えた奴がいました。それがきっかけになって、坊主って校則はなくなりました。
今でも、おかしな校則が、ずいぶんあるみたいですね。でも、基本的にはあれでしょ。若い人はすぐいきがった格好をしたがります。そして、そういう格好って、だいたい不良から始まるもんです。そういう不良とは、学生を距離取らせようってのが校則に反映されるんでしょ。
髪の毛の指導とか、スカートの丈の指導とかが嫌いで困りました。性に合わないんです。ああいうの・・・。
定時制に務めた頃は、整容指導みたいなのはありませんでしたので、助かりましたけど。なぜ定時制ではないかと言うと、年齢がバラバラで、タバコすってるのもいれば、化粧して仕事しているのもいましたから。それに、とにかく学校に来ることが優先で、それ以外のことでなんだかんだ言ってる場合じゃなかったんです。
それが本来の姿だと思いますよ。身だしなみなんて、色々みっともない思いをして身につけるもんだと思うしね。馬鹿な格好をしてたって、しっかり勉強をしてればいいんです。でも、残念なことに、馬鹿な格好をしている奴は、それだけの奴って場合が多いです。残念ながら。
だから、普通の全日の高校なら、整容指導をしないでいると、すぐに学校の雰囲気が崩れるのも事実です。そうなると、中学生はそれを敏感に感じ取って、入学希望者が減ります。もしも、一倍を切ってしまって、二次募集をしなければならなくなれば、偏差値は急降下です。私もそういうところにいた経験がありますが、嫌なこともあったけど、なんだか楽しい奴もいっぱいいましたよ。まあ、県立の高校ですからね。県全体でみれば、偏差値の低い学校だって必要なんですから、それでもいいんです。
それでもいいはずなんだけど、先生方は妙に真面目ですから、その理屈が通らないんですよ。まったく、嫌んなっちゃいます。
『日本を滅ぼす岩盤規制』 上念司 飛鳥新社 ¥ 1,400 「岩盤規制」について正面から論じた本。毎年30兆円の負担増となって国民を苦しめる実態 |
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あんまりおバカな校則は困るけど、校則で儲けてる教員とか、校則で天下ってる教員とかは聞いたことがありません。岩盤規制は、それで儲けていたり、天下っていたりしている奴がいるわけです。これは困りもんですね。
「文科省は、加計学園による今治市での獣医学部新設を妨害し続けていた」
加計学園問題って、国家戦略特区に指定されることで、五二年間も獣医学部の新設の申請ができないという異常な状態が、ようやく解消されたという話だったそうです。
獣医学部新設なんて自由な経済活動に過ぎないですよね。あの時、言われていたのは「獣医師は足りている」ということでした。確かに、都市部における犬猫病院の獣医師は足りているとけど、口蹄疫や鳥インフルエンザの予防に苦しむ地方自治体は多くの獣医師を欲していたそうです。
それに、犬猫病院の獣医師が足りているとしても、だからといって新規参入を拒むっていうのは自由な経済活動を阻害する行為に過ぎませんね。
信長の支配地に入れば容易に市に参入できたし、新しい商売にも参入できました。それ以外の場所では多種多様な“座”が新参者の参入を許しませんでした。“座”は公家や寺社に上納金を納めて保護を受けていました。中でも延暦寺は、武力を抱えていましたからたちが悪いんですね。
既得権益の上にあぐらをかいて、新たな時代の幕開けを拒んでいたのは延暦寺。それこそ鉄壁の《岩盤規制》だったわけです。
やっぱり焼き討ちでしょうか。霞が関三丁目。

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