めんどくせぇことばかり 『地名は語る 埼玉の歴史と伝承』 埼玉新聞特別編集委員室
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『地名は語る 埼玉の歴史と伝承』 埼玉新聞特別編集委員室

秩父という地名にはいろいろな説があるんだそうです。

鍾乳洞説は鍾乳石が乳房のように垂れ下がっている「ちちいし」から。イチョウ説は、秩父に多いイチョウは古語で「ちちのき」と呼んだことから。織物説は、秩父は織物が盛んで、「布が千々ある」から千々布。連峰説は、たくさんの峰々が千々に連なっていることから千々峯。アイヌ語説は、きれいな水が湧き出しているという意味。魚説は、「ちちぶ」という川魚(ハゼの仲間)がたくさんいた。

やはり、いずれもピンときませんね。

秩父市文化財保護委員の千嶋壽さんの見解がこの本にあるんですが、それがとても興味深いんです。ある意味ではなんの問題にもなっていませんが、完全に的を射抜いているように思うんです。千嶋さんは以下のように言ってらっしゃいます。

『「秩父」という言葉、地名は、今は「武甲山」と呼ばれている、この山を指している地名ではないか』

それは千嶋さんが、秩父の歴史や地理、文化、祭りなどを研究してきて、そう感じたということのようです。札所二三番は音楽寺というお寺です。その近くにある展望台からは秩父盆地が一望できるんですが、そこから見ると武甲山あっての秩父ということがわかると言うんです。

『この山以外に、ここの地名を発生させる理由はない』

こう言われちゃあ、秩父人としては逆らう理由はなにもありません。

ちなみに二三番の音楽寺。秩父事件のとき、一揆勢はこの寺の鐘の乱打を合図に大宮郷と呼ばれた秩父盆地になだれ込んでいった場所です。また、その名前から、歌手の方がヒット祈願に行くそうです。

音楽寺は荒川の左岸にあります。荒川に沿って長尾根と呼ばれる丘陵地帯が続くんですが、音楽寺から荒川左岸を三キロほどさかのぼったところに札所二四番法泉寺があります。長い石段の上に寺があるんですが、高校生の頃、秩高山岳部の練習場所で、ここまで走ってきて、この石段でね。・・・いろいろと激しいことをやってね。今思うと、ゾッとしますね。


『地名は語る 埼玉の歴史と伝承』    埼玉新聞特別編集委員室

埼玉新聞社  ¥ 972

「地名は歴史であり、地域の文化財である」 地名を知れば、見えてきます。
第一部 秩父地域以外一八町
鳩山町 神川町 吉見町 美里町 毛呂山町 越生町 伊奈町 
小川町 川島町 上里町 松伏町 杉戸町 宮代町 嵐山町 
寄居町 ときがわ町 滑川町 三芳町
第二部 秩父地域
秩父の由来 地形・地質と地名 小鹿野町 長瀞町 横瀬町 
東秩父村 旧秩父市 旧吉田街 旧荒川村 旧大滝村
第三部 さいたま市
浦和区 緑区 南区 桜区 大宮区 北区 西区 見沼区 中央区 岩槻区


この本は、埼玉新聞地域面に連載されている『地名は語る 埼玉の歴史と伝承』という人気コラムをまとめたものだそうです。

だけど、第一部は〈秩父以外の一八町〉、第二部は〈秩父地域〉、第三部は〈さいたま市〉じゃ、それ以外の三八市が頭にきちゃいますよね。大丈夫。この本にまとめられた分は、二〇一五年から二〇一六年までに掲載された分で、それ以外の三八市分に関しては、すでに二〇一八年から連載が始まっているそうです。だったら、そろそろその連載も終わって、そこから一年後ぐらいには一冊にまとめられることになるんじゃないでしょうか。

編集委員は五名で編成されていて、各地区の市史、町史編纂室や教育委員会、図書館長や資料館長といった地元の専門家や地元の資料に取材して書かれています。

かつ、たんに地名の由来だけでなく、その歴史性や伝統も同時に書かれているので、内容に厚みがあるような気がします。一例が、最初に上げた秩父のケースです。地名の由来は解明されていませんが、秩父人に共通するであろう思いは明らかにされています。

川島町は元は五四村あったそうです。それが明治の大合併で川越編入の七村を除いて四七村が六村に、さらに昭和二九年に六村が合併して川島村、のちに町制施行で川島町になったそうです。こんな大きな大改革を混乱なく成し遂げた背景には、四方を川に囲まれ、堤防で守られているという一体感があってのことだったそうです。川島の旧家には、家の中に船がくくりつけられているうちがあるそうです。堤が切れて、何度もつらい思いをしてきたんでしょうね。

ね。こういう風に、そこに住む人々の気質や風土が説明されていると、内容そのものに厚みが増すように思えます。

その地域を知るためには、字が重要なんだそうです。合併だの、開発だので、古い地名がやすやすとかっこいい地名に変えられてますけど、なかには字になって残されるケースもあるみたいです。

私の生まれた家は、大字下影森字田の沢小字藪といいます。なんだかジメジメしてて、蚊がいっぱいいそうでしょ。





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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






















































































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