めんどくせぇことばかり 『仕組まれた古代の真実』 関裕二
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『仕組まれた古代の真実』 関裕二

徳島の親戚から、今年もまた、すだちと鳴門金時を送ってもらいました。

すだちはとりあえず晩酌の焼酎に浮かべて、鳴門金時は、連れ合いが炊飯器で蒸している途中です。どうやら炊飯器で時間をかけて蒸すと、ねっとりとしたふかし芋に仕上がるらしいんです。以前は、さつまいもとかぼちゃは、食い物の種類に入れていなかった私ですが、歳のせいでずいぶん変わりました。美味しくいただきたいと思います。

それからあとは、あれだな。干し芋にしてもらうんです。これは山で食べるのにとてもいい。そんなこと考えてると、早く山に行きたいな。六日の日曜日が地区の体育祭で、これが終わってから、最初の天気のいい日に出かけよう。干し芋を持って。

一万年を超える縄文は、一人突出せず、他者に手を差し伸べることを、この列島に生きる人々に染み込ませてきたんだろうと思います。“日本人の特殊性”に否定的な反応をする人もいますが、昨今の自然災害への対応を見ても、この列島に生きていくなら持ち合わせていなくてはならないものが、やはりあるんだと思います。

ただ一人藤原氏だけが、それを持ち合わせていないかのようです。突出することを望むべきではない、手を差し伸べねばならないという思いから、唯一藤原氏だけが自由であるかのようなのです。

三世紀の後半にヤマトが成立したのなら、蘇我氏が実験を握った六世紀後半は、まさにヤマト建国以来の大改革に着手しようとしていたわけです。優秀な若者たちを隋に派遣して律令体制の何たるかを学ばせ、ただそのまま焼き写すのではなく取捨選択し、自分たちの大切な社会を壊さないように取り計らって導入しようという試みは、千年以上後の明治維新の試みに似ています。

戦乱の果に勝ち残り、大権を持って律令体制を敷いた隋ならいざしらず、平和裏に律令制を導入しようという試みは至難の業だったでしょう。律令制の根幹は公地公民制にあるわけですから。ヤマト建国以来の有力豪族も、地方豪族も、その土地を国家に差し出さなければならないわけですから。有力であればあるほど、多くのものを国に奪われるわけですから。

反対するものの声は、とてつもなく大きなものだったに違いありません。それでも、なんとしてもこの改革を成し遂げなければならなかったなら、当時の為政者の苦労は大変なものだったでしょう。

律令制の導入を進めていたのが蘇我入鹿で、中大兄皇子をそそのかして、蘇我入鹿を殺させたのが中臣鎌足であったことは、まず間違いありません。こんなことがまかり通ってしまったのは、これまで通り自分たち一族の土地を保全できることに胸をなでおろす思いだった豪族が少なくなかったからでしょう。 

そんな時に、唯一、あの一族だけは、自分たち一族のことだけを考えていました。律令制導入に関わって様々な思惑が渦巻く中で、その思惑を操って人を踊らせることに異様に長けたあの一族は、ここを好機と古くからの有力豪族の力を奪っていきます。



辰巳出版  ¥ 1,188

日本史、特に古代に真実を知らずにいる日本人は不幸である
第1章 古墳から読み解く古代の真実―前方後円墳とヤマト建国の謎
第2章 縄文から読み解く古代の真実―縄文人と現代人はつながっていた!
第3章 天皇から読み解く古代の真実―天皇と縄文の海人との意外な関係
第4章 女性から読み解く古代の真実―古代は女性が牛耳っていた!
第5章 記紀から読み解く古代の真実―『古事記』と『日本書紀』、そして『万葉集』の秘密
第6章 神社から読み解く古代の真実―神社と豪族はどう関わっていたか
第7章 事件から読み解く古代の真実―事件はこうして歴史をつくった


藤原不比等が実権を握って以降は、律令の意義そのものが変わります。古くからの有力豪族は、結局、国にすべての土地を差し出すことになりました。今度は、その土地を時間をかけて、藤原氏が自分のものにしていったわけです。律令とは、藤原氏による、藤原氏の、藤原氏のための制度になったのです。

「敗れ去った者は歴史を残すことはできない」

これは鉄則です。一人勝ちした藤原氏が、自分を正当化する歴史を残したのです。そんな藤原氏を、なんとか政治の場から排除したと思ったからこそ、称徳はその位を道鏡に譲りたいと考えたのでしょう。

関裕二さんの本は、ずっと追いかけてますけど、この本は凄まじく分かりやすい。

《「ヨコ+タテ読み」せず、「タテ読み」のみで古代史を解説》っていうところに味噌があるみたいです。日本の古代史は本当に謎めいていますから、それを様々なテーマをフォロー(=ヨコ読み)しつつ、時系列で順に学習(=タテ読み)していく方法を捨てたわけですか、今回は。

その上で、これだけは抑えておきたい重要テーマを七つに絞り、そのテーマだけを順を追って解読(=タテ読みのみ)していく方法にしたんだそうです。

たしかに、私はその能書きに触れる前に、「今度の本は今までになく分かりやすい」と感じました。私はそれを、今まで数多く本を出して、いろいろな方面から真実に迫ってきた結果、いよいよご本人が、自分のたどり着いた真実に確信を持ったからじゃないかなって考えていました。その確信には、考古学の発見が大きく寄与しているので、それもご本人には力強いところでしょう。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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