めんどくせぇことばかり 『あたらしい森林浴』 小野なぎさ
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『あたらしい森林浴』 小野なぎさ

ピンとこなかったんです。

ずっとピンとこなかったんですけど、今はもうはっきりと、自分の体でわかるようになりました。・・・はい、森林浴というものについてです。

「森には癒やしの効果がある」なんて言われても、癒やされる必要が、こちらにはなかったもんですから、それでピンとこなかったんでしょう。あるいは、癒やされていたにもかかわらず、それを森の効果と感じる能力が、こちらになかったのかもしれません。

生まれた家は埼玉県の武甲山の麓でした。当時は、すでに山の北面西側の石灰岩の採取が行われていて、家は武甲山の北面を正面に見るように建ってました。だから、昼の一二時と、夕方四時にサイレンを鳴らした上で発破をかけていたんですが、その様子がよく見えたんです。サイレンが鳴ると、まもなく山に爆発による白い煙が上がり、少しだけ時をおいてドカーンという音が響きます。その音とほぼ同時に家の窓ガラスがビリビリ振動していました。

家からは、ほんの少し歩けば、いつの間にか森の中でした。人家が無くなり、炭焼小屋を通り過ぎると、山の神の祠があって、その先は森というよりも、山そのものでした。川に落ちたり、ふくらはぎをえぐったり、けっこう大きな怪我をしたこともあったんですが、一人でも森の中で遊ぶことが多かったですね。・・・癒やされていたのかもしれないですね。そういえば、受験の重圧に負けて、山に逃げたこともありました。

知らず知らず、癒やされていたのかもしれませんね。

今は医学的な治験の進歩と測定技術の発達から、森林浴の結果、ストレスホルモンが減少し、リラックス効果が上がるという科学的な根拠が得られているんだそうです。今では一歩進んで、森林浴による生理的効果が解明されるようになり、森を活用した健康増進の取り組みが全国で行われ、海外からも注目されるようになってきているんだそうです。

実際、森林環境では都市環境と比べて、活気の気分が上がり、怒りー敵意、緊張ー不安、疲労、混乱の気分が有意に下がり、血圧・脈拍が下がり、自律神経のバランスが整い、ストレスホルモンが減少するそうです。さらに悪い細菌をやっつけてくれる細胞が増えるそうです。

そんな、人間の体にいい影響を及ぼしてくれているのは、樹木から放出されるフィトンチッドという物質だそうです。自分の葉や幹をかじる害虫を遠ざけるため、他の植物が根の周りに近づかないようにするため、他の植物の発芽を抑えるため、樹木は、高尾フィトンチッドという物質を放出するんだそうです。この物質が、人間にとってはいい効果があるんだそうです。

『あたらしい森林浴』    小野なぎさ

学芸出版社  ¥ 2,310

森林浴事業で起業した女性フロントランナーによる、現場発信型・実践ノウハウ
1章 森林浴は今、可能性がある。
2章 森林浴の医学的効果
3章 海外が注目する日本発祥のShinrin-yoku
4章 地域と人を元気にする! 森林浴の可能性
5章 ヘルスケア事業としての森林浴
6章 人を成長させる森林浴


自然の中に、森の中にいると、なんかいい匂いがするじゃありませんか。あれがフィトンチッドだそうです。一般的には、広葉樹よりも針葉樹のほうが多く放出し、時間帯は正午前後がピークだそうです。

若い時は、森林浴なんて考えるまでもなく山に登ってましたし、子どもの頃から自然の中にいることが好きでしたから、その効果なんて考える必要もありませんでした。

その後、変形性股関節症で山からは離れてしまい、二〇一六年一〇月に手術を受けて二十数年ぶりに再開しましたが、森の効果を自覚したのは手術の前です。その二年ほど前かな。手術を意識した頃から、術後、「もう一度山に登りたい」ってことを意識してました。それもあり、それからちょうどその頃、『気力を奪う「体の痛み」がスーっと消える本』っていうのを読んだんです。

最初は、ある意味で、「なんちゅう無責任な題名だろ」って思いました。でも、当時は、その手の本は何でも読みました。その中で、《廃用症候群》という言葉を知りました。痛みで動かさないでいれば、その機関は不要であると身体が判断して、さらに動かなくなるということのようです。当時の私の股関節は、まさにそれに近い状況にありました。

『脳は喜びを感じると痛みの抑制に関係する内因性オピオイドを分泌。痛みを感じにくくなり、歩行距離が無理なく伸びていくはず』ともありましたので、「好きな森の中でも歩こう」と思ったわけです。すぐに補助用にストックを買って、近くにある市民の森というところを歩きました。

最初は、連れ合いについて来てもらいました。最初は、本当に少しだけでした。それでも、森を歩いたことで、長い間、感じたことのない、なんとも言えない幸福感を味わいました。徐々に距離も伸び、一人で歩くこともありました。痛くて、車での救援を頼んだこともありますが、森の中にいることの効果は確実にありました。

手術を受けて、・・・私の場合、その手術がとてもあっていたようで、まったく痛みがなくなり、山登りを再開しました。今は、「こうして山の中を歩いているだけで、自分は嬉しいんだ」ということを、実感しています。

先日、たまたま一緒に山を歩いた若い女性の方から、「苦しいことも多いのに、なんで山に登るんでしょう」って聞かれました。「私の場合は、気持ちがいいからですよ」とお応えしました。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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