めんどくせぇことばかり 『古墳解読』 武光誠
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『古墳解読』 武光誠

私の住む東松山は、古墳がたくさんあるところです。

家からちょっと行ったところに、野本将軍塚古墳というのがあります。前方後円墳です。墳丘の長さが115m、高さは後円部で15mあります。大きな古墳でしょ。

埼玉では、行田のさきたま古墳群が有名です。あそこは稲荷山古墳から金錯銘の入った鉄剣がでてますからね。だけど、あっちは5世紀後半なんですよ。それまでは、行田の、あの地域には目立った古墳は登場しないんですね。

3世紀前半にヤマト政権の成立を表すと思われる纏向石塚古墳が登場します。それから、それほど時間を置かない3世紀後半、現在の埼玉県域で最も早く古墳が作られるようになったのは、この東松山市を含む比企地区なんです。

さっき紹介した野本将軍塚古墳は4世紀の築造なんですが、都幾川を挟んで反対側にある高坂8号墳はそれよりも古いとされている前方後円墳です。区画整理で墳丘はないんですが、ここからは三角縁神獣鏡が発見されています。

近年、様々な科学的手法を駆使した新たな考古学的発見を通じて、古代史に関する興味深い事実が明らかにされつつあるんだそうです。それこそ、有力な古墳の発掘調査が行われるたびに、日本の古代史像が修正されるほどなんだそうです。

建国の時期の様子を伝えるなにがしかは、きっとあったと思うんです。しかし、日本古代史の勝者である藤原氏が、勝者の権限として『日本書紀』というこの国の正史を書き残したわけです。建国の時期の様子を伝えるなにがしかは、藤原氏の目についた限り、すべて失われたに違いありません。


『古墳解読』    武光誠

河出書房新社  ¥ 858

古墳を知れば、伝説上の皇室の先祖にあたる大王や王族たちの姿が浮かび上がってくる
一章  そもそも古墳とは何か、どのように誕生したのか
二章  大和朝廷の勢力拡大と前方後円墳の広がり
三章  朝鮮諸国との外交が「古市古墳群」をつくらせた
四章  古市古墳群とは別に「百舌鳥古墳群」を営んだのは誰か
五章  七世紀末、なぜ古墳は築かれなくなったのか


だから、日本は古代から現代に至るまで一つの民族、一つの言語、一つの文化が受け継がれてきているにもかかわらず、その国の起こりがわけの分からない神話の中に埋没してしまっているのです。

この本の著者、武光誠さんが四章に《古市古墳群とは別に「百舌鳥古墳群」を営んだのは誰か》という章を置いています。百舌鳥古墳群の古墳は巨大古墳で、いずれも大阪湾に面した台地に作られた、いかにも“見せるための古墳”と著者は言っています。一体誰に見せようとしたのか。それは、この時代の大王たちが盛んに使者を送った南朝の宋から訪れる外交官たちに。

百舌鳥古墳群の時代の大王たちは、『宋書倭国伝』に“倭の五王”と呼ばれる者たちだったろうということなんです。例の、“讃・珍・済・興・武”のことですね。武満さんは、この“讃・珍・済・興・武”が誰であるか、それぞれがどの巨大古墳に葬られたのかを、ほぼ特定しています。

ただしその中で、古墳から推測されることと『宋書倭国伝』の内容は一致するが、この二つと『日本書紀』に書かれていることは符合しないそうです。そう考えると、やはり藤原氏はヤマト建国に関わるなにがしかを隠さなければならなかったんでしょう。

そんな事をするから、日本人は古くから、自分の国の起こりを知ることができませんでした。それが最近、いろいろな人の努力の積み重ねで、少しずつ明らかになりつつあるんですね。ありがたい話です。だけど、私が死ぬまでに、その全貌が明らかにされるかな。自分じゃどうにもできないので、武光さんのような方々に、頑張ってもらいたいな。

吉備の最有力氏族だった物部氏が、纏向におけるヤマト政権の旗揚げに強く関わったというのは、やはり間違いないようですね。ただ、纏向という新たな土地の首長は、吉備を出てきた自分と吉備にとどまった首長たちとを区別するために、吉備時代の墳丘墓に手を加えて前方後円墳という新たな首長墓としたと、武光さんは言います。

ただ、その旗揚げに、いろいろな地域の人々が集まっています。いろいろな地域から人が集まっていることが、そこから出土する土器の種類で分かってるんですね。ヤマト以外の地域の土器の割合は、東海四九%、山陰・北陸一七%、河内一〇%、吉備七%、関東五%、近江五%、西部瀬戸内三%、播磨三%、紀伊一%だそうです。

物部氏が主導的な役割を果たしたのは間違いないでしょうが、この土器のことなどを考えると、武光さんの説はまだまだ説得力にかける気がします。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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