めんどくせぇことばかり 『日本の民族信仰を知るための30章』 八木透
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『日本の民族信仰を知るための30章』 八木透

自治会長にとって、神社の行事はとっても大変です。

おそらく少し前まで、自治会の活動と神社の関わりは密接不可分だったんです。だから、会計を一つにしていても、何ら問題なかったんでしょう。でも今はどんなもんでしょうねえ。古くからの人はそれを当然のこととしていますから、自治会費から神社の運営や行事に支出するのは当然のことなんです。そこで神様を祀ることが、地域の紐帯そのものなんですから。

だけど、新しく越してきた人たちなんかにしてみれば、それはけっして当たり前のことじゃないわけです。この地域では、表立った反対の声が上がっているわけじゃありませんが、このご時世から言えば、時間の問題でしょう。でもねぇ、神社の行事なんて言ったって、その紐帯を受け継いでいくことが行事の目的そのものなんですよ。お父さんたちは酒のんで赤ら顔して、お母さんたちはお喋りの興じて、子どもたちにはおみやげを渡して遊ばしておくんです。それそのものが目的なんです。

神さまは、みんながそうしているのを眺めて、「これなら大丈夫」ってにこにこしてるんだと思うんです。・・・ダメですか?

先日の、御即位関連行事。ずいぶんと政教分離の原則っていうのに神経を使ってますね。上皇様の即位のときには、だいぶ裁判沙汰に持ち込んだ人が多かったんだそうですね。政教分離の原則に関わる捉え方が間違ってます。人間の言うこと為すこと背景にゴッドとの関連があることは、ゴッドを信仰するすべての人の常識ですから、ゴッドを政治の場から排除しろなんて誰が言いますか。この原則は、けっして新教を信仰することを禁止しない、相手の信仰を邪魔しないというのが本意でしょ。

新しく入ってきた人たちも、赤ら顔での飲み会に、お喋りの場に、なんとか参加してくれないかな~。今はもう、かつての村のように外の人をどうこうするなんてことはまったくありません。一緒に神社ごとをやっていきたいって思ってるんです。神社ごとってのは、仲間になろうって思いそのものなんですから。



淡交社  ¥ 1,980

四季のまつりや、年中行事を通して、その背後に見え隠れする仏や神について
春(旧暦と新暦;めぐり巡礼と御朱印 ほか)
夏(茅の輪くぐりでケガレを祓う;祇園祭をめぐる二つの謎 ほか)
秋(津軽岩木山信仰とお山参詣;重陽は菊花の節供 ほか)
冬(師走の仏名会と節季候;討伐され祀られる鬼たち ほか)

端午の節句に鯉のぼりをあげますが、言われてみれば、魚に空を泳がせるっていうのは、どうも不思議な風習ですね。

3月3日の上巳の節句、桃の節句は女の子の成長を祝う節句で、端午の節句は男の子の成長を祝う節句ですね。粽を食べたり、武者人形を飾ったりします。うちの長男には、団地用の鯉のぼりしか揚げてやれなかったので、武者人形はそれなりのを飾りました。それから菖蒲を風呂に浮かべましたね。

どうもこの日、かつては「女の家」と呼ばれていたらしいんです。旧暦の5月は田植えのための重要な月で、田植えを行う早乙女たちがHな田の神を迎えるための忌み籠もりして精進潔斎する日、女は働かなくてもいい日だったらしいんです。それがどうして男の子の成長を祝う日になったんでしょう。

節句は、奇数が重なる厄が強くなる日なので、強い植物の力を借りて厄を払う日です。上巳の節句では桃の、端午の節句では菖蒲の力を借りるんですね。結局、その菖蒲の節句が勝負の節句、さらには尚武の節句にすり替えられたということなんです。そうして、もとは女の日であったものが、男の子の節句に置き換えられてらしいです。

日本らしいですね。ここにも“言葉の力”が働いてます。

だけど、まだまだ、魚が空を泳ぐことにはなりません。鯉のぼりが生まれたのは、江戸時代の末だと言います。いつしか尚武を事とする武士の子の成長を祈る日になった端午の節句には、武士が戦場に掲げた幟旗が掲げられるようになったそうです。同時にこの日に掲げられた武者絵には滝を遡って龍になると言われる龍の絵が、縁起がいいと飾られたのかも知れません。この鯉の絵を鯉のぼりに結びつけたのは、戦場で軍の陣地を表す標識とされた吹き流しだろうと言います。吹き流しは今でも鯉のぼりたちの第一番目に掲げられますね。

そう、宗教には関係ないかに思われる端午の節句だって、民間信仰にほかならないんですから。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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