めんどくせぇことばかり 『日本人として』 倉本聰
FC2ブログ

『日本人として』 倉本聰

朝、走ってる。

5時頃、まだまだ暗い町に出て、今年になってLEDライトに付け替えられた街灯に照らされた道を、できる限り選んで走る。その白い光はずいぶん遠くまで届く。しかし、明け方の、まだ暗い町には、オレンジ色の灯りもある。家の玄関先を照らしている、ホッとするような優しい灯りである。

白い光とオレンジ色の灯りの中を走る。たまには最低限の明るささえないところを走ることもあるので、懐中電灯を持っていく。懐中電灯は、自分の足元を照らすことももちろんあるが、それ以上に、自分の存在を車の運転手に伝えることに、より高い必要性がある。

大きな交差点が近づいた。私がそこに到着する頃、信号はちょうど青で、私はそこで止まらずに交差点を渡ることができそうだ。信号が青に変わった、向こう側でそれを待っていた車が二台、信号を直進し私とすれ違う。交差点に踏み出す。斜め後ろから右折車が来ている。私は懐中電灯をそちらに向けて上下させ、私の存在を伝える。ところがその車は、止まろうと減速するどころか、先に行こうとアクセルを踏んだ。横断歩道のちょうど真ん中あたりでたたらを踏んだ私の前を車が通り過ぎる。私は悔し紛れに懐中電灯を運転手の顔に向ける。懐中電灯と言ってもサイクリング用の強力ライトなので、横から当てられてもそれなりに眩しかったはず。若いお姉さんだった。さらに走り去る車の後ろ姿に、懐中電灯を向けた。

こんな早くに仕事に行くんだろうか。それとも始発電車で出かけた家族を駅まで送っていった帰りだろうか。お父さんを駅まで送ったお母さんかも知れない。家には子どもがひとりで寝ているのかも知れない。だいたい、こんな明け方に走っているやつなんて、暇に決まっている。私が止まって、先に車を通せばよかった。いい歳をして、私のやっていることは、薄らみっともなかった。今日は、家に帰って玄関先の落ち葉掃きをする時、両隣の分も掃いておこう。
倉本さん同様、《お笑いタレントが席巻する騒がしく軽薄なおふざけ番組》が、私も嫌いです。

倉本さんは、《俗悪タレント、俗悪プロデューサー、俗悪ディレクター、俗悪テレビ局が、あたかもこの国をどこまで下げられるかと競い合うかの如く、言葉・行動・態度・礼儀、あらゆるこの国の良俗を破壊》している状況に、同じ放送人として穴があったら入りたいと思っているそうです。私は放送人ではありませんが、本当にひどいもんだと思っています。



財界研究所  ¥ 1,650

日本人は一体どうなってしまったのだろう。絆という言葉はどこへ行ったのだろう
覚悟
馴れる
ゴミに非ず
一億総懴悔
70センチ四方
断捨離
夜鳴きゼミ
マグロ
卑怯の原点
不都合な真実
ほか


だけど、相容れない部分も少なくない。

とても残念だけど、倉本さんのものの考え方は、イデオロギーが先行しているように思います。

日本国憲法第九条が、ノーベル平和賞の候補としてノミネートされたという事に関する見解には、まさにそれを感じさせられました。ノーベル賞というものそのものに関しても、考えるべきことは数々あると思いますが、中でも平和賞というのはひどすぎます。

アル・ゴアが受賞したときは呆れ果てましたが、その後もオバマ米大統領が受賞したり、核兵器廃絶国際キャンペーンとかっていう団体が受賞したり、政治的にはリベラルの立場が優先されているようです。

九条のノミネートに関しては、神奈川県の主婦が思いつき、ノーベル委員会にメールを送ったのが発端らしいと倉本さんは書いています。候補となったことだけで、倉本さんはワクワクするんだそうです。憲法九条を見直そうという動きのある日本の識者がどんな顔をし、どんな発言をし、どんな行動を取るかを想像するだけで、ワクワクするんだそうです。

もしも受賞した場合、安倍首相はオスロで授賞式に出席することはできないだろうから、「天皇陛下に言っていただくしかあるまい」と“不敬の民”である倉本さんは結論を出したんだそうです。

大変残念です。ものすごく、政治的なお考えだと思います。

そして、そのコラムの最後で、《絶対的な座標軸として不戦の記録を更新すべきである》と雄々しく宣言します。

どうも、一つお忘れです。前の時の戦争にも相手がありました。そして、再び日本が戦争に巻き込まれることがあるとしたら、その時も、必ず相手があるということです。

そこことと憲法九条の関係を考えるなら、九条が戦争を避けるために有効に作用するであろうというお考えは、妄想です。お隣の玄関先でも掃いていた方がよろしいかと思います。




関連記事

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事