めんどくせぇことばかり 祖先崇拝『日本人は本当に無宗教なのか』 礫川全次
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祖先崇拝『日本人は本当に無宗教なのか』 礫川全次

次兄の長男の結婚に際し、親族で集まって食事会を催した。

私は男だけ三人兄弟の三番目。私たち兄弟には合わせて七人の子があり、ここに来てバタバタと結婚が続き、これから披露宴を催す二組を合わせて、すべてが結婚したことになる。すでに孫世代は4人で、どんどん増えるだろう。その4人でさえ、宴席を走り回り、大人を引きずり回している。・・・この先どうなることやら。

前にも書いたが、私たち父母が、私たちの子どもが、父母の孫がまだ幼い頃、勢揃いしてはしゃぎまわるのを見て、「こういう楽しかったことを覚えてくれていればいい」と目を細めていたのを思い出す。

父母も、食事会の、あの場にいて、喜んでいてくれていたと信じる。これが私の信仰だ。

その食事会に出席するために、滋賀県の会社で働いている長男が、連れ合いを連れて埼玉まで帰ってきていた。そして食事会の翌日、また滋賀県に帰った。帰る前に、夫婦で仏壇に手を合わせていった。以前から、事あるごとに、仏壇の前に座らせていたので、今では自然にそうしている。長男の連れ合いの行動も不自然さはない。

あれらがもし、宗教を問われる機会があったら、無宗教であると答えるんだろうか。私から見れば、十分宗教的な行動に見えるんだけど。

さてこの本、まだ読み終わってないんだけど、私の中で予想外の展開を見せている。当初、日本人の持つきわめて宗教的な一面を立証していく本であろうと思っていた。しかし、読み始めてみると、戦国時代あたりからの、日本人の宗教感の移り変わりを追いかけていっている。様々な文献を取り上げてね。

その中で、本居宣長の皇国史観や、平田篤胤の復古神道、さらには水戸学が明治だけでなく昭和にまで影響を与えていることなども取り上げられている。それが私には、思わぬ展開だった。それについては、また、読み終わってからまとめてみたい。



平凡社  ¥ 924

かつての日本では、宗教と習俗とが人々の心を支え、社会や共同体を支えていた
第1章 かつての日本人は宗教的だった
第2章 近世における「反宗教」と「脱宗教」
第3章 本居宣長と平田篤胤の思想
第4章 幕末に生じた宗教上の出来事
第5章 明治政府は宗教をいかに扱ったか
第6章 明治期における宗教論と道徳論
第7章 昭和前期の宗教弾圧と習俗への干渉
終章 改めて日本人の「無宗教」とは


今昔物語に、あの世に行って戻ってきた男の話があるそうだ。男はあの世で地獄の責め苦に会う父にあっている。なぜそんな責め苦にあっているのか尋ねると、父が言うんだ。「自分は生前、詐欺に、ゆすりたかりのような真似を働いた。人のものを奪い取ったり、他の女を犯しもした。父母に孝行もせず、目上の者を敬いもしなかった」

さらに続く。「だからこんな、いつ終わるとも知れない責苦にあっている。お前は帰って、私のために仏像を作り、お経を写して、私の罪を除くようにしてもらいたい」

どの面下げてそんなことが言えるんだと思ってしまう。

平安末期の仏教説話というものだそうだ。仏教は、日本人の信仰心象に大きな影響を残したが、仏教以前の日本人の信仰を塗り替えることは、結局できなかった。本来の仏教からはかけ離れた“日本的仏教”になったわけだ。たとえば、これも日本人に古くからあった先祖祭祀が取り入れられている。そう言った仏教以前の日本人の信仰を取り入れなければ、仏教は根づけなかったわけだ。

フランシスコ・ザビエルが友人に送った手紙に、日本人の信仰心象について語ったものがあるそうだ。キリスト教では、一旦地獄に堕ちた人はもはやそこから救われることはない。ザビエルにあってキリスト教に帰依した日本人の信者たちは、キリスト教に帰依することなく亡くなった、つまりは地獄に堕ちているはずの両親はじめ、妻子や祖先への愛ゆえに、嘆き悲しむ。その悲しむ様子があまりにも哀れで可愛そうだと、ザビエルが友人に書き送っているそうだ。

哀れな信者たちがザビエルに頼むんだそうだ。なんとか、地獄に堕ちたものを助ける方法はないかと。ザビエルは、助ける方法はないと答えるばかりだと書き送っているそうだ。なんだか意地悪だな。

だけど、ザビエルはカトリックだから、煉獄があるはずだ。地獄は神から永遠に離れ、永遠の責め苦を受ける状態。煉獄はちょっとだけ悪いことをしちゃったやつが、お清めのために行くところ。そのあたりを上手く利用して、信者の死んだ家族くらい救ってくれればいいのにね。

日本人は、神さまよりも死んだ父や母に見守られてると思ったほうが、心安らかでいられるんだからさ。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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