めんどくせぇことばかり 『ヒマラヤ 生と死の物語』 池田常道
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『ヒマラヤ 生と死の物語』 池田常道

なぜそこまでするのか?

私は、分からない側の人間。山で痛い思いをしたくはないし、寒い思いもしたくはない。・・・できるだけ。

股関節変形症でいったんは山をあきらめ、手術を受けて二十数年ぶりに再開したが、再開して以降はその気持ちがさらに強い。二十代終盤にマッターホルンにさそわらたけど、金の心配と準備のめんどくささで簡単に断ってたからな。山においてそこまでの高みを目指そうという気持ちは、もともと持ち合わせていないと言うこと。

今年の箱根駅伝では、たくさんの記録が出た。いくつかの区では、一人だけじゃなく、数人が区間記録を出していた。一体何なんだと思ったら、選手のみんなの履いている靴に言及している声があった。たしかに、・・・なんだろうあの厚底靴は。

厚底靴はナイキの靴で、ヴェイパーフライネクスト%って言う靴だそうだ。カーボンの反発で楽にスピードを出せるんだそうだ。たしかに多くの選手が履いているようだけど、この記録ずくめの箱根駅伝は、ナイキの靴あってこそって言うことなんだろうか。

だけど、大迫傑がそれについてコメントをツイッターに残したそうだ。「ベイパーも勿論凄いけど、やっぱり選手の能力、そして沢山まじめに練習したからこその好記録だと思います」ということだ。

たしかに、記録の出にくい1区でも区間記録に近いタイムが出たと言うことは、選手たちが気迫が感じられる。オリンピックイヤーと言うこと、さらに箱根OBがマラソン代表に選ばれたことが、選手たちのモチベーションを高めているんじゃないかと思う。

ただ、そのように言う大迫選手もナイキ所属なんだとか。ナイキは、もとはアシックスの販売代理店。そこから共同開発を通してアシックスのノウハウを身につけて独立した会社。まったく、うまくやられたわけだ。

それはともかく、ナイキが大迫のような選手を所属として抱えるのは、やはり、彼ら一流選手の意見がシューズ開発に大きな影響を与えるからだ。

山の道具でも同じ。私のような、あまり小物にこだわらない人間でも、いい山の道具は欲しい。実際、30代前半から山を離れて50代後半まで、道具の進歩には本当に驚かされた。そういう道具の進歩には、この本にあるような人たちが山を開拓していく中で、様々な登攀用具が開発されていき、それが国内の山々にもフィードバックされていく。




山と渓谷社  ¥ 1,760

奇跡の生還と遭難の悲劇。 生死を問わず困難に立ち向かった人間の物語
第1章 マロリー、アーヴィンの謎 世界最高峰は登られたのか
第2章 ジルバーザッテルの敗退
ナンガ・パルバットの血塗られた歴史
第3章 人類初という栄光の陰に
アンナプルナ初登頂物語は悲惨な逃避行だった
第4章 最終キャンプからの救出行
嵐のK2ハイキャンプから友を助けるための決死の救出劇
第5章 メスナー兄弟、生還への遠い道
ナンガ・パルバット、未知の谷への下山
第6章 人喰い鬼からの脱出
未踏の岩峰、バインター・ブラック初登頂後の苦闘の記録
第7章 ミニヤコンカ奇跡の生還
友を失い孤立無援となったクライマーが見せた生への周年
第8章 日本人エヴェレスト無酸素初登頂の葛藤
日本人初を争う結果、生死を分けたものは何だったのか
第9章 ブラックサマーの生存者 K2最終キャンプで嵐にあった7人の生と死
第10章 6000mの宙吊り
トランゴタワー頂上直下に宙吊りになった友の救出劇
第11章 公募登山隊の破綻 エベレストガイド登山の落とし穴
第12章 7400mの国際救助隊
人命救助のためにアンナプルナ南壁に集った国際クライマー集
第13章 ギャチュン・カンの奇跡 嵐につかまった山野井夫妻の生への執念



自分で行こうとは思わないけど、映像で一を寄せ付けない山々の様子を見るのは好きだ。見るのは好きだというのも無責任な話で、それをカメラに収めに、危険を冒している人がいるわけだからね。まあ、私のような人間がいるからこそ、それらの人も、山に関わることが生きるよすがにもなり得るんだろうけど。

ドキドキ、いろいろなことにときめきながら毎日を送れたらいいですよね。ドキドキときめくというのは、いわば、心拍数が上がるということ。その心拍数が上がる感覚がドキドキかんなわけだから、心拍数の上がりやすい一ほどときめくような毎日を送りやすいと言うことになる。

どうやら私は、幸運にも心拍数の上がりやすいタイプのようだ。これまでの人生を振り返ってみても、すぐいろいろな女の人にドキドキしてしまう。惚れっぽいというのかな。

そういう観点からすると、この本に出てくるような、危険をも顧みず、自分の命を燃やし尽くして未踏峰に挑む人たちというのは、もしかしたら心拍数が上がり憎いところがあるのかもしれない。

それが、生きるか死ぬかの挑戦の中で感じるドキドキしたときめきに引きつけられたとき、もう、それこそが自分の人生の喜びと感じても決しておかしくない。

私が近所の山を歩きながら、ちょっとした風景にドキドキしているのは、未踏峰に挑むような人たちが通常ではたどり着けない絶景に臨んでドキドキしているのと、基本的に変わりない。

きっとね。

さて、そろそろ今年最初のお山に出かけようと思うんだけど、そのまえにこの酒気を抜かないと。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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