めんどくせぇことばかり 『ヤマンタカ 大菩薩峠血風録』 夢枕獏
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『ヤマンタカ 大菩薩峠血風録』 夢枕獏

この間、古本屋さんで買ってきた。
いや、もともとは2016年に出た本なんだけど、文庫本は出たばっかり。私が古本屋で買ってきたのは右の、2016年の本。556ページの分厚い本だから、少しずつゆっくり読もうと思ってたんだけど、あんまり面白くって、結局一気に読んでしまった。

戦いの書き方が、夢枕獏さんはうまいね。

ずいぶん前、まだ脚の手術をする前だな。『東天の獅子 天の巻』(全4巻)っていうのを読んだ。面白かったなー。明治維新後、柔術が柔道に生まれ変わっていく過程とそこに居合わせた武人たち、講道館四天王の葛藤と成長を中心に綴った物語。

明治時代という、生まれ変わった若さに満ちた時代。武道の世界も生まれ変わらなければならなかった。この時代の葛藤っていうのは、本当、エネルギーを生み出すマグマだまりっていうか、溶鉱炉というか、そういう力を感じる。ある意味では、とてもうらやましい時代でもある。

夢枕さんを追いかけて読んでるわけじゃないので、それ以外の格闘者は読んでないんだけど、『東天の獅子』の格闘シーンっていうのは、やっぱり『ヤマンタカ』の格闘シーンに通じるものがある。

『ヤマンタカ』の中の格闘シーン、・・・格闘シーンというか、机竜之介によって人が命を奪われていく様子の書き方がすごいんだ。

それを読むと、まるで、机竜之介の振るった剣が、自分の体に入ってきて、知らず知らず意識が遠のき、自分が生を放棄していくかのような感覚になるんだ。



『ヤマンタカ 大菩薩峠血風録』    夢枕獏


角川文庫  上下巻共 ¥ 968

人間の欲望や本能を突き付けられる、熱き剣豪小説。
序の巻 外道の贄
巻の一 大菩薩峠
巻の二 天然理心流
巻の三 日野の渡し
巻の四 日野宿争乱
巻の五 怪士の剣
巻の六 御岳山
巻の七 因縁菩薩
巻の八 魔性の剣
巻の九 異形菩薩
巻の十 試合前夜
巻の十一 奉納試合
巻の十二 秘剣の秘密
巻の十三 大菩薩峠
転の巻 大乗の剣


中でも、《巻の一 大菩薩峠》で、なんの落ち度もない老巡礼が、たまたまであった机竜之介に、大菩薩峠で切られる。巡礼の死はあまりにも唐突で、無意味で、それだけに絶望的だ。

ところが、・・・だ。

意味もなく切られる老巡礼が、ある意味ではそれを受け入れているのだ。その描写は強烈でさえある。そのシーンは23ページに出てくる。

私は、そこで持って行かれた。後は一気読みだ。

実は、私は『大菩薩峠』という本を読んでない。ずいぶん長い話だそうだ。夢枕さんも冒頭部分くらいで全部は読んでないそうだ。

この小説の題名は『ヤマンタカ』だが、これは『宮本武蔵』が『バガボンド』に再構成されたように、『大菩薩峠』が『ヤマンタカ』二再構成されたもののようだ。“ヤマンタカ”とは、大威徳明王、「閻魔を殺すもの」という恐ろしい意味を持つ密教界最強の尊神だそうだ。

昨年の9月、大菩薩峠に行った。IMG_5182_2020012717592450e.jpg
昨年9月、大菩薩峠から取った富士山。青梅街道を小菅に抜けて、大菩薩峠を目指した。おそらく
、この本の中で机竜之介や土方歳三が通った路と同じ。

途中、急斜面の細い巻き道を進むようなところもある。これが甲州裏街道といわれる道だったんだな。秋、また歩いてみたいな。・・・机竜之介が歩いた道だと承知の上で。



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ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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