めんどくせぇことばかり 『「日本国紀」の天皇論』 百田尚樹
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『「日本国紀」の天皇論』 百田尚樹

相変わらず穢い相撲を取る。・・・白鳳ね。あれは張り手じゃなくて、掌底。旭道三がやってたやつだ。

本当だ。文科大臣が替わるたびに、教育勅語に関する質問をして、虎視眈々と揚げ足を取ろうとしているんだ。

昨年9月に行なわれた萩生田光一文科大臣の就任記者会見でも、教育勅語に関する質問を受けていた。大臣の回答を紹介しておく。

《教育勅語はもう既に日本国憲法及び基本法の制定をもってですね、法制上の効力は喪失をしている、その内容について政府としてコメントするのは差し控えたいなと思っています。私個人がどうかと言えば、今申し上げたように既に効力を失った文章であります。ただ、現代文に直したときに、例えば、親孝行だとか友達を大切にするとか、日々の暮らしの中で一つ参考になることもあるなと個人的には思います》

残念、本当の気持ちを聞かせてよ。

教育勅語は、いいことが書かれている。いいことが書かれているが、道徳の問題を君主が命令したことが問題だというのが、教育勅語を廃止に追い込んだ羽仁五郎の言い分だ。いいことが書かれているんだよ。なんて言ったって、「父母に孝に、兄弟に友に、夫婦相和し、朋友相信じ、恭儉己れを持し、博愛衆に及ぼし、學を修め、業を習い、以て智能を啓發し、德器を成就し、進て公益を廣め、世務を開き、常に國憲を重し國法に遵い、一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壤無窮の皇運を扶翼すべし」だからね。「夫婦相和し」なんて、長く日本をむしばんだ儒教道徳さえ克服している。

いいこと言ってるんだよ。羽仁五郎の言うとおり。あとは、これが君主の命令であったかどうか。その部分、有本さんが言っている。まずは明治初年の欧化主義思想が取り入れられて従来の儒教道徳と衝突したんですね。地方長官会議でも徳育の根本方針を示して欲しいという要望が出る。

政府がこれに応えるんだけど、最初の勅語はあまりにもキリスト教に偏ったもので、結局、井上毅が原案を起草することになったそうだ。原案を起草した井上毅は、この教育に関する勅語を君主の個人的な著作扱いにすべきだとし、さらに、権力を背景とした、上からの押し付けにならないように配慮した。立憲国家においては、君主は臣民の良心や自由に干渉しないのが建前。新たな立憲国家を立てた明治の日本は、そのことにこだわりを持ってたんだな。だから、他の勅語と違って、教育勅語は政治的勅語という形を取ってない。大臣の副書もつけず、内閣や文部省を経由していないんだな。

だから、これは明治天皇の気持ちなんだ。「こういう国を、私は臣民とともに作りたい」ってね。そんなわけで、決して道徳の問題を君主が命令して押しつけたわけじゃないんだな。この教育勅語って言うのは。

頭のいい人だから、羽仁五郎はそんなこと分かっていて、日本をそれまでの日本ではない外国のような国にしようと思って、教育勅語をつぶしたんだろうけどね。





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『日本国紀』の著者が、日本の歴史に浮かび上がる「天皇」について語り尽くす
序章 日本にとって「天皇」とは何か
第1章 天皇の権威と万世一系
第2章 万世一系のすごさ
第3章 歴代天皇の大御心
第4章 消された絆
第5章 天皇を教えない教科書
第6章 令和の国体論
第7章 聖域と祈り


戦後の占領の中、日本政府はなんとか教育勅語を守ろうと必死になっていた。敗戦という未曾有の危機の中でこそ、教育勅語の重要性はより増していると考えていた。

しかし、GHQは10月13日指令に端を発して、日本の教育制度に手を突っ込んでくる。日本軍の武装解除を待って、日本を根底から作り替えようという暴挙に出た。12月にかけての教育に関する四大指令では全教育従事者の思想調査と排除、教育内容の大幅な変更が行なわれた。四大指令が破壊したのは、軍国主義ではなく日本の「歴史・文化・伝統に基づいた教育」であった。

教育勅語は、廃止前にズタズタにされていた。にもかかわらず教育勅語が廃止されたのは、そのような状態が占領終了後も永続されることを目論んでのことである。

教育勅語は追い込まれていく。

昭和21年7月10日、民間情報教育局(CIE)宗教部WKバンスが同局教育部ジョージ中尉に対し、教育勅語の『危険性』に言及した。

「教育勅語は日本人のラジカル(即ち民主的)な傾向を押さえ込む目的で書かれた儒教的な文章である」
「国家神道の聖書だ」
「軍国主義者たちや国粋主義者たちは、この勅語から(戦争遂行の)精神的弾薬を得ていたのだ」
などと私見を述べた上で、教育勅語の廃止を提言している。
「どんなに広く解釈しても、教育勅語は新しい憲法草案の精神から外れている。・・公立学校で読み上げられるべきではないし、ましてや、教科書に入れられるべきではない。大学では歴史的文書として組み入れられてもよいが・・。」

GHQの情報教育局(CIE)教育部アイリーン・ドノバン(婦人教育担当)は、8月6日、オア教育部長に「教育勅語廃止」を提言した『ドノバン・メモ』を送った。

『ドノバン・メモ』
「教育勅語をどう扱うべきかについて、日本民族の心の中に、そしてGHQにも混乱が生じている。これは直ちに解決されるべき重大問題だ。我々の勅語政策の発表が九ヶ月も遅れたことで、既に難しい事態が生じている。・・この勅語は、極度の西洋化に対する恐怖感から生まれたものである。・・百三十語の漢字からなる勅語は日本民族主義のマグナ・カルタ(大憲章)であり、軍国主義者や超国家主義者の行動の源になったものである」
「より直接的な危険は、“一旦緩急あれば義勇公に奉じ以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし”という言葉の中にある」
「日本人の道徳・倫理の目的は皇室の繁栄のためだけにある」
「これは新憲法の精神である一個人の権利という考え方と完全に食い違うものだ」


最後に教育勅語にとどめを刺したのが、GHQ民政局課長のチャールズ・L・ケーディスである。日本をニューディールの第二実験場にしようという傍らで、鳥尾鶴代という愛人と楽しくやっていていたことがアメリカの奥さんにばれて、離婚されちゃった奴だ。


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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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