めんどくせぇことばかり 『日本を創った12人』 堺屋太一
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『日本を創った12人』 堺屋太一

2019年7月に、日本政府による韓国向け輸出管理の強化措置に対して、釜山の日本領事館に不法侵入して抗議を行なった韓国人学生7人に対し、韓国の裁判所は事実上の無罪判決を下したそうだ。

その理由が面白い。彼らの行動が《国民の共感を得た》というのだ。国民全体が罪人根性か。

一連の裁判では、被告らは日本がいかに悪辣であるかをアピールし、「青年として、しなければならない正しい行動をしただけだ」と犯罪行為を正当化したそうだ。傍聴席のほとんどを占有したのは被告らの支援者で、被告らの発言のたびに拍手や歓声を送っていたそうだ。裁判官が退廷を命じるでもなく裁判は続けられたそうだが、そんな裁判があり得るのは、おそらく韓国だけだな。
https://www.fnn.jp/articles/-/27862


国民性というものがある。

それは歴史の中で、さまざまな国民的経験の中で形成されてきたものだろう。それは時に、国際関係の中で強みとして働くこともあり、また、弱みとして働くこともある。だから、できることなら、強みとして働く部分は生かしつつ、弱みとして働く部分を修正していきたいもんだ。

それをしてこそ、歴史を学ぶ意義がある。

仏教は、鎮護国家の宗教として日本に入った。やがて貴族たちの宗教となり、知識階級の宗教となり、広く民衆を巻き込んだ宗教となっていく。その過程で、浄土建築の阿弥陀堂を建てることのできる貴族たちだけでなく、仏教の修行に邁進する僧侶だけでなく、誰だって仏になれる素質を持っているという考え方が取り入れられていく。

もとは、“中国”の道教の思想と仏教が融合したものらしいが、それが日本で受容、発展していくことになる。なにしろ、“草木国土悉皆成仏”っていうんだからすごい。「誰もが仏性をもっていて、成仏できる。草や木、さらには石ころまで」ですからね。





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何を守り、何を切り捨てるか。その選択が日本と日本人の未来を決める
石田梅岩
大久保利通
渋沢栄一
マッカーサー
池田勇人
松下幸之助


戦国から江戸初期の僧侶、鈴木正三も、“悉皆仏性”の人。その仏性に磨きをかければ、誰だって成仏できる。僧侶は僧侶なりに、百姓は百姓なりの磨き方がある。もちろん、職人にだって職人なりの磨き方があるわけで、高い技能を身につけるために、ひたすら、「汗を流す」わけだ。

石田梅岩が生きた江戸時代、戦国が終わり幕藩体制が確立されていく。当初、戦争に傾けられた人財や資源が、民政のために使われるようになり、民政産業が急速に発展する。武士の社会を考えれば、戦いのない時代に入ったので、もはや成長は考えられない。一方、最初の百年、経済社会は急速に発展する。武士の子弟にも経済界に転身するものがあり、さらなる成長を促進した。

しかし、海外に商品を輸出する余地のない時代、生産は必ず行き詰まる。石田梅岩が生きたのは、ちょうどそんな時代だった。

梅岩が説いたのは、勤勉と倹約を両立させることだった。その根源は、彼独自の考えである“諸業即修行”にあるという。勤勉に働くことは、そのまま人生の修行であるという考え方。諸業、つまり百姓なら農業、商人なら商い、職人なら物作り、それを賢明に取り組めば自らの人格が形成される。

まさに鈴木正三の成仏への道が、人格の形成に置き換えられたもの。良い人生を生きる道を説いたものとなった。

キリスト教社会やイスラム教社会の勤勉は、やがて財を成し名をあげて、人生を楽しむという目的を持つ。朱子学の勤勉は、知識や学問に取り組む勤勉であって、かえって生産活動を低く見た。

清貧はカトリックの中心思想だが、あくまで神に仕えることを重視するのであって、懸命に働くことを求めるものではない。やがて、勤勉を優先して清貧を捨てるのがカルヴァン派だ。

「生産活動に勤勉であれば人格が形成される」という考えは、「人格が立派であれば勤勉に仕事をしているはず」という推論を産む。人格を、仕事で証明する必要が生まれ、細部まで心遣いの行き届いた仕事を志すことになる。日本人の仕事に対する信頼が高くなるという点に関しては、強みである。強みであるが、そこまで仕事をすれば値段が上がる。値段を上げてまで、細部にこだわる必要があるのかということにもなる。

さらに、「丁寧でない仕事をする人間は人格が下劣だ」という考えにつながる可能性がある。細部にこだわるよりも価格の安さを優先したのかも知れないのに、それを人格と結びつけるのは、相手に対する失礼な侮りを産む。

石田梅岩の思想が日本人に与えた影響は大きい。その良いところと悪いところ、しっかり見つめ直す必要がありそう。


韓国の人たちも、自分たちの国民性を見つめ直してもらいたいところだけど、その希は薄そうだ。


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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