めんどくせぇことばかり 『日本人の誇り』 藤原正彦
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『日本人の誇り』 藤原正彦

浅ましい事例がたくさん出てきているなぁ。

教授に一人の感染者が出た女子大学の関係者が、たくさん嫌がらせされてるんだって。職員が保育所に子どもの預かりを拒否されたそうだ。附属高校の生徒まで、「コロナじゃないのか」とかって言われたらしい。「コロナ、コロナ」って指さされた生徒も。医療関係者がタクシーの乗車を拒否されたっていうのもあったな。京都産業大学は、火をつけるぞとか、殺すぞとか、感染した学生の住所を教えろなんて脅迫があったらしい。

昔から差別はあった。生きていくこと自体、大変な時代だ。それは朱子学的変見であったり、医学始め自然科学の認識が不十分だったことによる。今回も、「正しい情報をもっと流して欲しい」という声がある。タクシーの乗車拒否とか、保育所が子どもを預かってくれないというのは、もしかしたらこれにあたるかも知れない。だけど、多くの差別は、おそらくそれとは違うだろう。

だって今日、そんな情報、取ろうとすれば、いくらでも取れる。タクシー運転手と保育所は、それを怠った。怠慢だ。それを除く多くの差別は、どう考えればいいだろう。「コロナ、コロナ」にしろ、京都産業大学にしろ、どうせ名前も告げない卑怯者だろう?最初から、正しい理解をするつもりなんか、さらさらないと考えた方がすんなりしないか。

東日本大震災の時、福島から転居した家族のお子さんが「放射能が移る」と、ひどいことを言われたという。まちがいなく、その子の親が言っていた言葉だろう。『はだしのゲン』の時代の話だ。『はだしのゲン』の中沢さんは、2012年に73歳で亡くなったが、戦争時代に青春期を生きた私の母は、長く病と闘って70にならずに死んだ。・・・話を元に戻す。

人の痛みが分からない阿呆は、時空を越えるのかも知れない。原爆症がうつると思われた時と同じだ。この手の阿呆は、時空を越える。

時空は越えるが、名前すら名乗らないでそれだけの阿呆をさらすのは、かつてはなかった。江戸時代だってクズはいた。クズはいたが、名前すら名乗らないクズはいなかった。武士にだってクズはいた。いくらクズでも、恥をさらせば腹を切った。

今のクズは違う。


『日本人の誇り』    藤原正彦


文春新書  ¥ 858

国難の時代を生きる日本人に誇りと自信を与える、現代人必読の書
第1章 政治もモラルもなぜ崩壊したか
第2章 すばらしき日本文明
第3章 祖国への誇り
第4章 対中戦争の真実
第5章 「昭和史」ではわからない
第6章 日米戦争の語られざる本質
第7章 大敗北と大殊勲と
第8章 日本をとり戻すために


幕末から明治にかけて、日本を訪れた欧米人が残した見聞録にあたり、彼らがどう日本を捉えたかを著した本がある。渡辺京二さんの『逝きし世の面影』という。

藤原正彦さんもその本を読んだそうで、“労作”と評価したうえで、そこに書かれたいくつかを引用している。

「この国の人々の質朴な習俗とともに、その飾り気のなさを私は賛美する。この国土の豊かさを見、いたるところに満ちている子どもたちの愉しい笑い声を聞き、そしてどこにも悲惨なものを見いだすことができなかった私は、おお、神よ、この幸福な情景がいまや終わりを迎えようとしており、西洋の人々が彼らの重大な悪徳を持ち込もうとしているように思えてならない」

これは、アメリカ公使として来日したタウンゼント・ハリスの秘書として活躍したヒュースケンが残した日本観だそうだ。後に、攘夷派の襲撃で切り殺されてしまうヒュースケンだが、ヨーロッパの文明とはまったく違う方法で“幸福な情景”を作り上げた日本を、たしかに見つけていた。

大森貝塚を発掘したアメリカ人のエドワード・モースは、「貧乏人は存在するが、貧困は存在しない」と言ったそうだ。貧しくても、幸せなんだ。そういう価値観の見いだし方、残念ながらいまの日本人は失いつつあるかな。

子どもの頃、三男の私のはくズボンの膝は、間違いなくツギが当たっていた。「ボロは恥ずかしくない。だけど、不潔なのはダメ」って、母は洗濯が大変だった。

イギリス人の詩人エドウィン・アーノルドは、日本について「日本には、礼節によって生活を楽しいものにするという、普遍的な社会契約が存在する」と語ったそうだ。

さらにイギリス人の日本研究者バジル・チェンバレンは、「この国のあらゆる社会階級は社会的には比較的平等である。金持ちは高ぶらず、貧乏人は卑下しない。・・・本物の平等精神、われわれはみんな同じ人間だと心底から信じる心が、社会の隅々まで浸透しているのである」と記しているそうだ。

・・・いつの間に、人を見下すのが好きな人が増えちゃったんだろう。ヒュースケンの心配が、いまになって、本当になっちゃったみたいだな。



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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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