めんどくせぇことばかり 一寸法師『おとぎ話に隠された古代史の謎』 関裕二
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一寸法師『おとぎ話に隠された古代史の謎』 関裕二

金太郎こと坂田公時(金時)は66代一条天皇の時代、ちょうど1000年頃の人。

大江山の鬼、酒呑童子を退治したことで知られる、源頼光の四天王の一人。この話は山賊退治の話がおとぎ話になったという説が根強かったが、今では疫病説が有力だそうだ。疱瘡、天然痘らしい。

陰陽道では北東の方角を鬼門と称して忌み嫌う。ずいぶん早くに陰陽道が入ってきているが、日本では早くから、西北から吹く風を、悪い気を運んでくると信じられていた。菅原道真の祟りも、京の北西に現れた雷雲によってもたらされたとされているらしい。

都人にとって、大江山はまさに北西の方角にある。その大江山を通り越してさらにその先には朝鮮半島があって、実際、疫病は朝鮮半島からもたらされた。酒呑童子の説話によれば、彼らのねぐらは大江山の岩穴の先とされている。それはどこかというと、なんと竜宮だという。

竜宮の主は龍王、水の神。水の神である酒呑童子を退治するのが金太郎。陰陽五行によれば、金は水に克つ。それで公時が金時に変化したと。熊に乗っていたのはともかく、担いでいた鉞は、水に克つ金属。

金太郎は山姥の子としても知られる。山姥は人の子を喰う。だから大きな口をもっている。髪の毛の中にもう一つ口を隠している山姥もいる。山姥は多産でも知られ、さらに死んだあとは、屍から穀物やらの食べ物を生み出す。地母神の性格を持ち合わせている。

京都府福知山市大江山町に豊受大神社と皇大神社がある。祭神は、前が豊受大神、後が天照大神、つまり伊勢神宮の外宮と本宮のコンビになる。そして、こちらが豊受大神の故郷である。豊受大神は食物を司る神だから、これも地母神的性格を持っている。天から羽衣で舞い降り真名井で沐浴をした水に関わる。“トヨ”の名前は龍王の娘、豊玉姫にも符合する。水の神の“トヨ”は、食物の豊穣を表す“豊”と言うことか。

豊受大神は山姥的な豊穣の神であり、水の神でもあった。大江山の彼方の竜宮城とは、水の神であり、豊穣の神である豊受大神のいる場所だったと言うことか。




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おとぎ話は単なる童話ではなく、古代史の真相に行き着く「民族の記憶」である
第一章 おとぎ話と古代史の奇妙きてれつな関係の巻
第二章 浦島太郎と武内宿禰の謎の巻
第三章 『竹取物語』に隠された古代史の闇の巻
第四章 金太郎伝説と酒呑童子説話の裏側の巻
第五章 一寸法師と崇る水の神の巻
第六章 ヤマト建国とおとぎ話の不思議な関係の巻
第七章 因幡の白兎に隠された邪馬台国の巻
第八章 桃太郎と謎の吉備の巻
第九章 ヤマトタケルとヤマトの謎の巻
第十章 鶴の恩返し(鶴女房)の謎の巻
第十一章 天の羽衣伝承に残された謎の巻
第十二章 カゴメ歌の謎の巻
第十三章 伊勢神宮とトヨの秘密の巻





「お椀の舟に箸の櫂」、腰には針の刀を差していたっけ。

妻が40歳になっても子に恵まれないことから、夫婦は住吉大社に願をかけて子を授かる。ところが、一寸法師と名付けられて、いつまで経っても小さいままで成長しないその子を、夫婦は化け物だろうと考える。それを悟った一寸法師は、「お椀の舟に箸の櫂」で、京都に旅立つわけだ。

一寸法師、田螺長者、豆助、親指太郎、みんな小さい。みんな不思議な誕生秘話を持っていて、鬼を退治して、立派になる。

一寸法師は住吉大社が授けた子ども。住吉大社には、住吉大神が神功皇后と夫婦の秘め事を交わしたという伝承がある。そして神功皇后が産んだのが応神天皇ということになる。住吉大社に祀られる神は、日本を代表する海の神、底筒男命、中筒男命、そして神功皇后である。

応神天皇こと八幡神が祀られるのが宇佐神宮。八幡神は三歳の童子として、笹の葉の上に出現したという。宇佐の土着の信仰だった八幡神に、後から応神天皇が重ねられたものだそうだ。

この宇佐神宮最大の祭りに相撲が奉納されるという。東軍と西軍に分かれ、東軍圧勝ののち、後から現れる住吉さまが東軍をコテンパンにしてしまう。・・・これ、”住吉さま”と呼ばれている怨霊を鎮魂している.住吉の神は、歴史上の敗北者と言うことになる。応神天皇は化け物の類いとして生まれ、神功皇后とともに、恨みを抱いて九州をさまよったのか。

鹿児島神宮は大隅正八幡と呼ばれ、神社の裏には奈毛木(なげき)の杜という社があり、蛭子、不虞に産まれたため海に流された神が漂着した場所であるという。

高貴ではあるが、化け物の類いとされた子が捨てられ、海を漂流して漂着したのが九州の南部。神功皇后と息子の応神は、九州から攻め上がり、ヤマトの政敵を倒して勝者となる。まるで神武東征。

勝者になっては怨霊化するのがおかしい。北九州で強くなりすぎたトヨはヤマト政権から疎まれるようになり、やがて悲惨な末路を迎えているはず。なにしろ、西軍が負けそうなところに現れて、東軍力士をバッタバッタと投げ飛ばすほどやっつけないと気が済まないって言うんだから。

ともあれ、一寸法師のお母さんは住吉さまということは間違いなさそう。



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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