めんどくせぇことばかり 八岐大蛇『オオクニヌシ』 戸矢学
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八岐大蛇『オオクニヌシ』 戸矢学

東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな

半年ほど前、お隣の奥さんが脳溢血で倒れて救急車で運ばれた。症状はさほど重くはなく、リハビリもうまく行ったものの、以前のように一人で住むのは不安があるということで、少し離れたところに住む娘さん家族と同居することになった。お隣は空き家になってしまった。

今朝、ブロック越しに顔をのぞかせているあじさいが、色づき始めているのを見た。

梅雨入りも近い。


本来、神社ってのは、南を見てるんだそうだ。

9割が南向きって言うんだから、ほとんどと言っても良いだろう。太陽信仰に基づくという説、「天使は南面す」という周易由来の説、双方誤りではないと戸矢さんは言うが、それだけに“南向き”ってのは絶対的というわけでもない。つまり、それに勝る理由があれば、違う方向を向くこともある。

ところが出雲地方の主要な神社の多くは東を向いている。主要な神社の中で、南を向いている神社がある。それが出雲大社だそうだ。

出雲大社には、「オオクニヌシの霊異は京都亀岡の出雲大神宮から遷祀された」という伝承があるという。

出雲大社が正式な名称になったのは明治4年で、それ以前は杵築大社と呼ばれていたという。出雲神話では、オオクニヌシが国譲りを容認したのちに、その要望で建築された高楼が杵築大社ということになっている。社殿によれば32丈、97m。東大寺大仏殿がそのおよそ半分で、その後の立て替えで32丈が16丈に縮められ、現在はその半分になっているそうだ。あんまり高すぎて、何度も倒れたらしい。

その巨大さこそ、オオクニヌシの偉大さを表していたのだろう。

しかし、平安時代前期までは、出雲大社の祭神はオオクニヌシだったのだが、その後、1664年までスサノオが祭神だった。神仏習合で神宮寺となっていた寺が変更したらしい。江戸時代に出雲国造家が運動して、記紀の記述に従って、旧に復したという。

平安から江戸まで800年の間祭神だったスサノオは、大社本殿真後ろの素鵞社に祀られているそうだ。オオクニヌシはスサノオの娘スセリビメを妻としているので、オオクニヌシの出雲大社は、後からスサノオに見守られている。

出雲大社は巨大な注連縄が有名だ。注連縄は鎮座する神の偉大さを示すものではない。その神を祀る者たちの恐怖心、畏怖心の大きさを表すものだという。アマテラスは天岩戸に注連縄を張られてしまって、もう戻ることができなくなったそうだ。それが張られては入ることも出ることもできないという、封印の証し。




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出雲神話は何を隠蔽しているのか。最大の謎の神・オオクニヌシを解明する
第1章 「出雲の神社」に不思議な共通点―東の彼方に恋する神々
第2章 「出雲の地理」は今も昔も僻遠僻地―地の果てに流された大王
第3章 「出雲の祭祀」は特異なスタイル―封印された縄文信仰
第4章 「出雲神話」は、いずこの神話か―お伽噺の底深くに潜む史実


祀る側には、オオクニヌシは十分祟る可能性を持った神であるという意識があったということだ。「国譲り」という美名によって糊塗されているが、実際は「服属」であったろう。オオクニヌシを大社に祭りあげ、各地に盤踞したオオクニヌシの勢力を葬り去って、ヤマト政権は誕生した。

そこに生まれた恨みを鎮魂し、怨霊化を封じる社が出雲大社ということになる。

ヤマトタケルは父の景行天皇から熊襲討伐を命じられ、成し遂げて、戻るまもなく、今度は東征を命じられた。厳しい命令を嘆いて、伊勢神宮の斎宮を務める叔母の倭姫命を訪ねたヤマトタケルは、叔母から天叢雲剣を授けられる。この剣の名前は、ヤマトタケル東征の旅の中でのエピソードから、草薙剣と呼ばれるようになる。

第十代崇神天皇の時、八咫鏡と天叢雲剣が祟りをなしたので、皇居の外に祀ることにした。最初に檜原神社、さらには倭姫命によって伊勢神宮に祀られた。倭姫命は伊勢神宮における最初の斎宮となった。

斎宮となった倭姫命が仕えた神は誰か。八咫鏡はアマテラスの依り代。それでは天叢雲剣は誰の依り代か。天叢雲剣はスサノオがヤマタノオロチを倒したとき、その体内から現れたという。この時、スサノオは十握剣を以てオロチと戦った。十握剣が勝者スサノオの剣。天叢雲剣は敗者ヤマタノオロチの剣である。

記紀に、崇神天皇の時、ヤマトは流行病に悩まされ、なんと人口の半分が死んでしまったという。占ってみると、祟っているのはオオモノヌシでその子孫である大田田根子に祀らせれば、流行病は治まるという。その通り、オオモノヌシは三輪山を神体とする大神神社に祀られて鎮まった。そう言えば、オオモノヌシは百襲姫に小さな蛇の姿、つまりオロチとなって現れている。

ヤマタノオロチはオオモノヌシだったのか。多くの部族からなる賊衆の長か。ヤマタノオロチを部族連合と捉えれば、天叢雲剣はその首長の剣。連合体の中心地は大和。その元の首長はオオクニヌシ。後を引き継いだオオモノヌシがそのまま天叢雲剣を引き継いで、大和を切り開いた。

三輪山の神の姿は蛇。旧き神で、縄文の神で、祟る神。

まだ半分も読んでない段階。ものすごく面白いんだけど、話の展開が早く、めまぐるしく変わる。新たな内容に引き込まれる頃には、それまでに読んだことがどこかの置き忘れられてしまう。あとあと、戻ってこられるように、覚え書きに残した。

すでに関連が見い出せないような事が書かれているかも知れませんが、悪しからず。きっと、最後にはバラバラな事柄が、一つの結論に結びついていく。・・・と、いいんだけど。



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ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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