めんどくせぇことばかり 『誰にも相談できません』 高橋源一郎
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『誰にも相談できません』 高橋源一郎

8時半が、仕事開始の時間だった。

1年ちょっと前に、その仕事を辞めちゃったんだけどね。そのあとは、分刻みの時間に追われて仕事をした。格別強く意識したことはないんだけど、時間の制約から解放された今思い起こせば、確実に時間に追われていた。いつも追いかけられていた。

それは、仕事を終えて家に帰ったって同じ事。明日の朝、8時半に仕事が始まるんだから。

学生を終えて、仕事をするようになって、少しずつその仕事に慣れてくる。それは仕事の要領が分からず、時間に追い立てられるように仕事をしている状態から、要領を心得て時間にゆとりを持って仕事ができるようになる事を意味する。

ずっと、そういう人生を生きてきた。小学校の時からずっとだよね。自分じゃまだ分からないから、親や教師に追い立てられてね。

「早くごはん食べろ」、「教室に入れ」、「時間に遅れるぞ」、「あと5分」、「明日までに書いてこい」

それでも言われてやっていればいいうちは楽だった。言われないのにやらなきゃいけないのは、本当にきつい。

人間には寿命がある。いつか死ぬ。定められた時間だ。それまでは、呑気に暮らしたい。山でも歩いてさ。それで、その時が来たら、・・・「おっと、もう時間みたいだ」ってね。

作家の高橋源一郎さんの本。

とは言っても、小説じゃない。エッセイでもない。高橋源一郎さんは今、毎日新聞の人生相談を担当してるんだそうだ。この本に取り上げられているのは、その中から100本を選んだものだという。

高橋さんは「わたしもまた、誰かに話を聞いてもらいながら生きてきた」って言うんだけど、これは本当かな。

私は自分の人生について、誰かに相談したことがあったかな。・・・思い当たらないな。思い悩んだことがないわけじゃないんだけどな。努力してできることなら努力したし、努力じゃどうにもならないことは、結局なるようにしかならないんだから、受け入れざるを得ないしね。

相談する人は、自分の意に沿った回答ならば、もちろん受け入れるだろうけど、意に沿わない回答だったら、それも受け入れるのかな。・・・受け入れないよね。だったら、人生相談に何の意味があるんだろう。





毎日新聞出版  ¥ 1,540

あなたのお話、聞かせてください。人生のままならぬ悩み、どうしたらいいの?
Ⅰ 恋のしたことがありません
Ⅱ 夫のすべてに悪寒が走る
Ⅲ 家族ってなんですか
Ⅳ ブサイクって言わないで
Ⅴ 占いが気になります
Ⅵ やる気がないけど、どうしよう
Ⅶ あめをもらってもいいですか


人生相談をすることに意義を感じることはできないけど、人がどんなことで悩むのかっていうことについては、大変興味深いものがあるね。

人の人生を横目で盗み見るみたいで、ちょっと後ろめたくはあるけどさ。

男と女のことは難しい。自分のことはともかくとして、周囲でもいろいろなことがあった。

「おいおい、あなたは既婚者でしょ」、「ええ、あなたは結婚間近のはずでは」、「えっ、別れるんか。だって御主人は、あなたのために大きな犠牲を」、「えっ、夜の間にそんなことが」、「なんでそっちとくっつくの。こっちのはずじゃなかったの」、「それは割れ鍋に綴じ蓋ということか」、「そこまで行っといて、何にもしなかったじゃ通らないよ」、「ダメだよ、ダメ。その女だけは」

夫婦の関係

家族の関係

子どもの悩み

仕事の悩み

歳を取って

ああ、人間は悩むために生きているかのよう。

高橋さんの言うとおり、「人間というものは、ずっと同じような悩みや苦しみを抱えてきたんだなって。人生相談なんてものが始まる遙か前から、おそらく、人間というものがこの世界に誕生して以来ずっと、人は悩」んできたんだな。

おまけに今は、それに加えて武漢ウイルスの時代。三密にならないように注意しているうちに、おそらく人は、新しいタイプの悩みを抱えることになりそうだ。

せいぜい、三散なことにならないように、気をつけよう。





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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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