めんどくせぇことばかり 『腸内フローラの科学』 野本康二
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『腸内フローラの科学』 野本康二

腸内フローラって言葉を、最近、よく聞くね。

微生物の世界というのは、もの凄いもののようだ。陸地にも海にも、そして生き物の身体の中にも、とてつもない数の微生物がいるんだってさ。中でも限定された微生物群がいて、私たちの腸内に独特の微生物生態系を作っていて、私たちと共生しているらしい。これを腸内フローラと呼ぶということだ。

微生物には、すごい力を持ったものがいる。最初に登場する生き物はシロアリなんだけど、シロアリの腸内に共生する微生物はシロアリが食べた木片を分解するセルラーゼという分解酵素を持っていて、木片を糖に変えるんだそうだ。さらにそれを細菌が食べて、シロアリが必要なアミノ酸、ビタミンなどの栄養素を作り出すという。私が木を食っても、腹を壊すだけだけどね。

パンダが笹を食べるのも、コアラがユーカリを食べるのも、それと同じような理屈があるんだそうだ。

なんだか、ピンク色の本でさ。かわいいじゃないの。いかにも素人向けに書かれた本のようだよね。でもね、装丁のピンク色からは想像つかないくらい勉強させられちゃうから、そのつもりでね。

なにしろ、始まりは、微生物学だからね。1800年代の終わりの北里柴三郎先生に始まり、病原微生物学、免疫学として発展してきた世界。そこから派生して生まれ出た腸内細菌学は、今や日進月歩の勢いで研究が進んでいるそうだ。著者の野本康二さんは1980年頃、この研究領域に入ったということだけど、まさに隔世の感があるということだ。

自ら、《臨床腸内細菌屋》と称する著者は、まさにこの本に書かれている“腸内フローラ”、“プロバイオティクス”の基礎研究を続けてきた研究者。その成果を、学生や社会人を相手に講義を行なうことも増えているんだという。「そんな講義でも使えるような、総合解説書があれば良いなあ」って思っていたんだそうだ。

あくまで著者の言葉だからね。「質量ともに蓄積している「腸内フローラと研究」に関する学術情報を、系統立てて一般の皆さんにお伝えするテキスト」として書かれたのがこの本ということだ。「学術情報を、系統立てて」・・・だからね。

さあ、大学の講義室で、教授を前にしたつもりで、“テキスト”を開いてみようじゃないか。




日刊工業新聞社  ¥ 1,760

腸内環境を整える有益な生理作用から病原菌や生活習慣病など疾病の発生まで
第1章 腸内フローラって何?
第2章 腸内フローラはどこで、どのように存在する?
第3章 いろいろな疾患と腸内フローラとの関わり
第4章 プロバイオティクスは腸内環境を改善するミカタ
第5章 腸内フローラを構成する細菌群を知ろう
第6章 どうなる?腸内フローラ/プロバイオティクス研究の今後


なにしろ話は、昔、勉強した世界史でも、重箱の隅をつつくような参考書にしか載っていなかった人たちと、その業績を教えてくれるところから始まる。

微生物学の父と呼ばれるアントニー・レーウェンフック。狂犬病のワクチンを開発し、さまざまな病気が微生物の感染によって引き起こされることを提唱したルイ・パスツール。独特の純粋分離培養法で、炭疽菌や結核菌、コレラ菌などさまざまな病原微生物を発見したロバート・コッホ。

メタゲノム解析法。PCR法とか、わけの分からないような言葉が並んでいるのを、斜めに読み飛ばして先へ進む。・・・PCRって、最近よく聞くけど、先へ進む。PCR法による解析が画期的な手法であるという話をあきらめて先へ進む。ようやく、《➆口腔内フローラの働き》にたどり着く。

それ以降は、腸内フローラと、その健康への影響に関わる話になるから、じっくり読んでいけば、私たちの関心事である“健康のために心がけるべきこと”が見えてくる。・・・に違いない。

なぜ、「・・・に違いない」ということになってしまうかというと、この本は第1章から第6章までの構成になっているけど、全体を通して45の項目と4つのコラムからなっている。ぜんぶで49。一度の講義で2項目と考えても、大学の講義で考えれば、十分に1年間分ある。

慣れない学問的な言い回しや、カタカナ言葉と格闘しながら理解していこうと思えば、数日かけてじっくり取り組む必要に迫られる。私には、ちょっとそこまで本腰を入れられない。だけど、この本の知識は、なんとか手に入れたい。

そんな私同様の人には、《第3章 いろいろな疾患と腸内フローラの関わり》から読むことをおすすめする。それから、《第4章 プロバイオティクスは腸内環境を改善するミカタ》に読み進める。

そのあと、心のゆとりがあれば、残ったところを読めばいい。ただ、最終項目の《㊺安全性の確保が一番》は、ぜひ読んでおいた方がいい。

ヨーグルトや乳酸菌飲料、じつは私はこれが苦手。代わりに甘酒を飲んでいる。ご飯にみそ汁、納豆、漬け物。なんだかずっと前から食べてきたものばかりで、新しさがない。



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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


























































































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