めんどくせぇことばかり 『中国は社会主義か』 芦田文夫 井手啓二 大西広 聴濤弘 山本恒人
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『中国は社会主義か』 芦田文夫 井手啓二 大西広 聴濤弘 山本恒人

「中国は社会主義か」

社会主義国家の経済運営が計画経済で、資本主義国家の経済運営が市場経済っていう括りみたいなもんが、一様あったはずなんだな。だけど1992年に、当時の最高指導者であった鄧小平よって、“中国”は《社会主義市場経済》に移行していく。

社会主義っていうのは、本質的に高度な資本主義から、それを止揚することで社会主義に移行するんでしょ。兄貴分のソ連にしたって、半分農奴制が残ったような社会で起こった革命を、無理やり引っ張ってプロレタリア革命に持っていった。

実際、進んだ資本主義国は行き詰まりを見せていたので、レーニンやスターリンのお誘いになびく人たちも少なくなかった。特に頭の良さそうな人、“さしずめ、インテリだな”。

戦前から戦中にかけて、とにかく逃げ回っていた中国共産党が中華人民共和国を起こした。まあ、中国共産党のかってだけど、そのあとも酷かったね。毛沢東の大躍進に、それに続いて文化大革命。毛沢東が死んでからも、四人組がやりたい放題。経済もずたぼろ。

そこまでは社会主義国家なんて言ったって、毛沢東と後継者の、おかしな個人崇拝国家があっただけだからね。そこから華国鋒の時代があって、70年代の後半に鄧小平に実験が移って、改革開放政策に舵が切られていく。しばらくは準備段階みたいな時期が続いて、経済活動の開放に合わせて政治的自由を求める動きが表れる。それが天安門事件につながった。

天安門事件のあと、“中国”は国際的な非難に晒されるものの、日本が主導して“中国”制裁を解除に持っていく。そんな政治危機の時期を経て、中国共産党は、国民を豊かさに導くことで政治的な不満を解消しようとした。それが社会主義市場経済による、改革開放の本格化だな。同時に、《反日》をスローガンに掲げて国民の意識をまとめていく。日本が、世界に対して、中国を孤立させることに反対したとき、江沢民は日本に感謝の言葉を述べたのに、あとはただ《反日》一辺倒になっていく。酷いやつだな。

そこからの“中国”は、もの凄いスピードで経済発展を遂げた。たしかにその通り。それこそ、ありとあらゆる手を使ってね。なにより強いのは人口が多いことと、それだけたくさんの人々に人権なんて存在しないこと。そのようにして、今や国際社会における巨人に成長した軍事強国“中国”は、はたして社会主義と呼べる国なのかどうか。

かもがわ出版が京都現代中国研究所との共催で、全関西の日中友好協会の後援で、「中国は社会主義か?」と題するシンポジウムを2019年12月21日に開いた。そのシンポジウムの内容を、まとめたのがこの本と言うことだ。



『中国は社会主義か』 芦田文夫 井手啓二 大西広 聴濤弘 山本恒人


かもがわ出版  ¥ 2,200
I「21世紀・社会主義」のあり方
一、何を課題とするのか
二、「社会主義をめざした」国々 20世紀と21世紀
三、「社会主義をめざす」社会経済体制と「資本主義」
四、「社会経済状態が遅れたところ」からの特殊性
五、「官僚制」と「経済的基礎 市場経済」との関連
六、「市場経済化・第2段階」における中国の課題
II 中国社会・経済の制度的特徴をどうみるか
一、中国社会・経済の現状をどうみているか 2020年春
二、中国経済の制度的特徴
三、社会主義市場経済をどう理解すべきか
四、中国における政治的民主主義の諸問題

III 中国は「社会主義をめざす資本主義」である
一、資本主義はその可能性を汲み尽して初めて社会主義に移行する
二、「政府規模」の長期法則と市場システム理解の問題について
三、どのように社会主義に向かうのか
四、「自由」は目標、「民主主義」は手段 「民主主義」は手段にすぎない
五、「中国覇権」は「よりましな世界秩序」 中国は一貫して軍事介入に反対
六、香港「民主派」のデモはどう理解しなければならないか
IV 資本主義・社会主義・大国主義 今日の中国の諸問題によせて
一、市場経済化の新段階に入った中国
二、史的唯物論からみた中国
三、「一党支配」体制からみた中国
四、核兵器問題と中国の大国主義的対外路線
V 中国の体制規定とその変革の論理
一、中国の体制規定について
二、中国における体制転換
資料編もくじ●シンポジウム「中国は社会主義か!?」





社会主義かどうかってことであれば、その定義を明らかにして、当てはまるかどうかを考えればいい。

社会主義が心の底から好きで、「社会主義だって言うから“中国”が好き」っていう人がいたとして、「中国は社会主義じゃない」ってことになったら、その人がショックを受けちゃうとか。そういう問題があるから、中国は社会主義かどうか決着をつけなければならないなんてことは、おそらくないだろう。

今ある“中国”は、今ある“中国”でしかない。

そういう点は、大西広さんが言っているように、「中国は社会主義か」という問いかけは、「中国は良い国か」という問いかけとは別の問題である。

「良い国か」という問いかけならば、私なら「良い国ではない」と答える。大西広さんは、「良い社会」だと感じているそうだ。“中国”という社会をどう見るかで、その答えは正反対に変わる。だから、この問いかけも、さほど意味のあるものとはなり得ない。ただ、大西さんは、その「良い社会」も、まだ来たるべき「社会主義」ではなく、よって相当に制約の多い「良さ」でしかないと言っている。“来たるべき「社会主義」”への途上にある、未熟な「良さ」と言うことのようだ。

井手啓二さんの、現在の“中国”をめぐる国際関係の悪さを憂えた上で、「最良のシナリオは、たとえば日本がアメリカから軍事的に独立し、アジア諸国・中国と対等・平等な関係を築くこと、アメリカは世界中に配置している軍事基地を撤去し、国外での軍事力の行使から決別すること、他方中国は、言論の自由をはじめ、基本的人権保障の点では欧・米・日の方が進んでいる面があることを承認し、それに学ぶことである」

う~、本人も、誰の“夢”にも入っていないと言ってはいるが、あまりにも悠長。そんなこと言ってると、つけ込まれるのが関の山。

大西さんに戻るけど、新疆ウイグルに関わる欧米の干渉が強まっている。あと、最近、内モンゴルに関してもそうだ。口出しちゃいけないって。口を出すなら、《天皇制という身分制や同和問題、アイヌ問題・・・への介入》を覚悟しなきゃいけないって。どんどん、エスニッククレンジングが進行しているのに、問題の大きさが絶対的に違うと思うんだけどな。

それから、香港の民主化デモは、“暴力デモ”という側面を持っていることに、だいぶ紙面を割いている。その点、山本恒人さんという方は、《昨年6月以来の香港の市民学生のデモは正当な行動で、発端となった「逃亡犯条例改正案」は中国側の勇み足》と言っている。

でも、その山本恒人さんも、《明治日本以来の中国・東アジアへの侵略と加害の「歴史の克服」は日本国民共通の課題で、アメリカによる「中国脅威論」に追随し、ひたすら憲法改悪・戦争の道を突進する日本の現状にストップをかけるのは私どもの責任》とまで言っている。

コーディネーターとして参加した聴濤弘は日本共産党の人でしょ。《9条改革反対》のビラが、どっか共産党の人の事務所に張ってあったのを見たな。


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本




















































































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