めんどくせぇことばかり 縄文弥生『天皇の国史』 竹田恒泰
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縄文弥生『天皇の国史』 竹田恒泰

朝、夜明け前に走ってる。

暗いうちに家を出て、空が、街が、徐々に明るくなるのを楽しみながら走る。歩道が痛んでいたり、街路樹の根で盛り上がっているところがあれば、フラットな車道を走る。もちろん、時々走ってくる自動車に注意しつつ。懐中電灯は、足下を照よりも、自動車に自分のいることを伝えるために点灯する。

私が、早出で山に向かうときは、逆の立場になる。夜明け前、歩道のしっかりしていない街の中の道を走ると、夜明け前の暗がりにヘッドライトに照らされて、ウォーキングをする老人たちが亡霊のように現れては消えていく。三途の川に向かっているようで、ドキドキしたりしてしまう。自動車からみれば、夜明け前に走っている私も、ヘッドライトに現れては消えていく亡霊のようなものだろう。

先日、そのトレーニングに、新しいメニューを取り入れた。もっと、身体全体を刺激できるように・・・。効果はてきめん、夕方から、脇腹の痛みで動けなくなった。翌日には腰にまで影響が及び、夜も痛みで眠れない。これでダメなら救急車のお世話もと、最後の手段で、医療用テニスボールで患部周辺をゴリゴリしたところ、いくぶん痛みが治まってきた。ようやく、うつらうつら出来るようになり、さらに翌日、一日静養したことで、本日、パソコンに向かうことが出来た。

医療用テニスボールは、4年前の手術で股関節の痛みから解放される前、毎晩のように使っていたもの。またこいつのお世話になるとは、・・・そう思ったら、思い出した。その頃使っていた座薬が、まだ冷蔵庫に入っているはず。確認したところ、やはり、あった。早くこいつを思い出していれば・・・。

静養に当てた一日、竹田恒泰さんの『天皇の国史』を読み始めてみた。ちょっと前に買って、すぐに何ページかめくってみたが、概略で進めていく内容ではなく、重要な部分では詳細な検討をそのまま文章化しているようなので、後回しにしておいた。

なにしろ、本編だけで600ページを超える。身動きできないときには向いているだろうと思ったが、寝ていても、本の重みが腰に来る。300ページ、300ページの上下巻にしてくれよと思いながら、休み休み読み始めてみた。

1年半前まで、高校の教員だった。

歴史の教員だけど、教員になってしばらくは、ほとんど教科書を使わずに授業をしていた。歴史好きの私からしても、歴史の教科書が面白いなんて思ったことはないし、新しい研究成果に徹底的に鈍感だから。教科書だったら、百科事典の方がよっぽど面白い。

竹田さんも書いているけど、今でも歴史教科書には、《猿人→原人→旧人→新人》という単一種で進化したとしか受け取れない書き方がされている。おそらくこれ、先輩の作り上げた学説に逆らえないまま踏襲してしまっているんだろう。

だから読書をするときに、生徒に話をする前提で本を選ぶことが多かった。研究者ではないから、この人の書いたものは信頼できるって思える人の本を読んで、その中から、「これは」というものがあれば、授業でも取り上げた。

教員をやめてから、それ以外のところから本を選らぶことも増えた。でも、久し振りに竹田さんの本を読んだら、特に、縄文・弥生の人の動きに関して、いつの間にやら、ずいぶん新しい知見が出てきているんだな。正直、ビックリした。




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元皇族が「これまでの研究活動と執筆活動の集大成となった」と自ら語る渾身の1冊
第1章 日本の神代・先史
第2章 日本の古代
第3章 日本の中世
第4章 日本の近世
第5章 日本の近代
第6章 日本の現代


その原因は、ミトコンドリアDNAとY染色体DNA、及び核ゲノムの解析精度が、近年、急激に上がってきたことにあるようだ。

それからもう一つ、それと同時に、考古学的な発見の点においても、以前には不可能だった新しい方法が持ち込まれているようだ。

両者によってもたらされる新しい知見は、1年1年の単位で、どんどん更新されていっている状況だという。

今回、いろいろなことの驚かされたけど、中でも一番驚いたのは、朝鮮半島の先史時代の様子だった。日本列島に比べて著しく少ないながら、半島にも旧石器文化は確認されたそうだ。ところが、間氷期が到来し、徐々に温暖化が進む1万2000年前頃、朝鮮半島から人類の活動の痕跡がなくなっているんだそうだ。

この空白期間は、なんと5000年も続き、今から7000年前頃、ようやく朝鮮半島に人類の活動の痕跡が現れ始める。いくつもの遺跡が見つかり、それぞれの場所から、朝鮮半と最古の土器とされる隆起文土器が発見される。

この隆起文土器が、なんと縄文土器なのだそうだ。

“中国”には縄文土器を作る文化はないから、無人となった朝鮮半島に渡って隆起文土器を作ったのは、日本列島から移り住んだ縄文人だった。

これは、ミトコンドリア・DNAの解析からも、明らかなことだそうだ。

もう一つ、弥生時代の開始が500年遡ったこと。

これは、教員をやっている頃から、そう言われていた。それなのに、気がつかなかったのは、私が鈍いからだ。日本に伝えられた米は、長江中下流域のもの。それは、朝鮮半島を介さずに、直接日本列島に入ってきた。だったら、朝鮮半島南部の水稲稲作は、日本列島経由ということになる。

水稲稲作は、朝鮮半島から日本列島に伝えられたのではなくて、日本列島から朝鮮半島に伝えられたと言うことだ。その頃、朝鮮半島にいたのが、縄文半島人であったということを考えれば、列島に伝わったものは、半島に伝わるのが当然だな。

しかも、水稲稲作の開始時に、日本列島では大きな戦いの痕跡はない。ミトコンドリア・DNA、Y染色体DNAの研究も、大規模な人の移動を突き止めることは出来ない。

すると、水稲稲作の開始をはじまりとする弥生時代の主役、弥生人は、どう日本にやってきたのか。・・・それが、縄文人が、そのまま弥生人に変わっていったと言うんっだ。だけど、それこそ教科書に出てるけど、縄文人の骨格と弥生人の骨格って違うよね。違いの原因は、やっぱり食いもんだよね。

あっ、米だ。米を食って、縄文人の骨格も変わっていったんだ。


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ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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