めんどくせぇことばかり 『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』 樋口耕太郎
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『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』 樋口耕太郎

昨日、連れ合いと一緒になんかのテレビ番組を見ていたら、韓国の《愛の不時着》という題名のドラマのことが話題になった。

もう私は、その題名だけで、腹がよじれるほど笑い転げてしまった。どうも、それが連れ合いの不興を買ったようだ。「これ、見たいと思ってた」と言ったその声に、《愛の不時着》という題名で笑い転げた私に対する抗議のようなものを、私は感じ取った。

取り繕うように、「いったいどこに不時着したんだろうね」と言った私に、連れ合いは「北朝鮮、・・・韓国の人は、北朝鮮と一緒になりたいのかな」と返してきた。

私は、「そんなのただの、ひねくれた反日意識の裏返しだよ」という言葉を飲み込んだ。連れ合いは最近、韓国の若い人たちの音楽への興味から、韓国のいろいろな分野に関心を持っているらしい。そのうちきっと、韓国の抱えるさまざまな問題を、自分で考えていくことになるだろう。

韓国人は、韓国の抱える問題に関して、何かと日本を引き合いに出す。併合時代のこと、南北分断のこと、“朝鮮人従軍慰安婦”のこと、“徴用”のこと、さらには現在の韓国の政治、経済、社会について。それらすべてについて、現状の韓国に関する原因のすべては、韓国人に由来する。

日本にその原因を求め、日本の責任を追及したい気持ちも分からないではないが、そう思うこと自体がいかにも韓国人らしいところだ。

こんなこと当たり前で、どの国だって国内にさまざまな問題を抱えているが、その問題の原因は自分たちにある。それをあたかも、他者の作った原因によって生じた問題であるかのように考えて、さらにはその責任を追求しようなんて、甘えでしかない。そんなところに関係づけられた日本の方が、いい迷惑だ。

さて、久し振りに沖縄に関わる本を読んだ。

沖縄に関しては、なかなか事が進まない。いつまでも同じところを堂々巡りしているような感じで、糸口さえ見つけ出せないようないらだちを感じさせる。だいたい、沖縄に関する問題ってなんだろう。

米軍基地問題、米軍政時代の問題、沖縄戦の問題、さらにその前の琉球処分の問題。米軍基地問題を除けば、過去のことであるから、沖縄に関する問題を考えようとすると、やはり基地問題が前面に来る。沖縄の問題とは、基地問題の集約されてしまうのか。

筆者の樋口耕太郎さんは、沖縄大学の教壇に立つ教育者という顔を持っている。この本の内容も、そこからの問題提起として始まっている。

大学進学率、中途退学率、学力、就職率、高卒・大卒無業者率、高卒・大卒離職率、小中不登校、暴力行為発生件数、いじめの認知件数、教員病休率、給食費未納率、刑法犯の少年割合、再犯率、共犯率・・・、沖縄の教育関連のさまざまな指標は、沖縄が全国でも大きな問題を抱えていることを示しているそうだ。

やさしい沖縄人、癒やしの島と呼ばれながら、自殺率、重犯罪、DV、幼児虐待、依存症、飲酒、そして貧困といったさまざまな問題に沖縄人は苦しんでいる。



光文社新書  ¥ 990

誰もなしえなかったアプローチで、沖縄社会の真実に迫る。沖縄問題は日本の問題
はじめに 沖縄は、見かけとはまったく違う社会である
第1章 「オリオン買収」は何を意味するのか
第2章 人間関係の経済
第3章 沖縄は貧困に支えられている
第4章 自分を愛せないウチナーンチュ

第5章 キャンドルサービス
おわりに これからの沖縄の生きる道


沖縄は米軍基地問題を抱えている。

もうずいぶん前のことになるが、1995年9月4日の米兵少女暴行事件のことは、良く覚えている。米兵3人が、沖縄本島北部の商店街から12歳の少女を拉致し、粘着テープで顔を覆い、近くの海岸で強姦した事件だった。

日米地位協定から、沖縄県警は米兵を逮捕するどころか、取り調べなどの捜査をすることも出来なかった。この事態に沖縄県民の怒りが高まり、反基地感情が高まった事件だった。

在日米軍が沖縄に占める割合はおよそ25パーセントで、よく言われる70パーセントとは大きな開きがある。70パーセントというのは米軍専用基地のことで、日本には多くの米軍と自衛隊の共用基地がある。ただ駐留する兵力から言っても、沖縄に偏りがあるのは事実で、本土には、そのための贖罪の意識を持っている人が多い。

だけど、どんなもんだろう。沖縄が抱えるさまざまな問題から考えてみても、そのすべての原因が基地問題に求められるだろうか。ただ、空気としては、存在しているな。沖縄の問題の大半の原因は、沖縄戦や米軍基地問題、それらに対する日本政府の姿勢に起因するという空気が。

その空気を無視して、「沖縄県民が直面する問題の原因は、沖縄県内にある」とする論調は、沖縄社会ではタブーだそうだ。

沖縄県民が抱えるさまざまな問題、教育に関わる諸問題、自殺率、重犯罪、DV、幼児虐待、依存症、飲酒、そして貧困といった問題の原因を、リアリティを持って、沖縄社会から抽出しようとした取り組みは、筆者の知る限り存在しないそうだ。

たしかに、私がこれまで読んできた、沖縄に関わる本も、基地問題をはじめとした政治の分野から沖縄を取り上げた本ばかりだった。沖縄県民が、日常生活の中で、日々直面しつつある問題を取り上げ、その原因を探り出し、解決につなげていこうという本は、これまで読んだことがなかった。

そういった側面から沖縄を取り上げたのは、この本がはじめてだ。

約3割に達する子どもの貧困率(1位、全国平均の2倍)、給食費未納率(1位)、一人あたりの県民所得(最下位)、非正規雇用率(1位)、失業率(2018年まで1位)、離職率(1位)、若年離職率・失業率・高大卒後の無業率(1位)、高大進学率(ワースト1位)、航行中対立(1位)、10代婚姻率(1位)、10代出産割合(1位、全国平均の2倍)、離婚率(1位)、デキ婚率(1位)、シングルマザー世帯出現率(1位、全国平均の2倍)一人親世帯の子どもの貧困率(1位、約59パーセント)

どうして、こんな状態になるまで放っておいたんだろう。


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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


























































































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