めんどくせぇことばかり 『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』 樋口耕太郎
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『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』 樋口耕太郎

沖縄経済の基地依存度は5パーセント?

沖縄の基地関連収入は県民総所得の5パーセントで、現在の沖縄経済はほとんど米軍基地に依存していない。そういうことにしたい人たちがいるらしい。沖縄県庁や沖縄県知事、さらには有識者やマスコミがそう繰り返すから、沖縄ではこの考えに疑問を持つ人はいないらしい。

基地に依存していながら、基地反対というのも言いづらいだろうからね。

基地関連収入を、軍用地料、軍雇用者所得、米軍等への財・サービスの提供の合計と定義すると、たしかに5パーセントくらいなんだそうだ。だけど、米軍基地があることによって沖縄が受けている恩恵には、おそらくそれを上回るものがあるはず。有形無形の補助金、税の優遇、政治的配慮から来るイベントやプロジェクト、その他を合わせた沖縄関連予算は年間3000億円を超えるそうだ。

本来の基地依存型経済の規模は、正確な統計はないそうだ。筆者の“感覚”では、少なく見積もっても県民総所得の25パーセント。それによって生み出されたさまざまな雇用等を考えれば、50パーセントに近いのではないかと。

一つの例として、酒税軽減措置が紹介されている。沖縄で生産・販売される酒類について、泡盛は35パーセント、ビール等は20パーセントの酒税減免措置が続いているそうだ。軽減された酒税の合計額は、復帰から2016年度までの累計で1287億円になるという。ビールに関してはオリオンビールの独壇場で、42年間で700億円の税を免れている。本土復帰以来のビール販売による利益の合計は520億円。

売り上げによる利益の合計より、国が減免してきた税金の合計の方が多い。・・・オリオンビールの経営陣は、会社としての事業力を向上させることよりも、酒税の優遇措置を国から勝ち取ることが、より重要な仕事になっている。

何かが間違っている。

人気の観光地である沖縄。美しい海や豊かな自然にあるれている沖縄。独自の言葉、独自の食の文化を持つ沖縄。その土地柄に憧れ、移住を決断する人も多い沖縄。

人はのんびりと暮らしていて、あくせくすることがない。地域の人々のつながりが強く、困ったときはお互いに助け合って生活している。内地の人間にも分け隔てなく接してくれる。沖縄は、癒やしの島。

でも、何かが間違っている。



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誰もなしえなかったアプローチで、沖縄社会の真実に迫る。沖縄問題は日本の問題
はじめに 沖縄は、見かけとはまったく違う社会である
第1章 「オリオン買収」は何を意味するのか
第2章 人間関係の経済
第3章 沖縄は貧困に支えられている
第4章 自分を愛せないウチナーンチュ

第5章 キャンドルサービス
おわりに これからの沖縄の生きる道


沖縄の人たちは、車を運転していても、クラクションを鳴らさないそうだ。

私は時々鳴らすな。信号待ちしていて、青になったのに前の車が気づかず発進しないとき。駐車場とかで、バックをはじめた車が、後ろの人や車に気がついていなそうな時。高速で、私の車に気づかず、目前の車が車線変更を始めた時。

内地の人間が、いつもの調子でクラクションを鳴らすと、沖縄では一斉に周囲の注目を浴びることになるそうだ。それも、決して肯定的とは受け取れない注目を。多くの場合、クラクションを鳴らすのは、せまりつつある危険を知らせるため。必要に迫られてやむを得ず鳴らしたクラクションに、非難の注目が浴びせられる。

沖縄では、必要に迫られてやむを得ず警告を発することは、波のない静かな高原の湖に石を投げ込むようなことであるらしい。沖縄社会は現状維持が鉄則で、同調圧力が強く、あえて波風を求める者を許さないんだという。心豊かでやさしい沖縄の人たちの間では、せまりつつある危険を知らせる行為、善意をもって改善を求めること、部下に誠実な仕事を求めること、友人の欠点を指摘することは、あってはならないこと。クラクションを鳴らさない人の間で成立する心豊かさであり、優しさなんだそうだ。

それを行なうことは、そこに存在する人間関係を拒絶する行為で、その人間関係に生きる者を裏切ることになるんだそうだ。それだけではない。沖縄では“出来る”者がいじめられる。弱い者いじめではなく、出来る者いじめ。個性的な人物。何でも一生懸命取り組む人物。スポーツ万能の人物。優等生。目立つことは悪いこと。

そんな沖縄社会では、労働者が昇進や昇給を望まない。経営者が報酬を支払わない以上に、従業員が昇給を望まない。パートが正社員になりたがらないから、雇用者はそれに甘んじてしまう。

コンビニで待たされても誰も怒らない。レストランで後回しにされても、文句を言い出すものはいない。待ち合わせは遅れてくるのが当たり前。誰もが同じ店で同じようなものを買い、新たな優れた商品が登場しても手を出そうとしない。

高校に入った男の子がかっこつけてサロンにでも行こうものなら、おばぁがやんわりと「いつもの床屋に行ったらいいさ」とつぶやく。おばぁの言うことを聞かない子は、家族や親戚、近所の人たちの間で特別な存在になる。

さまざまな問題が、まるでないことのように扱われ、そのままいつも通りの毎日が続いていく。

「なんくるないさ」




*「なにもしなくてもOK」という意味を持ってしまったこの言葉、本来は、「人事を尽くして天命を待つ」という意味を持っているそうです。
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ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


























































































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