『レシピがなくてもごはんはつくれる』
最近は、年寄りの一人暮らしや、二人暮らしの家が増えている。
そうなると、スーパーで買った食材を、料理に使い切れずに、無駄にしてしまうことも多くなる。そんなこともあって、最近は、野菜でも、小さいサイズ、少ない量で売っている。
年寄りだけとは言わないまでも、3世代同居なんて少なくなってるから、スイカを一個まるまる売ってない。すくなくとも、私の行きつけのスーパーでは。
私のところだってそうだ。豆腐は、一丁使い切れない。だから、その半分のを買う。朝のみそ汁には、それでも多い。だから、半分の半分をみそ汁に使う。残りは、電子レンジで水切りしておく。
水切りした半丁の半分は、滑らかにつぶして白和えに使ったりする。マヨネーズとすり胡麻を混ぜて、温野菜にかけてもいい。
私はいい加減な人間で、何でも適当だ。その正確は、料理にも反映されていて、私の作るものはいい加減で適当だ。今朝のみそ汁には、思いつきで“キムチの元”を入れた。思いつきで酒粕を入れることもあれば、牛乳を入れることもある。
ESSEという雑誌で、《レシピなしでつくれるごはん》という企画があったんだそうだ。「毎日が楽になった」と、これが大好評で、それなら、「この企画を一冊の本にしてしまえ」ということで生まれたのがこの本。
私なんか、しっかりレシピがあったって、“いい加減”に、かつ“適当”に理解する。細かいところまでは、しっかり頭に入れるわけじゃない。ましてや、それを見ながら作ろうとは、思いも寄らない。だいたい、すぐには作らない。
料理の本をたくさん買い込んで、「いつか作ってみようかな」ってくらいで読み飛ばす。ある日、ごはんを作るときに、冷蔵庫や何度にある食材を確認しているうちに、いつか読んだ本の、あの料理が、なんとなく頭に浮かぶ。
レシピの細かい部分は、もちろんながら覚えていない。なんとなく作り始める。本に書いてあったとおりじゃないかも知れないけど、おいしく作る方向性は、いくつかのパターンの中から選択し、味つけの量は経験による。


レシピなしで作ろうって言うんだから、この本は、もともと矛盾している。
だって、レシピなしでいいって言うんなら、この本だっていらなくなってしまう。それでは、この本自体が売れないことになってしまう。だから、「レシピがなくてもごはんはつくれる」というのは、本当であって、本当ではない。
ある程度の期間、家族のご飯を作ってきた方なら、この本に出てくるパターンは、だいたい経験している。そういう経験を持っている人なら、この本を読む必要もない。文字通り、『レシピがなくてもごはんはつくれる』。
決して、お客さん向けの料理が作れるようになるってことじゃないけど、家族においしい料理を提供するなら十分。もちろん、料理好きの方々は、ワンパターンにならないように、いろいろと料理のことを調べてるんだろうけど。・・・私も同じ。
料理経験の薄い人、それから、もう一回りしちゃって、何にも思い浮かばなくなっちゃった人には、この本はいい。パウロではないが、まさに「目から鱗が落ちる」だろう。
この本の、“レシピなし”パターンは、1章は「味つけなし」、2章は「味をつけて焼く、炒めて塩か醤油、市販の調味液で煮る」、3章は「醤油:酒:みりん=1:1:1で焼く、炒める、煮る、漬ける」、4章は「炊き込みごはん」、5章「副菜」。
《1章の味つけなし》を担当したのは、料理研究家の“きじまりゅうた”さん。わざわざ名前に印を付けたのは、ひらがなで名乗っているので、判別しづらいと思ったから。村上昭子の孫で、杵島直美の息子。料理研究家3代目。
NHKの《きょうの料理》では、江戸懐石近茶流の柳原尚之さん、中華の陳建太郎さんとともに、“おかず青年隊”を結成して頑張っている。私の連れ合いは、柳原尚之さんのファン。いい男に弱いタイプなんだな。
1章は、味つけしない料理だからね。それをどうおいしく食べるか。簡単。冷蔵庫や納戸の食材を見て、今まで食べてうまかったものを思い出せばいい。どうやら、“きじまりゅうた”さんの料理の基本もそのへんにあるようだ。
塩、醤油、ポン酢、ソース、ケチャップと、そういう味つけで、うまかったもの。・・・あるでしょう? それと食材を組み合わせて考えているみたいね。どれも、手早く出来て、満足感の高いものばかり。
料理を作るのは女の人ばかりじゃないけど、今でも女の人に頼る場合が、やはり多いんだろう。仕事もしている女の人は、大変だな。だから、“きじまりゅうた”さんのような料理との向き合い方も必要になってくる。他の章の料理も、レシピを調べて、食材を揃えてと、そういった時間を省いても作れる料理が紹介されている。時代に合わせた生活を、料理の側面から応援している本でもあるわけだな。
ちなみに、今日のお昼は、《豚丼》。納戸を見たら、娘の家になってる柚をたくさんもらってきてあった。あと、玉ねぎもあった。冷凍庫に、小分けにした豚の細切れがあった。
ボウルにショウガとにんにくをおろして、ゆずの絞り汁、醤油を加えておく。肉は塩こしょうで下味を付けて、片栗粉と甘酒でもんでおく。油を引いたフライパンで薄切りにした玉ねぎと肉を炒めて、いい感じになったら、ボウルに混ぜ合わせた汁をかける。片栗粉のとろみが出たら、できあがり。
酸味を強くきかせた方がうまい。
そうなると、スーパーで買った食材を、料理に使い切れずに、無駄にしてしまうことも多くなる。そんなこともあって、最近は、野菜でも、小さいサイズ、少ない量で売っている。
年寄りだけとは言わないまでも、3世代同居なんて少なくなってるから、スイカを一個まるまる売ってない。すくなくとも、私の行きつけのスーパーでは。
私のところだってそうだ。豆腐は、一丁使い切れない。だから、その半分のを買う。朝のみそ汁には、それでも多い。だから、半分の半分をみそ汁に使う。残りは、電子レンジで水切りしておく。
水切りした半丁の半分は、滑らかにつぶして白和えに使ったりする。マヨネーズとすり胡麻を混ぜて、温野菜にかけてもいい。
私はいい加減な人間で、何でも適当だ。その正確は、料理にも反映されていて、私の作るものはいい加減で適当だ。今朝のみそ汁には、思いつきで“キムチの元”を入れた。思いつきで酒粕を入れることもあれば、牛乳を入れることもある。
ESSEという雑誌で、《レシピなしでつくれるごはん》という企画があったんだそうだ。「毎日が楽になった」と、これが大好評で、それなら、「この企画を一冊の本にしてしまえ」ということで生まれたのがこの本。
私なんか、しっかりレシピがあったって、“いい加減”に、かつ“適当”に理解する。細かいところまでは、しっかり頭に入れるわけじゃない。ましてや、それを見ながら作ろうとは、思いも寄らない。だいたい、すぐには作らない。
料理の本をたくさん買い込んで、「いつか作ってみようかな」ってくらいで読み飛ばす。ある日、ごはんを作るときに、冷蔵庫や何度にある食材を確認しているうちに、いつか読んだ本の、あの料理が、なんとなく頭に浮かぶ。
レシピの細かい部分は、もちろんながら覚えていない。なんとなく作り始める。本に書いてあったとおりじゃないかも知れないけど、おいしく作る方向性は、いくつかのパターンの中から選択し、味つけの量は経験による。
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レシピなしで作ろうって言うんだから、この本は、もともと矛盾している。
だって、レシピなしでいいって言うんなら、この本だっていらなくなってしまう。それでは、この本自体が売れないことになってしまう。だから、「レシピがなくてもごはんはつくれる」というのは、本当であって、本当ではない。
ある程度の期間、家族のご飯を作ってきた方なら、この本に出てくるパターンは、だいたい経験している。そういう経験を持っている人なら、この本を読む必要もない。文字通り、『レシピがなくてもごはんはつくれる』。
決して、お客さん向けの料理が作れるようになるってことじゃないけど、家族においしい料理を提供するなら十分。もちろん、料理好きの方々は、ワンパターンにならないように、いろいろと料理のことを調べてるんだろうけど。・・・私も同じ。
料理経験の薄い人、それから、もう一回りしちゃって、何にも思い浮かばなくなっちゃった人には、この本はいい。パウロではないが、まさに「目から鱗が落ちる」だろう。
この本の、“レシピなし”パターンは、1章は「味つけなし」、2章は「味をつけて焼く、炒めて塩か醤油、市販の調味液で煮る」、3章は「醤油:酒:みりん=1:1:1で焼く、炒める、煮る、漬ける」、4章は「炊き込みごはん」、5章「副菜」。
《1章の味つけなし》を担当したのは、料理研究家の“きじまりゅうた”さん。わざわざ名前に印を付けたのは、ひらがなで名乗っているので、判別しづらいと思ったから。村上昭子の孫で、杵島直美の息子。料理研究家3代目。
NHKの《きょうの料理》では、江戸懐石近茶流の柳原尚之さん、中華の陳建太郎さんとともに、“おかず青年隊”を結成して頑張っている。私の連れ合いは、柳原尚之さんのファン。いい男に弱いタイプなんだな。
1章は、味つけしない料理だからね。それをどうおいしく食べるか。簡単。冷蔵庫や納戸の食材を見て、今まで食べてうまかったものを思い出せばいい。どうやら、“きじまりゅうた”さんの料理の基本もそのへんにあるようだ。
塩、醤油、ポン酢、ソース、ケチャップと、そういう味つけで、うまかったもの。・・・あるでしょう? それと食材を組み合わせて考えているみたいね。どれも、手早く出来て、満足感の高いものばかり。
料理を作るのは女の人ばかりじゃないけど、今でも女の人に頼る場合が、やはり多いんだろう。仕事もしている女の人は、大変だな。だから、“きじまりゅうた”さんのような料理との向き合い方も必要になってくる。他の章の料理も、レシピを調べて、食材を揃えてと、そういった時間を省いても作れる料理が紹介されている。時代に合わせた生活を、料理の側面から応援している本でもあるわけだな。
ちなみに、今日のお昼は、《豚丼》。納戸を見たら、娘の家になってる柚をたくさんもらってきてあった。あと、玉ねぎもあった。冷凍庫に、小分けにした豚の細切れがあった。
ボウルにショウガとにんにくをおろして、ゆずの絞り汁、醤油を加えておく。肉は塩こしょうで下味を付けて、片栗粉と甘酒でもんでおく。油を引いたフライパンで薄切りにした玉ねぎと肉を炒めて、いい感じになったら、ボウルに混ぜ合わせた汁をかける。片栗粉のとろみが出たら、できあがり。
酸味を強くきかせた方がうまい。
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