めんどくせぇことばかり 『作ってあげたい小江戸ごはん 2』 川原真由美
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『作ってあげたい小江戸ごはん 2』 川原真由美

娘家族が、川越に住んでいる。

夫婦と子ども二人の4人家族。両親とも、物作りを仕事にしていて忙しい。子どもは、上が今年小学校に入った。下は保育園通い。仕事が立て込むと、「週末、預かってくれないか」ということになる。

今年は、そのパターンが多かった。感染症流行下でもあり、また娘のところには車がないので、爺婆が車で送り迎えする。東松山から国道254号線を南に進み、山田の交差点で右側の市街地へ向かう道に入る。2キロほど進んだ信号を左折すると、左手に現れる裁判所前の三叉路を右折して娘の家に向かう。ここから3キロほどの区間が、観光客の多い通りで、車の運転にも気を遣う。

裁判所近辺で、最近、着物を着た女性をよく見かけるようになった。、・・・いやいや、女性だけじゃない。カップルで着物を着て歩いている。着物を着た人は、川越駅方面から裁判所に向かって歩いてきて、裁判所前を右に曲がって行く。

そちらに進むと、川越の総鎮守氷川神社がある。なんでも、縁結びの神さまとして訪れる人も多いという。市内には何軒か、着物のレンタルショップがあって、着付けからヘアセットまで、頭からつま先までそれらしく整えて、3000円もかからないサービスをしているらしい。

自分の子どもが小さい頃は、ときどき川越に遊びに連れてきた。丸広の屋上であるとか、菓子屋横町であるとか。だけど、最近の観光客の多さはどうだ。以前とは比べものにならない。車を運転していると、道路に人があるれているように見える。

ただ、川越は“小江戸”と呼ばれるとおり、街自体が観光客を集めている。だから、道から車を排除するのは難しい。現状でも車で走るときは気を遣う。これ以上観光客が増えるようなら、やはり対策は必要だろう。

『作ってあげたい小江戸ごはん 2』を読んだ。

小江戸川越の氷川神社の近くにある信楽食堂。昔ながらの定食屋だが、その名前から《たぬき食堂》と呼ぶ人もいる。主の入院で東京で修行していた息子が帰ってきたが、父と息子の間には、亡くなった母への想いを巡る心のすれ違いがあった。

複雑な思いを抱えたまま、信楽食堂の厨房に立った息子の大地だが、思わぬ味方が現れる。やたらに古風なしゃべりを繰り返す、ひたすら前向きな天然娘が、いつの間にか信楽食堂に居着いてしまう。



角川文庫  ¥ 660

川越の定食屋「たぬき食堂」、絶品定食を求めて、今日もお客さんが訪れる
第一話 節東風ーまんぷくトマトスープ
第二話 桜湯ーごまねぎポン酢
第三話 春祭ーびっくり焼きおにぎり
第四話 祝言ーえんむすびのサツマイモ
第五話 掻餅ーぼた餅とおはぎ


いつの間にか信楽食堂に居着いてしまった娘は、すぐに店の看板娘になってしまう。名を、“たまき”と言うが、ふと油断をした瞬間に、尻尾をだす、・・・これは慣用句としてではなく、本物のふわふわとした尻尾を出してしまうことが時々ある。

ただ、“たまき”がいることで、信楽食堂の雰囲気は、いつしか変わっていった。お互いの気持ちがすれ違い、ぎくしゃくしていた父と息子が分かり合えるようになったのも、“たまき”の能天気なまでに楽天的な考え方の影響によるところも大きい。

さて、3人がそれぞれの役割を果たして切り盛りする信楽食堂を舞台に、『作ってあげたい小江戸ごはん』も第2巻となった。

第一話では、かつて大地が世話になった、銀座の有名洋食店《洋食屋近藤》の主、近藤が現れる。大地に会うために、わざわざ川越まで足を運んだのだ。一体、なんのために・・・。

第二話では、母を亡くし、その母に支えられていたことを、今更ながら思い知らされた芸能タレントが、番組をすっぽかして信楽食堂にやってくる。そこには、なんと、母の面影が・・・。

第三話では、店の常連大築が、死にそうなほどの沈んだ顔でやってくる。離婚したときの約束で、大築と一緒に暮らしている娘が中学を卒業するとき、あらためて父と暮らすか、母と暮らすかを決めるという。状況は、大築に不利だった。

第四話では、大地の初恋の人、岡野理沙子が信楽食堂にやってくる。結婚式の日の、簡単な食事を頼みたいという。話を聞くと、理沙子の父親は、この縁談に乗り気ではないらしい。

第五話では、《洋食屋近藤》の主、近藤が、信楽食堂にやってきたわけが明らかになる。

この第二巻で、すでに『作ってあげたい小江戸ごはん』も、“人情食堂物語”の形を確立しつつあるように思われる。なにしろ、気軽に読めるのがいい。

ひたすら時間を過ごさなければならないようなとき、こんな本があるといいな。

それから、料理ってところに注目すると、今回、圧倒的に、第一話の《まんぷくトマトソースごはん》だな。“たまき”が作った《卵の黄身の醤油漬け”もいい。すでに“卵の黄身の醤油漬け”は作った。かなりうまい。



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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


























































































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